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フィリピン政府から弾圧されているルマド族の少年に話を聞いてみた

 こんにちは!みなさんはフィリピンのルマド族についてご存知でしょうか。ルマド族はフィリピンの南部、ミンダナオ島に暮らす部族の総称です。ルマド族の一部の子供たちは現在、故郷を離れマニラで避難生活を送っています。なぜ避難しているのでしょうか。そして、フィリピンで一体何が起きているのでしょうか。先日フィリピン大学に避難しているルマド族の少年に話を聞く機会がありました。(ちなみに上の写真はルマド族とは関係ありません。フィリピンの観光地チョコレートヒルズというものです。)

なぜ避難しているのか

 避難生活などについて話してくれたのは17歳と19歳の青年。彼らはルマド族が反政府者とみなされている理由をあまりよく理解していないようであったため、反政府とみなされている理由は自分で調べてみたので、私なりの解釈を述べる。
 ルマド族の暮らす土地には鉱山資源や森林などの天然資源が豊富にある。そんな土地を開発しようと企業などが彼らから土地を奪おうとするわけだが、当然ルマド族はそれに反発する。反発する住民をフィリピン政府は反政府者とみなして、弾圧するそうだ。国家にとって自然資源は重要であるからだろうか。理不尽極まりない。弾圧する場所はルマド族の教育の場である学校などである。そのためルマド族の学校はフィリピンの軍に制圧されていて、子供たちは危険を避けるためメトロマニラにある大学などに避難している。

避難場所

 彼らはフィリピン大学の校舎のうちの一つを借りてそこで寝泊まりしている。ここには約90人ほどが避難しているらしい。その校舎の外にもテントを張っていた。校舎の中ではルマド族の人に話を聞く一般の人もいた。ルマド族の人々はとても歓迎的であった。

病気

 もともと彼らが住んでいたのは、山などの自然の中。一方現在はマニラという大都市。彼らが住んでいたところに比べ、空気が圧倒的に汚い。そのため多くの人が病気になってしまうそうだ。まだマニラに来てから半年ほどらしいので、慣れるにはもう少し時間がかかるのではないだろうか。

勉強

 彼らはとにかく勉強がしたいと言っていた。勉強は誰にでも平等にある権利だと主張していた。ごもっともだ。彼らは現在、フィリピン大学の学生のボランティアによる授業を受けることができている。テストなどもあるらしい。学生が積極的に彼らをサポートしていくのは素晴らしいと思う。

お金・食事

 子供たちだけで避難しているということで、お金や食事はどうしているのかということを疑問に思うが、基本的に寄付で成り立っているという。

暇つぶし

 避難生活は授業などがあるとき以外は暇な時間が多いようで、暇な時間はビーズでブレスレットなどを作っていた。作り方はマニラに来てから覚えたようだが、クオリティはかなり高い。話をしてくれている最中もブレスレットを作っていた。上の写真がそのブレスレッド。

部族や宗教について

 ルマド族はミンダナオ島に暮らす数多くある部族の総称で、宗教も多様である。青年も部族や宗教などの関係は複雑でよくわからないと言っていた。基本的にはアニミズム(自然宗教)が一般的らしいが、話してくれた青年はムスリムであった。ただ、収穫を願ったり祝ったりする祭りは宗教に関係なく皆で一緒にやるらしい。


 もともと、ルマド族について何も知らなかったのですが、避難している青年から話を聞けるという機会はとても貴重でした。フィリピン国内で政府に弾圧されている人々がいるなんて驚きですね。自由に教材を集め、勉強することのできる私がいかに恵まれているかということを感じました。17歳の青年が将来医者になって人々を助けたいと言っていました。逆境に立たされているなかでも夢を持つことのできる彼の強さ、見習いたいです。

See you soon!

#フィリピン #マニラ #ルマド族



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