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M-1グランプリ ファーストラウンドの出番順は重要か

はじめに

 このクソ暑いなか、年末の大イベントである「M-1グランプリ」の予選がすでに始まっている。いかがお過ごしだろうか。

 当記事をご覧の皆さんは過去一度はM-1決勝に出場したことがある芸人たち、もしくは、今年のM-1の決勝に進出する運命にある芸人たちだろうと思う。その芸人諸君に私は問いたい。今後、「M-1決勝に出る」という状況になって気にすべきことは何だろうか。

 これは言うまでもなく、一番は司会の上戸彩である。

 なぜなら、上戸彩は国宝として崇められるべき美女だからである。「上戸彩なんて、勝敗に関係ないではないか。もっと真面目に取り組め。」と主張する人もいるだろう。しかしながら、人間は宝の前では無力なのである。しょうがない。

 では、上戸彩の次、二番目に気にすべきことはなにか。これは「ファーストラウンドの出番順」である。

 なぜなら、笑神籤を引くときの上戸彩の笑顔が世界遺産並みに素敵だからである。(上戸彩は、ただ可愛いだけではない。激務続きの10代の集大成として自分の親にマンションをプレゼントするくらいの素晴らしい人格者である。そして、今では自分が親となって子供に愛を注ぎながら精力的に仕事を笑顔で続けている。全国民感涙必至。そんな上戸彩から目を離せるはずがない。

 あと、勝敗に関係あるからだ。

 今回はこの「ファーストラウンドの出番順」について考えることとしたい。

出番に関する仮説

 この「ファーストラウンドの出番順」については、色々な人で以下のようなことを言っている(気がする)。

(仮説1)出番が早すぎるのは不利である。なぜならお客さん側も温まっていないし、審査側も"見定め"的な点数を付けがちだし、芸人側も出番が早いと緊張する(心の準備をしきれない)からである。
(仮説2)出番が遅すぎるのも不利である。なぜならお客さん側は飽きてくるし、審査員側も付ける点数が無くなってきて妥当な採点にならない可能性があるし、芸人側も「待ち疲れ」で最高のパフォーマンスを発揮できないからである。
(仮説3)このような理由から、真ん中くらいの順番が一番良い。


 これらの話は芸人本人やお笑い好きの方々にも当然のように語られるが、多くの場合は実際データ等に基づいて語られることがなく、あくまで「感覚的」なものである。

 今回の記事では「感覚」ではなく、「データ」に基づいてこれらが本当なのか、を検討することとしたい。

検討

◆散布図を見て傾向を探る

 まず、ファーストラウンドの出番順、得点率を集計した結果を概観したい。(図1 M-1グランプリファーストラウンド 出番順と得点率分布)

図1

 人の目で見ると、散布図上部を見ると出番が後になればなるほど高くなっている(右上がり)ように見えるが、散布図中部~下部までを含んで見ると、後半にもそこそこ低い得点率のデータが存在しており、微妙なところだ(ちなみに線形の場合の相関係数は0.16)。散布図ではよく分からないので、今回は別の見方で傾向を探ることとしたい。

◆出番ごとの平均値を検討する

 今度は、出番ごとに平均値を取ることとしたい。ここで、過去M-1では10組が出場する回と9組が出場する回があり平均値取得においては混在させると都合が悪いこと、過去15回中11回が9組出場回でありデータ量的に問題ないと思われること、から9組出場回に限って分析する。

図2

 なかなか非常に興味深い結果になっているのではないだろうか。

 9組出場回の全体の得点率の平均値は88%であるが(ちなみに中央値も88%)、それに比して1番目~3番目は顕著に低い。一方で4番目以降は平均値に近く、5番目は唯一90%を超えているという結果であった。

 ◆平均値の有意差を検討する

 さて、ここで重要なのは、この結果に有意差があるかということである。つまり、本当に順番に関係あって差が出ているのか、順番なんて実際は関係なくてたまたま差が出ているだけなのか、どちらなのか、ということだ。

 有意差があるかどうかを分かりやすくするために、出番順をグループごとに分けることとしたい。1~3番目を「序盤」、4~6番目を「中盤」、7~9番目を「終盤」の組と考え、グループごとに得点率の平均値を取ったものが以下である。

図3

 ここでt検定を行ったところ、以下のような結果となった。

図3-2

 上記グラフに結果を記載しているが、序盤と中盤、及び、序盤と終盤には有意差があることがわかる。一方で、中盤と終盤には有意差はない(両側確率 序盤vs中盤0.3%、中盤vs終盤71.7%、序盤vs終盤1.3%である)。

結果

 ファーストラウンドの場合は、出場順がくじでランダムで決まっている(はず)ので、面白い出場者・つまらない出場者の順番は平等にバラけている(はず)。そういった前提下で順番においてこのような有意差が出るということは、やはり、序盤(1~3番目)の出場者は、中盤・終盤(4~9番目)の出場者に比べて順番的に不利と言える、だろう。

 一方で、終盤は他グループに比べて劣る有意差は見られないことから、決して不利ではない。むしろ、序盤に比べたら有利であるから良い順番と考えるべきである。

 仮説に紐付けて整理すると以下のようになる。

(仮説1)出番が早すぎるのは不利である。なぜならお客さん側も温まっていないし、審査側も"見定め"的な点数を付けがちだし、芸人側も出番が早いと緊張する(心の準備をしきれない)からである。→理由はともかく、不利なのは正しいと言えそうだ。

(仮説1)出番が遅すぎるのも不利である。なぜならお客さん側は飽きてくるし、審査員側も付ける点数が無くなってきて妥当な採点にならない可能性があるし、芸人側も「待ち疲れ」で最高のパフォーマンスを発揮できないからである。→そんなことはない。むしろ、相対的に有利である。
(仮説3)このような理由から、真ん中くらいの順番が一番良い。→中盤も良いが、終盤も良い。


 この世界、実力が一番重要であることは言うまでもないが、運もそれなりに重要である。決勝進出される読者諸君のグループ名が笑神籤から1~3番目に引かれないことを願ってやまない。

(上戸彩のオフィシャルサイトはこちら。)

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高輪ゲートウェイ系男子
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