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Teenagers Bloody KillinGと共に歩んだ10年

2013年よりTeenagers Bloody KillinGというバンドでギターを弾いていて、今年で丸10年になった。そして、4月末にVo&Gtであるokzさんが逝去した。

 Teenagers Bloody KillinG、そしてokzさんとの出会いを経てきた10年ないしは11年の変遷を記憶の限り辿って、綴ってみた。少々長くはあるのだけど、良かったら読んでもらえると嬉しいなと思う。



2012年
「一緒にやろう」

2012年というと、ちょうど自分が23歳の頃だろうか。冷たい指輪というバンドに加入することになり、活動を始めた年だ。2011年からライブハウスには通い始めて、Cigarette In Your Bedというバンドのライブを観にいった時にサポートベースを弾いていた冷たい指輪の理恵さんに誘われたことがきっかけだった。ちなみにドラムはTeenagers Bloody KillinGのokzさん。まさに初めての出会いでもある。okzさんと理恵さんが元々旧来の仲であることから、冷たい指輪のライブにも足を運んでくれたりと関わりが深くなり始めたのが2012年頃の出来事。

Teenagers Bloody KillinGのライブに足を運ぶようになったのも2012年のこと。ode to joyのレコ発を観に行って、人目を気にせず渋谷club乙の壁にもたれかかって号泣したこともあった。心に刺さる音楽というのはまさにこういうことなのだと。

2012年8月に友人の企画する渋谷club乙のイベントでTeenagers Bloody KillinGとは初めて共演した。
あの日のことはいまだに鮮明に覚えている。当時の自分は渋谷club乙というライブハウスに憧れを抱いていて、嬉しい一心で気合を込めてライブに挑んだ。

当時の自分は技術的にも拙く、ただ勢いでギターを弾くことしかできなくて、暴れる余りに最後の曲で自分のギターから音が出なくなり、ギターを床に叩きつけて狂ったようなモーションでステージを後にした。せっかくの憧れのライブハウスでのステージ、Teenagers Bloody KillinGとの対バンだったのに、まともに演奏できなかった自分が悔やんでも悔やみきれなかった。終演後、渋谷club乙の入り口の階段でうずくまっていた自分にokzさんが駆け寄ってくれ「お前の伝えたかったことは伝わったよ」と一声かけてくれた。
この時の出来事が後々、自分がTeenagers Bloody KillinGに加入してからも語り継がれるエピソードになるとは思わなかった。

話は少し飛んで2012年の秋の話。がむしゃらにバンド活動に励む中で、11月18日に自分は冷たい指輪を脱退した。朝早くからアーティスト写真を撮りに行く予定だったのだけど、待ち合わせ場所の茗荷谷駅に集まった矢先に近場のカフェで「バンドを辞めてほしい」と告げられる。カフェを1人で後にして、残った3人で写真撮影。

あの日は沈んだ気持ちに反して晴れていて良い天気だった。
意気消沈での帰宅途中、自分がTwitterに投稿した脱退に関する投稿を目にしたokzさんから電話がかかってきて「お前さえ良ければ何か一緒にやろう」と声をかけてくれた。全ての始まりはこの一言からだった。

2013年
「加入」

2013年1月。自分はI have a hurtのギターとして正式加入して、新たに活動をしていくことになった。全く違う界隈、違うスタイルでギターを弾くことになる挑戦となった。

I have a hurtの活動が始まっても、変わらず自分は渋谷club乙であったりTeenagers Bloody KillinGのライブには足を運んでいた。

確か4月か5月くらいだったかと思うけど、ベースの綾さんとドラムの山田さんが脱退するという話をokzさんから耳にした。座・高円寺でのライブ直後に怒り心頭なokzさんと渋谷に向かい、ハンバーガーを食べながら語ったことも今では懐かしくも、つい先日のことのように感じる思い出だ。そして、脱退に伴う色々な話を聞きながら「うちでギター弾かないか」と声をかけてもらった。そして、10年にも及ぶTeenagers Bloody KillinGでのバンド人生がここからスタートするのです。

初めてのライブは2013年7月27日。渋谷club乙のヨルニトケルとyeti let you noticeとのスリーマンイベント。最前列までお客さんで満員のフロアを見て、緊張で手が震えた。ステージに立った時の光景は今でもよく覚えている。そして、この日も機材のトラブルで2曲目で自分のギターの音が出なくなった。
打ち上げは近場の居酒屋で朝までコース。当時駆け出しのSamsのベースが酒乱でやばかった記憶だけ残っている。確か全バンド共に朝まで飲み明かして、こんな素敵な日は早々ないと佐野さんもokzさんも話していた日だった。YouTubeにもこの日のライブ動画が残っているので、載せておきます。

