【エッセイ】映画館が日常になりますように
映画が好きだ。好きなジャンルはと問われればパニックホラーと推理モノ、という回答になるが、ジャンルを問わずに結構何でも観る方だ。因みに高倉が好きな映画三選は「RRR」「燃ゆる女の肖像」「フランケンジョーズ」です。このラインナップだけでも察してもらえるところはあると思う。同士の連絡を待ってる。
さて、映画好きをしていると映画館のことも好きになるもので、高倉にはとりわけ好きな映画館がある。広島は八丁堀にある映画館「夢売劇場サロンシネマ1.2」さんだ。
ぶっちゃけた話、映画館なんてどこも大して変わらないと思っていた。設備の種類や規模に差こそあれ、出来上がるのは椅子とスクリーンと映写音響設備がある暗室だ。それはサロンシネマさんも変わらない。
変わらないけれど、サロンシネマさんは空間があまりにも特別だ。
サロンシネマさんは東急ハンズのビルの八階に入っていて、エレベーターを上がるとすぐに待合ホールに出る。ドーム状に吹き抜けている天井には、高倉が知っていたり知らなかったりする銀幕のスターたちが、味のあるタッチで一面に描かれている。振り向けど振り向けど名画。疑いようもなく映画の為の空間である。因みにこの天井画には、高倉が大好きな映画「ニューシネマパラダイス」のトトとアルフレードおじさんもいます。皆さんが愛した映画の一幕も描かれているかもしれません。
ホール中央にはチケットカウンターが座している。木質の丸いカウンターに銅色の丸い屋根、青いネオンサインが「サロンシネマ」と光っている。まるでレトロなタイムマシンみたいだと思う。
ホールの奥にはカフェ「純喫茶パール」さんが入っている。メニューにはトーストや珈琲やお菓子、袋に入ったポップコーンなんかが並んでいて、購入品は映画館への持ち込みが許されている。大きな映画館で提供されるちょっとファストフードみのあるラインナップとは違う、少し落ち着いた上品な品揃え。高倉は先日クロックムッシュのカフェセットを頂きました。大変美味でございました。
ところでサロンシネマさん、座席も大変イカしている。フカフカのふわふわで座り心地が百点満点なのは勿論、なんと座席番号の横にあらゆる名画の台詞が記されているのだ。徹底して映画の為の空間。こんなの大好きになっちゃうに決まってる。
高倉は最近職場が変わって、帰路にサロンシネマさんへ立ち寄ることができる身の上になった。サロンシネマさんの前を通る度に、張り出されたポスターを見上げては上映中の映画、上映予定の映画に心を躍らせる。気が向いたらそのままふらふらと劇場まで入っちゃう。そんな日常を愛している。
長々と書いてきたものの、高倉がいくら未熟な言葉を尽くせどサロンシネマさんの魅力は語り尽くせそうにない。各位、機会があれば是非にサロンシネマさんへ立ち寄ってみてくださいな。最高の映画体験ができること請け合いですよ!