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これから起業したい人へ

先週のことですが、Freewillさんという会社の社員総会で講演させてもらいました。一緒に出ているのはセカイカメラやテレパシーを作ったあの井口尊仁さんです。かたやWikipediaにも名前が出ている有名人でかたや名もなきCTOで釣り合わなくて恐縮(笑)なのですが、エンジニアがメインの会社でキャリアの参考になればということで過去の体験談を話してまいりました。

中学生時代のパソコンとの出会いに始まり、就職でプログラマーを選択したことや金融SE時代の話からサイバーエージェントでの仕事の話もしてきました。ウエディングパークからフリーランスに転じて現在のフレンバシーに至った経緯も話してきました。この辺の話はまあまあディープなので個別に聞きたい人にはお話するのでここでは割愛します。

フレンバシーは自分がファウンダー(創業者)でもなければコファウンダー(共同創業者)でもないのですが、たどってきた歴史と、自分がこの会社にジョインするまでにやってきたことって、意外と人の役に立つのかもと思えてきました。特にいつか起業とかしてみたいと思っているような人には参考になるところもあるかもしれません。
仮に今、どこかの会社に就業中で起業に対してなんとなく興味あるくらいの方だとしたらいくつかヒントになるような話を書いておこうかなと思います。

今の仕事を真剣にやりきる

なんとなく今の仕事に集中できずフワフワしていて、全力出さないという人がいたらそれはよろしくないです。転職するにしても、起業するにしても、今の仕事を真剣にやりきってない人は次も失敗すると思います。今の仕事の先に次のステップにつながっていると考えて行動したほうがいいと思います。もちろん、周りの環境が良くなくて成果が出せないということもあるでしょう。その場合は自分ができる最大限を考えて、他責にしない方法を考えるといいです。私も自分の思うようにならなくてイライラする事は多いのですが、人のせいにしても何も解決しないと自分に言い聞かせて次のアクションを考えています。

自分の得意不得意・好き嫌いは把握しておく

とはいえ、自分ができることできないことを冷静に判断できないとドツボにハマってしまうでしょう。例えば自分が技術が得意ならビジネスは頼れる人に任せようとかそういうふうに考えれば一人で悩まずにすみます。フレンバシーでは最初がCEOしかいない会社だったので私がエンジニアで押しかける形で入りましたが、ある程度うまくいったのではないかと思っています。私も自分で起業したいと思っていたけど一人では出来ることに限界があるので志が同じで技術以外のところはある程度任せて大丈夫な人を探そうと思ったのが最初です。たまたまWantedlyで当時自分がやりたかったインバウンドビジネスの会社(がフレンバシー)だったのでそこで意気投合したという感じです。

好き嫌いを把握という話は例えば私の立場だと色んな会社からお仕事の引き合いをいただくのですが、どう頑張っても興味がわかない分野も多いです。無理して合わせても成果物はそこそこで終わると思います。そういった好みに関する部分は自分を客観視して理解しておいたほうがいいです。昔(昭和から平成くらい)は好き嫌いなく苦手なことも克服することを求める風潮にあったと思うけど、今は得意を伸ばすという世の中になったと思います。以前よりも生きやすくなったんじゃないですかね?

週末起業コンテストに出てみよう

自分の転機としてStartupWeekendで優勝経験があったことも総会ではお話しました。2010年のStartupWeekend東京の2回目に出場し、自分のアイデアはピッチの時点で人が集まらずNGだったのですが、そこで他のフィリピンからの留学生がリーダーのチームに入って、そこで優勝したという得難い体験が自分に火をつけた気がしています。

StartupWeekendは金曜の夜から始まって、日曜日の夕方に成果の発表を行うプチ起業イベントです。ハッカソンと見る人もいますが、プログラミングが必須ではなく一歩踏み出せない、やり方がわからない人向けのイベントです。人脈も広がるし、ちょっとした青春を取り戻すこともできます(笑)。

もちろん優勝すれば自信にもなるし次のステップが見えたりとかもあるとは思いますが、意識しすぎるあまり他のチームを敵視してしまう人もいて、これはこれで貴重な学びの機会を失うことになるのでやりすぎないように気をつけましょう。周りの話も聞きながら自分たちのプレゼンをひたすら磨くというのはどの仕事でも必ず役に立つスキルでもあります。