初ライブから余韻に浸る間もなく、Teenagers Bloody KillinGと共に怒涛のバンド生活がスタートした。割と平日のライブも多くて、仕事終わりにライブハウスに駆けつけてライブする日もあったりした。サポートドラムはex:悲岸のアッキーがしばらく務めてくれた。


渋谷club乙でのライブを何本か経て、11月には大阪のFANJ Twice Cafeでokzさんの個人企画ということで、初めてバンドで遠征をしたりもした。道中にokzさんがレンタカーのエルグランドのギアを1速に入れたまま高速を爆走したおかげで、ガソリンがあっという間に無くなったり、音がデカすぎて隣のホテルからクレームが来て出禁になったりとか、振り返ってみれば最高に楽しい遠征だったと思う。明け方の名神高速を降りて、スパ銭に寄って仮眠を取ったりとか本当に楽しかった。

そして、12月にはfurther platonic/stereo typeの芹澤さんに声をかけてもらって”イズヤング”に出演。okzさんの地元でもある沼津でライブをするという、今考えてみればとても貴重な機会を頂いたりもした。hue、athelasというI have a hurtと関係性が深いバンドとの対バンが叶って、自分としては何か1つ乗り越えたような気がして嬉しかった。ブラキリのライブはというと、自分がライブ中に弦を切ってしまったので、athelas多田くんのストラトを借りて演奏したりとかね。できればstereo typeと共演したかったけど、叶わずじまいとなってしまった。



7/27(土)渋谷club乙
「AM4:00の呼び声」
Teenagers Bloody KillinG/ヨルニトケル/yeti let you notice/ O.A: Elcamino

8/4(日)渋谷club乙
Teenagers Bloody KillinG/curve/Plat Home Nine/Seth/reach me down/SILVER HALATION

8/23(金)渋谷club乙
「終電五時」
Teenagers Bloody KillinG/Plot Scraps/LILI LIMIT (山口)/PARAVOX (福岡)/King of Pilafu/mak love sik

9/28(土)渋谷club乙
「Teenagers Bloody KillinG 9th aniv」

10/4(金)渋谷club乙
arica presents「有象無象の夜明け」
Teenagers Bloody KillinG/arica/水槽のクジラ/ザ・木天蓼レコード/佐和弘喜 (Inside of the door ) /しゃっく/ハルカカナタ

11/19(火)渋谷club乙
「youjiro 34th BxDx proudly presents 2man special」
O.A:The keeley/The Fractures/Teenagers Bloody KillinG

11/22(金)下北沢ERA
ヨルニトケル presents 「夜更かし-第一夜-」
Teenagers Bloody KillinG/ヨルニトケル/セプテンバーミー/Menoz/you made my day/奥田大地(O.A)

11/26(火)新宿Motion
こゆび presents「〜ゆびきりげんまん〜第四関節〜」
Teenagers Bloody KillinG/こゆび/The end roll

11/29(金)アメリカ村twice cafe
okz presents「DEATH RED NUMBERS」 
Teenagers Bloody KillinG/土曜日と人鳥とコーヒー/poro/Love-shyness/The Keeley

12/10(火)下北沢ERA
ERA presents「Making The Nature Scene」
Teenagers Bloody KillinG/several jonas coins/adgreen/The Escapes/the Ruee

12/14(土)三軒茶屋スタジオファミリア
okz presents「DEATH BOUNENKAI」
Teenagers Bloody KillinG/andsole/GRINCH/Chartreux

12/22(日)沼津FMF
vanellope/Choir touched teras chord/みなとまち/CANCER/Teenagers Bloody KillinG/athelas/hue


2014年
「10周年ワンマンとRECとか」

2013年から諸事情によりトニーがブラキリを離脱となり、アッキーの参加も難しくなってきたのでサポートドラムとしてaonopeopleでドラムを叩いていたウチケンさんが参加。3月にはこのメンバーで広島に遠征に行った。okzさん以外のメンバーと広島界隈含めた友人たちで宮島に観光したり、もう9年も前の話だけど濃すぎて未だによく思い返す。TwitterのTLが本当に賑やかな遠征だった。

訳あってウチケンさんのサポート期間はとても短かったのだけど、安定感があるドラミングでじわじわと演奏に感情をこめてくる良いドラマーでした。


3月はTeenagers Bloody KillinGの久々の自主企画を渋谷club乙で行うことになり、ウチケンさんのサポートもその日が最後となった。jamming O.P.と念願の対バンが叶い、年甲斐もなくキッズのように楽しんだ。okzさんにとってはずっと憧れていた先輩達との共演。
ブラキリの出番の時にjamming O.P.の滝さんが「おこちゃん、弦切れたらこれ使って良いよ」とESP Snapperを袖に用意してくれて、しばらくはその話をスタジオでもしていた気がする。本当に思い入れ深い1日だった。

