俺は最後まで「まいちゅん」と呼べなかった
2022年2月10日、乃木坂46から新内眞衣(現セント・フォース)が卒業した。
正直ファンなりたての数年前の自分からしたら、まさかここまで長くアイドルを続けてくださり、さらには卒業記念2nd写真集、最初で最後のソロ曲、縁のある有楽町での卒業セレモニーとこんなにも盛大な機会を用意してくださるとは夢にも思わなかった。
最後の最後まで、新内眞衣らしい挨拶だった。
人間的な部分が好きだった。
突然だがあなたは推しメンをなんと呼んでいるだろう?
新内眞衣には公式のあだ名で「まいちゅん」というのがあった。
しかし俺は「新内さん」と呼んでいた。意識的にそうしてる訳でもなく、自然にそう呼んでた。本人の前でも「新内さん」だった。
一般の感覚からすると「さん付け」は壁を作っているようにも見え距離があるようにも見える。だけど、この呼び方が一番しっくり来た。
呼び方問題で軽い失敗談がある。
初めてのライブで「超絶可愛い!○○!」という恒例のコールをする場面があった。オタクなりたてで知識もなかった俺は一発目普段呼び慣れているように「超絶可愛い!新内!」とコールしようとした。
しかし正解のコールは「超絶可愛い!まいちゅん!」周りが言い出すと一瞬思考回路がバグった。
「まい…ちゅん?そんなメンバーいたっけ?」「新内さんはまいちゅんだ!」
「超絶可愛い!si…ゅん!」
当時高校生の弱々しい声は周りの轟音にかき消された。
呼び方に関して本人は
と発言しているし、秋元真夏や松村沙友理などの乃木坂メンバーやOGも「まいちゅん」呼びをしているので、何ら恥ずかしい事はない。
ただ個人的に「まいちゅん」という呼び方はなぜかむず痒くなってしまう。恥ずかしい。
まいやん、なぁちゃん、飛鳥ちゃんと他のメンバーはニックネームで呼べたが、最初から最後までさん付けだったのは推しメンの新内眞衣だけだった。
なぜ、こうなったんだろう。
卒業して数か月が経ったある日、やっと呼べない理由の感覚が分かった気がした。
リスペクトが含まれてたからだと思う。
自分にとって新内さんは
11個年上のキラキラしたアイドルでもあり、
パーソナルな部分に触れられるラジオのお姉さんでもあり、
握手会やミーグリで人生経験が浅い自分の相談にも真摯に答える人生の先輩でもあった。
ラジオの人というイメージで知った直後は「(好きは好きだが愛称で呼ぶほどの好きでもないので一番無難な呼び方で)新内さん」だったが、人間性を深く掘り下げ、ラジオや活動を長く追っていった過程を経て「(尊敬の念を込めて呼ぶ)新内さん」になった。
最後になるが、僕の謎のこだわりはアイドル時代に置いていこうと思う。
とはいっても新しい呼び方を作るのもなあと。新内ちゃん、眞衣ちゃんと呼ぶのははなんか違うし。
いつも通り新内さん、それから時々まいちゅんと呼ぼう。語感も可愛いし。今なら呼べる気がする。
そして、ちょうどいいタイミングになったら今度は新内アナと呼ぼう。
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