副業してみる

前職の時や今のフレンバシーでも何回か副業していたことがあるのですが、スキルを磨いたり、チームで成果を上げる方法を学ぶ上では非常に有用な経験となりました。

実は最初の副業は自分から探したわけではなくて、LinkedIn経由でネットプライスの新規事業担当の人が声をかけてくれたのが始まりでした。会社でバレたら怒られるなと思いながらも他の会社のプロダクトを作る手伝いをするというのはなかなかエキサイティングでした。新しいスキルや考え方を身につける機会にもなるし、自分が培ってきたスキルがどのように他で使えるのかを試す機会にもなります。今所属している会社に、学んだことを還元すれば意味があるよね―と自分に言い聞かせてやってました。

お金はもらいすぎなければ住民税とかで(今の会社に)バレる心配もないしとか、そういったことも考えるようになるので、サラリーマンのよくある「もらっている金額の内訳よくわからない」状態からは抜けられるでしょう。

今このご時世になって副業禁止というのはちょっとナンセンスになってきています。

こんな記事もあって頭ごなしに企業側から「副業禁止」とすることはできなくなりつつあります。もちろん本業を疎かにしていいわけではないので副業やるなら仕事の選び方もセンスが必要になってくると思います。最近だとシューマツワーカーとかLotsfulとか副業を仲介してくれる会社もあるので、色々相談してみるといいかなと。

VC・起業家と仲良くなる

何をやるにも資金がなければどうにもできません。お金をかけずすべてのプロダクトは自分で開発して、自分で宣伝、なんてやっていても挫折するのは目に見えています。そんな時に資金やビジネスのアドバイスをくれるのがベンチャーキャピタルです。VCともいいます。

こういった人たちは自ら起業経験ある人も多く、どういう目線で出資を決めているのかなど聞いたりするといろんな答えが返ってきて非常に話をするのが面白いです。特にこちらがサラリーマンだと全く違う世界なのでとても刺激になります。

同様に起業家の話も面白いです。何を目指しているのか、どうサバイブしているのかという話には世の中のリアルが濃厚に詰まっていてこれもまたサラリーマンでは体験できない話を聞くことができます。

ではどうやってこのような人達に会うのかなのですが、私はスタートアップ系のイベントを色々探して参加することをオススメします。

ここに上げたものは大規模で結構なお金を払ったり、スタートアップの経営者クラスでないと参加できないものも多いのですが、それでも参加できるのであれば行ったほうがいいです。

あとはVCやインキュベーターが主催のイベントに行くのもいいと思います。サムライインキュベートや0→1ブースター、eiiconやcrewwがやっているイベントは結構あります。新しい情報や知り合いを作るきっかけになると思うのでぜひ出かけてみてください。

ちなみに私はこのイベントに一時期かなり行きまくっていて、その中で最大級のものはSXSWというアメリカ・オースティンで開かれている大イベントです。TwitterやPinterest、4Squareがブームになる切っ掛けを作ったと言われていたり、音楽のイベントなのでブルース・スプリングスティーンとかJay-Zとか世界中の有名なアーティストが出演したりというものです。日本からはPerfumeやXJapanやKing-Gnuが出演したりでここから世界に向けてメジャーになるものもあります。

有料記事で恐縮ですが、ここに私も出ています。自らプロダクトを作って広めに行ったのでピックアップしてもらいました。

冒頭の井口さんとはここからのお付き合いなのですが、こういったメディアを紹介してもらったりとか本当にお世話になっています。色んな人との出会いがあり、人生を変えたと言っても過言じゃないくらい大事なターニングポイントでした。

といった話を凝縮して社員総会ではお話をしてきましたが、それもこれもエンジニアとしてのキャリアがあったからだし、挫折の連続だったけどモノを作り続けることを諦めなかったので到達できたところもあります。

きっと死ぬまでコンピュータの仕事に関わるのかなと思っているけどそれもまた楽しいと思える自分は幸せなんだと言えますね。

長文にお付き合いありがとうございました!

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