ブラキリ企画以降はしばらくはスタジオに篭っていて、今後の活動をどうしようかと話しあう日々。下北沢でMTGと称して集まって飲んだりもした。懐かしい。

そんな中で割と間髪入れずにex:こゆびのイイダユカがサポートで参加してくれることに。勢いと繊細さを兼ね備えた素晴らしいドラミングで初めてスタジオ入った時はすごくワクワクした。

2014年5月辺りのエフェクターボード
2014年6月頃の渋谷club乙。マイクは元気だろうか。


8月まではライブを入れず、現体制で制作活動を始める。ブラキリに加入して以来、初めてのREC。トリプルタイムスタジオで録ってもらって「hypersexuality e.p.」をリリースすることになる。

ユカさん加入後の初ライブは8月のデスバースデーだった。
相変わらずろくな写真が残っていないのだが、この日に限ってはそういう意味を含めて最高のお祭りだったと思う。

そして、9月にはブラキリ結成10周年を記念して渋谷club乙で初めてのワンマンライブ。全然お客さん来てもらえなくて悔しい思いをしたことはよく覚えている。今となっては懐かしい思い出の1つ。終演後には友人達と浅草観光して、渋谷に戻って打ち上げをしたりとかね。友人達に沢山囲まれながら、バンドが出来ていることが嬉しかった。

photo by emily inoue

自分たちのライブ以外にもokzさんとは渋谷club乙の友人たちのライブを観に行ってはお酒を交わし、流れ弾のようにテキーラを食らった。今では見かけることも無くなった光景の1つでもある。

ちなみにokzさんはTeenagers Bloody KillinG以外にもChartreuxというバンドで活動を始めて、ライブを見にいく機会もそれなりに多くなった。ギターを弾いたり、ベースを弾いたりと見る度にパートが違っていて面白かった。

目まぐるしく夏が終わって、10月にはViankaというfrom 札幌の悪友と出会い、11月には3月に広島で共演したcenloと東京で対バンしたりと何かと新しい出会いが多かったり、新しい始まりを感じる場面も多かった。

ちなみにhalation of loveという代表曲が出来たのもこの年の夏のこと。夜に突如okzさんから電話がかかってきて、失恋した話と共にこの曲の原型ができたことを告げられた。この曲については不思議なことにスタジオで合わせた時にアレンジが自然と降りてきた。この曲に関してはまさに魔法がかかったかのようにすんなりと完成した。


1/18(土)@新宿Motion
水槽のクジラ/冷たい指輪/Mahor/phonegazer/hue/Teenagers Bloody KillinG

2/16(日)@渋谷club乙 & DESEO
「L'Heure Bleue」

2/22(土)@横浜B.B.street
「魔法少女、最後の文化祭。」
Teenagers Bloody KillinG/Lost in Dia/アヨバンド/空リウム/Slingshot Million/Might Terror

3/8(土)@広島BANQUET
「残像メルトダウン」
Teenagers Bloody KillinG/如何に崇高な精神といえども、顔面が伴わなければ『彼女』はできない。/k the musicgirl/cenlo

3/21(金)@渋谷club乙
Teenagers Bloody KillinG presents 「against your despair vol.1」
Teenagers Bloody KillinG/A Month of Sundays/jamming O.P./ヨルニトケル/The Keeley(O.A)

8/15(金)@渋谷club乙
okz presents「DEATH BIRTHDAY」

9/27(土)@渋谷club乙
Teenagers Bloody KillinG presents 「2004-2014(10th anniversary one man gig)」

10/10(金)@渋谷club乙
Vianka (from 札幌)/Sams/Zooqs/水の中で雨中/リサ=オフリー/Teenagers Bloody KillinG

11/23(日)@渋谷club乙
KINOTO proudly presents 「Opiate Sun - Teenagers Bloody KillinGレコ発 & ようこそcenlo -」

12/5(金)@三軒茶屋HEAVEN'S DOOR
FOOLA/Teenagers Bloody KillinG/The Electros/bouu.../hrimnir

12/31(水)@渋谷club乙


2015年
「ti amo」

2015年は当時、渋谷club乙でブッキングを担当していた佐野さんの卒業があったりと色々と思い入れが強い場面が多々あった。バンドとしてのグルーヴも出始めて、徐々にブラキリらしいエモーショナルな熱量を出せるようになってきた。どんな雰囲気だったかは、このライブ映像を見れば伝わるかと思う。

