AI inside 分析
<基本情報>
(第7期 第1四半期+第2四半期)
売上 26億9,500万
経常利益 5億5,600万
(第6期)
売上 45億9,700万
経常利益 23億3,900万
(第5期)
売上 15億9,000万
経常利益 4億900万
(第4期)
売上 4億
経常利益 ▲1億8,000万
(第2~4期の合計)
売上 76億6,000万
経常利益 ▲6億3,500万
2015年8月に設立。AI手書き文字認識サービス提供開始。
2019年6月エッジコンピューティング用ハードウェアを提供開始。
2019年12月にマザーズ上場。
<事業のポートフォリオ>
・DX Suite
Deep Learningによる手書き文字認識AI。
◯Intelligent OCR:定型帳票を読み取り、デジタル化するサービス。
料金体系は、月額固定費用、月額従量費用、初期費用で構成されている。
◯Elastic Sorter:Inteligent OCRのオプションで、複数種類の帳票を順不同にまとめてスキャンし仕分けるサービス。
料金体系は、月額固定費用と月額従量費用。
◯Multi Form:Inteligent OCRのオプションで、非定型帳票を読み取り、データ化するサービス。
料金体系は月額従量費用のみ。
・AI inside Cube
DX Suiteをオンプレで使う為の、エッジコンピューティング用ハードウェア。電源とデータ送信用のLANケーブルを差し込むだけで使用可能。
クラウドの場合もオンプレの場合も、同様のインフラ基盤で動作させており、サーバ環境をコンテナ化することで設定や変更の簡易化をしている。
集まったデータを追加で学習して、精度を高めている。
ユーザー直販もあれば、NTT東日本、NTT西日本、NTTデータによるOEM販売も行なっている。
※NTT西日本に関しては後述。
<一個一個の事業の状況>
・OEM販売
NTT西日本とのOEMキャンペーンにより21億のライセンス売上がたったが、エンドユーザに更新されないことにより17億の売上減少を見込んだ。
とはいえ、他パートナー (NTT東日本、NTTデータ) と自社の同商品における売上は4%程度なので、その不更新リスクを加味しても大丈夫そうである。
これを機に、他の商品でも不更新が相次ぐと大変ではある。
・全体的なOCR事業
基本的に月額制・従量課金制による安定収入とオプションによるクロスセルをうまく実行し、売上を伸ばしている。
OEMの失敗による損失はあったものの、顧客の拡大と客単価の上昇はうまくいっているように見える。
2022年度の四半期報告書を見る限りだと、リカーリング型 (継続収入の方) の割合が増加し、安定してきている様子。
不更新が相次いでいることはなさそう。
<上場した時にどれくらい現金が手に入ったか>
上場:2019年12月
《株価》
想定価格:2,660円 公開価格:3,600円 初値:12,600円
《吸収金額》
想定価格:15.2億円 公開価格:20.7億円 初値:72.4億円
《時価総額》
想定価格:94.1億円 公開価格:127億円 初値:446億円
現在:180億 (2022/1中旬)
上場後いい感じに上がりつつ一時期3,400億に行きながらも、じわじわと下がり、OEMショックが更なる下降を招いている。
現状もじわじわ下がりつつある。
これは、投資家がOEMショックの原因は、プロダクトの優位性がないと判断している為であろうか。
<クライアント>
(第6期)
NTT西日本に21億5,000万で46%
(第5期)
NTTデータに1億7,000万で10%
<一つに依存しているか>
敷いてあげるならNTTデータだが、そこまでの依存度もなさそうだし、リカーリング型かである点からNTTデータの切る理由もなく、関係も良好そうに見える。
<自己資本比率どれくらいか>
76.7%
<戦略>
OCRの導入で初期費用をいただきかつ顧客拡大を狙いつつ、継続収入型の割合を増やす方向にシフトしている。
複数のオプションでクロスセルを狙うのはうまくいってそう。
OEM販売は一部失敗してしまったが、取り返しがつかない状態ではなさそうなので、今後もOEM戦略を継続するのか見ものである。
実際、製品の技術的な優位性はほぼ無いので、いかにシェアを先取り、製品クオリティをあげるかの勝負なので、OEM戦略のマイナスイメージがついてしまったのは今後の戦略を考えるとダメージがでかい。
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