産後2年8ヶ月、いいかげん痩せたい
昨夜、布団にはいったものの目が冴えて眠れそうになかった。真っ暗な天井を眺め、隣で寝る娘の寝息と夫のいびきを聞きながら二の腕をマッサージしてあまりのたくましさに絶望した。
太い。脂肪がほとんどだろうけれど、産後2年と8ヶ月、どんどん重くなっていく娘を毎日たくさん抱っこしている筋肉もあると思う。
こんな姿の自分が情けなくて腕を揉む力が次第に強くなって、爪がくいこむほど ぎゅっと掴んだ。二の腕全体にじーんとした痛みが広がる。
そこでハッとする。自分を大切にしたい、好きになりたい、それなのに私はまた自分を痛めつけている。(幼い頃からストレスが溜まると手足を傷つけたり深爪になった)
わたしは、頑張っていないのだろうか。
だらけているのだろうか。
いや、毎日必死に頑張っているではないか。
日々やり抜くために、娘にバレないように冷蔵庫の陰で口に放り込んだチョコレートも 計量カップで飲む牛乳で割るタイプのカフェラテも 眠すぎて筋トレしなかった夜も どれも自分自身を保つために大切で必要な選択肢だった。
一瞬でも、そのときの私を救ってくれるものだった。
新生児育児も イヤイヤ期育児も大変さは全く違うものだけれど、初めての育児はいつだって「これでいいのか?」という不安と 「私のせいで何かあったら」というプレッシャーで押し潰されがちだった。
静岡から東京の実家に里帰りをしてもうすこしで出産って時期に夫の転勤が決まって、1ヶ月検診後は福島に引っ越して友達も家族もいない。真冬で毎日吹雪いて外にも出られない。出たところでお店もない。バスも1時間に1本あるかどうか。タクシーもアプリで呼べない(サービス非対称エリア)。
1年と数ヶ月で今度は神奈川に転勤で引っ越して、都内の実家には近くなったけれど1時間以上かかる。近くに友達もいない。また見知らぬ土地での新生活。
2歳になる前になかなか昼寝もしなくなった娘との毎日は体力勝負。朝から水族館、図書館、公園をはしごする日もある。親の私はへろへろなのにまだ帰りたがらない娘。
帰って急いで夜ご飯の支度をするも、ママ抱っこしてと太ももに抱きついたり引っ張ってくる。
ちょっと休憩させて‥と座っても、ママ抱っこ。
ママ ママ ママ ママ ママ ママ
娘は可愛い。怒りたくない。イライラしたくない。
穏やかに過ごしたい。笑っていたい。明るくいたい。
いつだって安心して「ママ」と呼べる存在でいたい。
親の機嫌をうかがう子になってほしくない。
それでも、日々溜まる一方の疲れと 何も計画通りになんていかない日々の連続では余裕がなくなってくる。
一旦冷静になろ、とひとりでトイレに駆け込んで深呼吸して落ち着かせる間にだって「ママトイレ?でた?もうでた??いっぱいでた?みせて?ねぇあけてーー!!!」とドアをどんどんしながら話しかけてくる。(みせて?ってなに)
何度も抱っこして作業を中断して、おろすたびに叩かれたり髪を引っ張られたり 服を伸ばされながら家事をこなす。
「あーー18時だ!おかあさんといっしょ始まったよ!!」
大袈裟にリアクションをとりながらテレビやおもちゃに誘導させて、一瞬の隙にチョコを食べる。シチューを作りながら牛乳をはかった計量カップに牛乳とラテベースを少し足して一気飲みする。
がんばれ、がんばれ私。
心の中で自分を励まして
口では「あ、好きな曲だね!よかったね!今日のゆういちろう(歌のおにいさん)もかっこいいねー!」と娘に声をかけたり、一緒に歌う。
このチョコレートもラテも、
わたしが痩せられない理由なのは明確だ。
これだからいつまで経ってもデブのまま。
そうだ。そりゃそうだ。
それでもいま一番大切にしたいものは何だ
娘との時間だ
何にも頼らずに常にご機嫌でいられたらいいのに
笑っていられたらいいのに、余裕があればいいのに
もっと大変なひとはたくさんいて
みんないろいろ抱えながら頑張っている
「私は産後3ヶ月で体型戻しました〜
だらしない身体でいる方がストレスなんで」
と届いてもいないクソリプまで頭に湧いてくる
なんでわたしはもっと頑張れないんだろう
子供ひとりしかいないし仕事もしてないのに
なんでわたしは、こんなにだめなんだろう
「専業なら家事も育児もしっかりやれよ
できないなら子供産むなwww
子供が可哀想。親ガチャ失敗」
「そこまで太ると結婚詐欺レベル‥
旦那さんも幻滅してるんじゃないですか」
「私の母も専業主婦ですが
育児家事をこなしながら資格取得もして
冷凍食品や惣菜にも頼ることなく
彩り綺麗な食事を毎回用意してくれました。
怒ったり機嫌が悪い姿も見たことないですね。」
また届いてもないクソリプが湧く
自分の体型で落ち込むことなんて、この数年間で何十回とある。他撮り写真に絶望したり、幼稚園や公園できれいなママに出会うたびに恥ずかしくなったり。
そうして何度もダイエットにも挑んできた。
数キロ落として、鏡で見たり身体をさわってみると変化も実感できるほどには毎回頑張れた。でも数キロ落としたくらいじゃ全然目標までは程遠くて、これをモチベにもっと頑張らなくてはいけないときに 大体娘が熱をだして看病で心身削られたり、実家に帰省して大量の好物を用意されたり(いや食べなければいいじゃんって簡単な話ではない。母と良好に過ごすには食べない選択はほぼ不可能である。)‥そんなこんなでまた元通り。その繰り返し。こんな自分が心底いやだ。ダイエットに限らず日々がんばっている自分もちゃんといるのに、デブなのは変わりないからだめな自分ばかり目につく。
いつになったら、わたしは変われるのだろう。
どれくらいがんばったら、わたしが納得できる姿になれるのだろう。
ずっとこのままの自分でいても落ち込むばかりなので、早いところ無理をしてでも痩せたほうが精神衛生上いい気もしてくる。
あぁ、いいかげん自分をすきになりたい
恥ずかしくて、惨めなきもちになりたくない
あかるく笑って、目を逸らさずに人と話せるようになりたい
他撮りにおびえたくない
洋服選びで落ち込みたくない
「○○ちゃんのママってデブだね」と言われて娘に悲しい思いをしてほしくない(そんなことまだないけど子供は素直だからな。今後ありえるぞ)
がんばれ、もっとがんばれわたし
痩せたらいまよりいいことばかりだ、たのしいことばかりだ
痩せて、こころの安定を手に入れるのだ
再来月に予約した七五三のスタジオ撮影で
家族写真をきれいに撮ってもらってLINEのアイコンにしたい
ひとまずそこを目標にがんばろう。がんばるぞ。
これ以上じぶんをきらいになるの、もうやめよう。