そして、このライブから少しばかり経って2014年からサポートを務めてくれていたユカさんが当時ドラムを叩いていたこゆびの活動に専念するためにブラキリを脱退。3月よりトニーがサポートドラムとして復帰となった。そして、念願の1stフルアルバムである「ti amo」の制作活動を本格的に始めることとなる。

ti amoのREC自体は5月に渋谷club乙で行った。ライブハウスでのレコーディングは初めてだったけど、とても楽しいひと時だった。

2015年といえば、17歳とベルリンの壁のレコ発企画にTeenagers Bloody KillinGで出演した大切な思い出がある。ベルリンのギターは松井くんが担当していて、このライブがきっかけでベルリンと繋がって今に至るわけです。Teenagers Bloody KillinGでギターを弾いていたからこそ、今の自分がいる。そう言っても過言ではないでしょう。

2015/7/18 17歳とベルリンの壁企画より

ti amoは6月辺りに完成して、8月14日のデスバースデー at 高田馬場club PHASEでレコ発をすることとなった。そして、この日のライブ中にドラムのトニーが演奏放棄して失踪するという大事件が発生。そもそも、イベント自体がテキーラ飲み過ぎ、飲ませ過ぎで収拾がつかないカオス状態だったことが原因。念願の1stアルバムのリリースにも関わらず、レコ発が散々に終わるというまさかの事態だった。

バンドもボロボロの状態ではあったものの、この失態を受けて腹を決めたトニーがブラキリに正式加入という、これまたまさかの展開。やっと正規メンバーで最強の4人が揃った。本当に最高の気分だった。

ti amoのリリースツアーを兼ねて広島にもまた行くことができた。mso konkatsu tourという謎名目でツアーを組んだ。mira nemusは対バンが叶わなかったけど、メンバー皆見にきてくれて嬉しかったな。とても楽しい遠征だったのだけど、ライブを見に来ていた後々の妻になる人にライブのダメ出しをされたことから、終演後に大喧嘩した。若気の至りとはまさにこういうことか。この3年半後には結婚しているんだから不思議なものだ。

ブラキリの周りにも様々な仲間や友人達が増えてきた時期。今思えば過渡期でもあり絶頂期でもあったと思う。終わりの始まりとも言えるべきタイミングだろうか。


1/15(木)@渋谷club乙
「まちあわせの場所で」-Day FINAL-
Sams/room12/Teenagers Bloody KillinG/ワタナベケン(ex.SHELTER)/悲岸/日向文

2/14(土)@渋谷club乙&DESEO
「L'Heure Bleue」

3/30(月)@高田馬場club PHASE
「in the blue」
限りなく透明な果実/Vianka(from札幌)/The Depth of Sad Dreaming/アマアシ/ワタナベケン/Teenagers Bloody KillinG

6/6(土)@渋谷club乙
PARMESAN × Teenagers Bloody KillinG

7/4(土)@渋谷club乙
限りなく透明な果実 presents 「大収穫祭」

7/9(木)@渋谷club乙
KINOTO 14th ANNIV! proudly presents 「OVERDOSE」
Seth/Teenagers Bloody KillinG/羅悠靖(curve)

7/18(土)@渋谷club乙
17歳とベルリンの壁 presents 「Seventeen Front」
17歳とベルリンの壁/溶けない名前 (from 名古屋)/carpool/Float down the Liffey/niente./Teenagers Bloody KillinG

8/14(金)@渋谷club乙
okz presents「DEATH BIRTHDAY Vol.3 Punch-kai again (Teenagers Bloody KillinG 1st album "ti amo" release party)」

9/6(日)@渋谷club乙
rain rain rain presents「沈黙の海から」
rain rain rain/大越なつこ/The Camelus/水槽のクジラ/ame full orchestra niente./Teenagers Bloody KillinG

9/20(日)@新宿JAM
リサ=オフリー/The Ruee/Teenagers Bloody KillinG/FOOLA/PISQAL/she said moonside/辻祐弥

9/29(火)@渋谷club乙
「Time is Running」
カナタ(広島)/Morbid Sloth/Teenagers Bloody KillinG/アマアシ/17歳とベルリンの壁

11/13(金)@渋谷club乙
Teenagers Bloody KillinG/Vianka (from 札幌)/Crawlingfly/Moshu/P.G Good Taste/音詩モノ

12/05(土)@広島BANQUET
Teenagers Bloody KillinG/niente./The Keeley/The Sound’s Pierrer/you,any/cenlo

12/19(土)@新松戸firebird
Teenagers Bloody KillinG/The Keeley/Lacia/灯/Sabachthani/th prfssnl stdnts/JET SET ORANGE/SWAN


2016年
「限界・失踪」

2016年に入り、間髪入れずにti amoのレコ発ツアーの京都編と大阪編。1月が京都で、2月が大阪。佐野さんのPHASEラストのライブも2月だった。
大阪編ではThe Keeleyと一緒にレンタカーを借りて2台で移動。帰り道はokzさんが高速道路で車と接触して肝を冷やす場面もあった。その報告を受けて自分が運転している車では不謹慎にもトニーやまさお達と大盛り上がりで、静岡あたりのSAでokzさん側の車を確認したら、傷1つ付いていなくて拍子抜けしたりね。思い返せば、過去一で楽しい遠征だったなと思う。

