【本紹介】寺田寅彦に憧れている
今年は本を百冊読むと決めたので、それなりのペースで本を読んでいる。さらりと読めるお茶漬けのような本から、消化に時間のかかるステーキのような本、煮付けにしたタイのように読解に時間がかかる本もあったが、どの本にも魅力があって、どの本も大好きだ。
読む本を探すにあたって、好きな本の著者で探すことがある。同じ人が書いた、全く違う世界の話を立て続けに読むと、その人の特性や文章の癖がわかる。エッセイ集になると、その人の生活や価値観も見える。その人の考え方をなぞって、感服したり、尊敬したり、高倉もいつかそうなりたいと憧れたりする。
高倉の、寺田寅彦先生への憧れはかくして培われた。
引用に紹介されている、まさかこんな愛のある文章があるのかと感動してやまない随筆「団栗」、勿論好きです。ただでさえ高倉は大切な人に先立たれた人間が性癖なので、これは最早高倉を喜ばせるための文章では?と気の狂ったことを考えてしまう程度には大好きな一編です。
もう一冊紹介させて頂くと、「言葉の不思議」という文学研究のさわりのような随筆もとても良いです。日本語を土台に、ルーツの全く異なる言語(英語と日本語、ロシア語と日本語などなど)の奇妙な共通項について淡々と比較してゆくという内容。日本語の「いかり」と「怒り」が似通うように、英語の「anchor(アンカー)」と「anger(アンガー)」も似てますよね、のような、言われてみればそうだな……!と目から鱗が落ちる話がたくさん読めます。
寺田寅彦先生の本、多くは青空文庫で読むことができます。もし興味がございましたら、是非、是非にお勧め致します。
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