多くの人が疑問に思う「地頭」とは何なのか考えてみたら立方体だった話
「地頭」とは何なのか
以前、外資就活相談室で”「地頭」とは何か”という質問を以前いただきました。
地頭という言葉がビジネス界で流通していますが、細かく説明するとどういう力なのでしょうか?
私の理解ですと試験のように定義や用語を覚えて再現する、ということよりも一歩か二歩上の能力だと思っています。リーダーレベルだと持っていけないと言いますか。
ご質問者の方がおっしゃる通り、地頭というのは、別に試験に受かる能力ではないと僕も思っています。それならそもそも「地頭」という言葉は必要ないはずです。
そもそも「地頭がいい」という表現を使うとき、多くの人がなんとなく「偏差値が高い」とか「学歴が良い」とは違うものとして捉え、誰かのことを評しているはずです。
しかし定義は確かにあいまいです。だからこそ多くの人が本当の意味で「地頭がいいよね」ということを話ながらも、なんとなく(すりあっているのか…?)と、そこはかとない不安を感じているんだと思います。
3軸で表現される”体積”だと思っている
僕はそのご質問に対して、こう答えました。
地頭がよいのは、試験勉強とは違い、柔軟性の高さだと思っています。具体的には、具体と抽象の行き来(上下)、発想の幅広さ(左右)、考え抜く力(奥行)などにより構成されるものです。
この3次元での体積こそが「地頭」ではないかと考えていて、その体積の大きさを構成する1辺ごとに、どれだけ柔軟にストレッチできるのか=伸ばせているのか、だと感じています。
”具体と抽象の行き来”とは考えの高さ・深さであり、”発想の幅広さ”とは考えの横幅であり、そしてそこに欠けている時間軸の概念を”考え抜く力”というかたちで表現して、3軸で表現をしました。
まず具体と抽象という上下の概念をいれました。人によって、俯瞰することが得意つまり大雑把に全体感をつかむのは得意という人は抽象に強い、上の方向に広い人であり、また細かいことによく気づく人は、下の方向つまり具体に強い人です。この幅を広く持っている人ほど、地頭の良さを(この1軸において)大きく持っていると言えると思っています。
次に、発想の幅という横軸をいれました。アイデアマンのようなイメージでしょうか。ひとつの言葉から、様々な切り口が出てくるような、そういった能力です。あるひとつの質問から色々な答えが出せるタイプです。
最後には考え抜く力という奥行を入れました。その場その場でポンポンとアイデアを出したり、具体的な話や抽象化した話をできるのは素晴らしいのです。けれど、ここには時間軸の概念が欠けています。思考を深めていくためには、じっくり考えることも大切だと思います。多くの人は、考えることを早々と諦めがちです。でも脳みそを絞りに絞れば、もっと何かが出てくることも多いですし、整理されていくこともあります。これはコンサルティングファームのジュニア時代によく言われました。こうなんじゃないか?とサクッと考えてマネージャーに持っていくと、めちゃくちゃほころびが見つかってしまい、よく考えろと追い返されました。そのあと帰り道や風呂でさえ考え続けられれば、あそうかと気づく瞬間があったりました。そういった思考体力とも言えるものも大切だと感じます。
僕は、この3軸でカタチづくられる立方体の体積こそが「地頭の良さ」だと思います。
思いのほか、熱い反応をいただきました
これらの考えをについて、思いのほか反応がいただけました。
現時点(2019/3/28 19時頃)で、リツイート48件・いいね286件、インプレッション19,176・エンゲージメント総数1,200と、多くの人にとってもやもやを生んでいた言葉なんだなと改めて認識しました。
また、コメントもたくさんいただけました。ありがとうございます。
一方で、こういったご質問もいただきました。
地頭の良さについて、上下・左右・奥行という言葉を用いて説明されていましたが、上下の「具体と抽象の行き来」についてもう少し詳しく教えていただけませんでしょうか
こちらについて、具体例を交えながら、詳細について次のエントリーで書きたいと思っています。
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