色々と大事なライブが沢山控えている中で、とにかく突っ走って活動を続けていた。徐々に自分たちの周りにも友人達とか慕ってくれる人達が増えてきた実感を持ち始めた。

2016/1/15 京都GROWLY
2016/2/14 渋谷club乙
2016/2/20 心斎橋火影


前年のデスバースデーのリベンジも兼ねて3月にワンマンライブをやった。60分×3本で約3時間強でブラキリの過去から今までを辿るという地獄のようなライブ。これまた集客はイマイチだったけど、これでもかというくらいにブラキリの曲を演奏できてとても楽しかった。打ち上げは高田馬場の安安へ行って、皆で焼肉を食いながら楽しい夜を過ごした。


ワンマンライブを過ぎた辺りから徐々に音の趣向がシューゲイザーからエモやパンクよりになりつつあった。自分も夏過ぎから秋にかけてSOVTEKのアンプヘッドを持ち運ぶようになり、エフェクターボードも縮小化して、ブラキリをよりオルタナで凶悪な音にしていきたいと思うようになった。I have a hurtを脱退した年でもあったし、自分の中でのオルタナ欲を満たそうとしていた。

2016/6/8 佐野さん最後の日


ギターロックでもない、シューゲイザーでもない自分たちの今後の方向性に悩んでいた時期だった。先々どうしていきたいかを真面目に話し合いながら、メンバー各自が企画してスタジオライブで企画打っても面白いよね、とスタジオで話したこともあった。メンバーそれぞれ未来が見えていた頃。

方向性とか活動に思い悩みつつ、少しずつズレや歪みが生じている感覚はあった。8月に2会場で大規模なデスバースデーを開催した時にテキーラで狂乱した関係者やお客さんが半ば暴徒化して、危うい中でライブをやり切った。その頃から、自分たちが本当にやりたいことは一体何なのか、本当にこのままで良いのかを考えるようになった。絶望の始まりだった。


夏が終わってバンドの空気があまり良くない状況で、先々の活動も不透明になり始めた。11月に自主企画のライブをして、しばらくは制作活動やスタジオワークに専念しようという話になった。

11月の自主企画は色々と無理をしながらブッキングをして、どうにか開催へと持っていくことができた。当日は自分も自前のアンプが壊れたりとかハプニングはあったけど、ライブ自体はとても良いテンションで出来た。良い締めくくりになったかなとその時は思っていた。

そして、唐突もなくその日はやってくる。

okzさんの突然の失踪。

ちょうど自主企画後すぐのタイミングだったかと思う。詳しくは書かないけれども、自分の近しい人達を巻き込んだ大騒動に発展して、あらゆる所に飛び火して大変なことになった。今まで積み上げてきた信頼も友人も全て失った。限界だった。

自分は意を決してメンバー全員の脱退を決めた。渋谷の磯丸水産にメンバーを集めて、昼間からビールを飲みながら話しあった。あの時はその決断以外に他に選択肢が無かった。

自分の中でTeenagers Bloody KillinGは一度終わった。


1/16(土)@京都GROWLY
「歳星の煌めき vol.5」
Teenagers Bloody KillinG/The Keeley/MOMA/palitextdestroy/Baa Baa Blacksheeps/Black Summer Apartment

1/30(土)@渋谷道玄坂GATEWAY STUDIO
yuno pre.「punch back vol.1」
yuno/PCS/Teenagers Bloody KillinG

2/13(土)@渋谷club乙
「L'Heure Bleue」

2/20(土)@心斎橋火影
Teenagers Bloody KillinG「death red number」
Teenagers Bloody KillinG/asioto(宮崎)/Fragile(奈良)/The Keeley/poro/Low the Manhattan(大阪)/scatterbrain

3/19(土)@高田馬場club PHASE
Teenagers Bloody KillinG presents「60min x 3rounds one man gig」

4/16(土)@渋谷club乙
「heartquake vol.4」
Teenagers Bloody KillinG/The Depth of Sad Dreaming/PARAKEETS/THE Ruee/みつきゃすたー(you,any)/Zooqs

4/23(土)@渋谷TSUTAYA O-Crest
Scatterbrainレコ発ツアーファイナル企画
Teenagers Bloody KillinG/Scatterbrain/水の中で雨中

5/5(木)@渋谷club乙
Teenagers Bloody KillinG/鋼鉄打撃王/ALTRA&CRYOGENIC/"CODOMO" SQUAD/EVIOUS/JED/Special Closing Act: Indus&Rocks

5/14(土)@渋谷club乙
Teenagers Bloody KillinG/Golem 14/PANDA HEAD/thoth/Tree of Life/where is my mind?

6/8(水)@高田馬場club PHASE
「L'Heure Bleue」※佐野さんPHASEラストの日
Teenagers Bloody KillinG/SHELTER/カナタ(広島)/水槽のクジラ/O.A:The Depth of Sad Dreaming

7/29(金)@渋谷club乙
you made my day presents「you made… vol.2」
you made my day/after six passport/ヨルニトケル/太田哲宇/Teenagers Bloody KillinG/O.A. 青木勝弘

8/15(月)@渋谷club乙&DESEO
okz presents「Punch Against(final)Death Birthday」

9/25(土)@渋谷club乙
Teenagers Bloody KillinG/only he knows(群馬)/Tree of Life/WHEATHER CONTROL/s is/snow chord

10/1(土)@早稲田ZONE-B
INFRACTION presents「HOPE vol.01」
Teenagers Bloody KillinG/INFRACTION/THE SAVAGES/DUSTPAN/Hey you! what's your name?/I SEE RED/しゅうやんとゆかいな仲間達

11/5(土)@渋谷club乙
Teenagers Bloody KillinG presents「against your despair vol.2」
Teenagers Bloody KillinG(2Stages)/Koji Tamura(D.O.G.S)/you made my day/シロッコ


2017年
「無」

Teenagers Bloody KillinGを脱退し、17歳とベルリンの壁の活動1本で専念していた時期。渋谷club乙には相変わらず通っていたし、時折友人達とはブラキリの話題にもなったりした。笑い話にできるほどは踏ん切りがついていなかったなと今では思う。


2018年
「復帰」

渋谷club乙が渋谷の再開発工事の関係で閉鎖することは以前から耳にはしていたが、具体的に閉鎖が決まったのが2018年の春先だった。確か、まだ肌寒い時期に佐野さんから連絡があって「渋谷club乙での最後の企画にTeenagers Bloody KillinGで出て欲しい」と直々にオファーがあった。ずっと止まっていた歯車が急に回り始めるような感覚。

okzさんとは直接電話で話して、当時に自分が勝手に脱退を決めた話やブラキリとしてもう一度ステージに立つ話をした。もう裏切らない。自分はブラキリに戻って、ギターを弾き続けようと決心した。Teenagers Bloody KillinGとして新たな2度目のスタートとなった。

「絶望だけじゃねえよ」とこんなにも響いたライブは無いと思う。


10月14日(日)@渋谷club乙&DESEO
「L'Heure Bleue」


2019年
「再始動」

Teenagers Bloody KillinGの再始動。
もう一度やろうと意を決したものの、ドラムのトニーが離脱することとなり、前途多難ではあった。まずはドラム探しかと思っていた矢先に、okzさんの古い知り合いであるコウタさんとスタジオに入ることになった。

当時はNuitでサポートドラムを務めていて、唐突にブラキリに誘いたいと相談されたことを覚えている。そして、サポートドラムとして参加してもらい、一緒にスタジオに入って曲を合わせる日々が続いた。

2019年は8月にデスバースデーで新体制のお披露目となり、ti amoのレコ発の時ぶりにPHASEのフロアライブで演奏をした。あの時の雪辱は晴らせたかなと思うくらいにやり切ったライブだった。

ありがたいことにブラキリの活動再開を気にしてくれたzanmが11月の自主企画に声をかけてくれて、新宿のヒルバレースタジオでライブをするという嬉しい機会にも恵まれた。以前のブラキリでは築けなかった新しい繋がりが作れるんじゃないかと、年甲斐もなくまるで新人バンドかのような淡い期待を抱いていた。



8/13(火)@高田馬場club PHASE
okz presents「(death)rebirthday」

11/2(土)@新宿Hill Valley Studio
zanm presents「Don't kill ogre vol.1」
Zanm/Teenagers Bloody KillinG/UNTIL SHE SLEEPS AGAIN/Chignon Lutley Ballet


2020年
「未来」

現体制でのTeenagers Bloody KillinGで新曲もでき始めて、活動が徐々に軌道に乗り始める。自分もエフェクターボードを一新して、新生ブラキリとして形を固めていこうと気合い入れ直していた。そんな中でGOUONに声をかけてもらって、西荻窪FLATでライブをしたこともあった。シューゲイザーという枠を超えて、自分たちの音を鳴らせた実感がすごくあった。

順調と思っていた中でサポートベースのmintが諸々あって離脱することとなり、サポートベースとしてチャコさん(girl ghost)が参加してくれることになった。今までに無い直線的で爆音のベースに気持ちが高まった。

11月の横浜の野外イベントを経て、ベースのチャコさんとドラムのコウタさんが正式加入。色々とやりたいことも夢も広がったタイミングだった。"in my eyes ep"を作ろうという話にもなって、止まっていた時間が急に進み始めるかの如くにバンドが息を吹き返した。そんな感覚だった。


1/18(土)@西荻窪FLAT
GOUON presents 「Canvas -1st ANNIVERSARY-」
about tess/Ulm/Tia Rungray/Seabirth/RETROGRADE97/Teenagers Bloody KillinG

3/7(土)@池袋手刀
「gravel’s end TAKASI birthday party」
gravel’s end/pure g three/miniscoop/Nuit/Teenagers Bloody KillinG/カナリヤの咆哮

11/14(土)@横浜日本丸メモリアルパーク
「よこはまみなとフェスタ2020」


2021年
「前途多難」

2021年というと、コロナ禍の中での活動をどうしていこうか悩んでいた時期。以前のような人が密集したイベントを開催することが難しい中で、どう活動していくかを日々話し合っていた。

2月には当時PHASEのブッカーだったツクイさんに声をかけてもらい、久しぶりに高田馬場club PHASEでライブをすることになった。チャコさんとライブハウスで演奏するのはこのイベントが初めてだった。

こゆびやヨルニトケルといった馴染みあるバンドたちとの共演に胸が高まり、気合を入れて挑んだ日。ちょっとだけ、あの頃に帰ってきたような気持ちにもなれた。

4月には久々のTeenagers Bloody KillinGの自主企画を新宿NINE SPICESで昼イベとして開催した。バンドを掛け持ちしているメンバーが大半だったので、掛け持ちしているバンドとのツーマンイベントで地獄を見せようという謎企画をやり始めた。まず最初に犠牲になったのはベースのチャコさんだった。

ベースのチャコさんはお子さんの出生に伴い、4月の自主企画を持ってバンド活動を一時休止。休止する前に地獄を見せようという何とも無慈悲なイベントではあったのだが、むしろチャコさんが機材もフルセット持ち込んで挑んでくるところがとてもパンチがあって大好きだった。結局、この先に彼とステージを共にすることは叶わなかったのだけど、地獄のツーマンがラストで良かったのかもしれない。

girl ghostとのツーマンはチャコさんが掛け持ちしているとか云々を抜きにして、同じ世代を生きてきた同志というか仲間に改めて巡り会えたような気持ちでとても嬉しかった。急遽ではあるけど、ギターのnaokiのデビュー戦にもなり、新生Teenagers Bloody KillinGとして活動を新たにしていく。そんな追い風のようなものを感じていた。

そして、Teenagers Bloody KillinGは以前にもサポートベースを担当していたmintが復帰することとなった。ちなみにギターのNaokiは仕事が忙しい中でスケジュールが合わず、自主企画以降は参加出来ずじまいで今日に至ることになる。

縁があってFall of Tearsに声をかけてもらい、自主企画に出演することとなった。For Tracy Hydeや紡と共演して、久々に異種格闘技戦のようなイベントでとても気合が入っていた。年齢も一回り違う後輩たちの前で先輩バンドの意地を見せることが出来たかなと。まだまだTeenagers Bloody KillinGを続けていきたいと希望が見えた1日だった。


2/11(木)@高田馬場CLUB PHASE
「blue filament」
Teenagers Bloody KillinG/こゆび/aoie us fear/ALTRA&CRYOGENIC/紡-つむぎ- /ヨルニトケル

4/24(土)@新宿NINE SPICES
Teenagers Bloody KillinG presents「Behind the despair」
Teenagers Bloody KillinG/girl ghost

12/19(日)@新宿NINE SPICES
Fall of Tears presents 「Artificial flowers」
Fall of Tears/Teenagers Bloody KillinG/紡-つむぎ-/Iida reo/For Tracy Hyde


2022年
「降下」

2022年に入り、2月には17歳とベルリンの壁とのツーマンライブを企画した。今回は自分が地獄を見ることになった。ブラキリとベルリンは2016年のデスバースデー振りの共演。当時は自分も色々とライフステージの変わり目にいた頃なので、1つの節目のような気持ちでライブに挑んだ。この日から何かが始まったということは無かったのだけど、今のブラキリとベルリンがまた共演することが叶って、本当に嬉しかった。ただそれに尽きる。

この日のライブからまもなくして、晴れてベースのmintが正式加入となって、2ndフルアルバムを作ろうと制作活動を開始。自分はライフイベントの都合で行けなかったのだが、4月には名古屋で久々の遠征ライブもあった。未来に向かってアクセルを踏み始めようとした中で、メンバー揃っての活動がままならない日々が続いて急ブレーキがかかった。ちょうど2022年の夏頃だろうか。思い返してみると、色々と歯車が狂い始めた時期でもあった。

スタジオに入ろうにもスケジュールが噛み合わない。そして、育休から明けつつあるチャコさんとも少しずつスタジオに入り始める最中で、意を決してベースレスの3人体制でスタジオライブを企画する。どんな体制であろうが、前に進もう。とりあえず小規模でも良いからライブをしようと思い立ち、いつも練習で使っている笹塚のスタジオでライブを企画することになった。

企画に出てくれたBELLMONDO、zanjitsu共に凄まじいライブをしていて、新しい出会いと可能性を感じた1日だった。

事実上、okzさんと共に演奏する最後のステージとなった。



2/26(土)@下北沢ERA
Teenagers Bloody KillinG presents「behind the despair vol.2」
Teenagers Bloody KillinG/17歳とベルリンの壁

4/9(土)@鶴舞DAYTRIP
littlegirlhiace x FUZZKLAXON presents「GIRLS BOUT」
littlegirlhiace/Teenagers Bloody KillinG/FUZZKLAXON/THANK YOU MY BLOOD/MUD SHIP TOURS

5/14(土)@池袋手刀
#Re_Mi_MiNT_CARNiVAL」
思緋色に沈んで/littlegirlhiace/Teenagers Bloody KillinG/Tenkiame/fujinezz/ purple neon suicides

12/18(日) @笹塚majestic studio Fスタジオ
Teenagers Bloody KillinG presents「death december vol.01」
Teenagers Bloody KillinG/BELLMONDO/Zanjitsu


2023年
「終」

Teenagers Bloody KillinGで2月後半にスタジオに入ったのが、okzさんと一緒に音を鳴らした最後の日になった。どういう風の吹き回しか、let downをやろうという話になった。その時のスタジオの動画を限定公開で共有しておきます。粗い映像だけど、彼がギターを弾きながら歌っている最後の映像だと思うので。

しばらく音沙汰がない中で4月の終わりにokzことkyosukeの突然の訃報を耳にすることになる。最後に彼と連絡を取ったのは3月頭に息子が生まれた時に彼から「おめでとう」とLINEをくれた時だと思う。あまりに突然すぎる話ではあったけど、2月にスタジオに入った時もどこか彼に漂うただならぬオーラを感じていたので「やっぱり来てしまったか」と感じたし、何よりも喪失感が大きかった。

そして、2013年8月12日。書き始めてから随分と時間が経ってしまった。

こうやってじっくりと振り返ってみて、彼が亡くなったことの重みを少しずつ感じている。少しずつしか書くことができない。お酒を飲んでいて気持ちを紛らわさないと書くことができない。もう2ヶ月以上も編集を続けて、ようやく書き終えることができた。今もハイボールを飲みながら綴っている。

Teenagers Bloody KillinGの楽曲を聴きながらお酒を飲んでいるんですが、mosaicという曲を聴いて思わず目頭が熱くなってしまった。

彼の訃報は想像以上に反響を呼ぶことになり、Twitterでは「20年余り続けて大して売れずに死んで終わりかよ」なんて心無い言葉も目にした。自分は未だに音楽で名声を得る、売れるということが何なのかはよくわからない。ただ、1つだけ言えることはそういう外的な評価とか関係なく、自分はTeenagers Bloody KillinGの音楽が心から好きで、彼の作る音楽に惚れていたから約10年間ギターを弾き続けた。大好きな音楽の一部分になることが出来て本当に幸せでした。

SNSに公表したり明言したりはないけど、私のTeenagers Bloody KillinGとしての活動は2023年8月14日で終わりにします。脱退とか解散ではなくて終了です。
現在進行形としてこの先も自分の中で持ち続けることはできなくて、思い出と一緒に過去に置いてこようと思いました。永遠に不滅というか何というか。

彼の代わりに何か残せるものが思いつかなくて、せめて自分の経てきた思い出を綴っておこうと思って書き記してみました。いつかは忘れゆくかもしれない思い出の数々。でも時折、思い返したいなと思うんです。自分が今に至るまでバンドを続けてくることが出来たこと。Teenagers Bloody KillinG、そしてokzさんがいたおかげでバンドを続けたいと今も思えていること。

10年間大変なことばかりだったけど、振り返ってみれば感謝しかなかった。ずっと隣でギターを弾くことが出来て幸せでした。本当にありがとう。

最後に1つだけ。8月14日(月)に下北沢Flowers LoftでTeenagers Bloody KillinG主催でokzさんを偲ぶイベントを企画します。色々と意見もらうこともあったのですが、音楽に命を注いできた彼を見送るにはライブハウスで、そしてテキーラでも飲みながら爆音で送ってやるのがセオリーだと思って企画をしました。お盆の平日ではあるんですが、もし彼と面識のある方がいたら足を運んでもらえると嬉しいです。

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