全国流通の話

先日、17歳とベルリンの壁の新譜"Abstract”のリリースが発表された。
8月に初の全国流通盤として、各地のレコードショップ等で発売される。

自分の携わったCDがタワレコに並ぶというのは、バンドを続ける上でのちょっとした憧れでもある。
今はサブスクやSNSで音楽を探せる時代になったけど、それこそ中学~高校時代はロッキンオンジャパンを読んでタワーレコードやHMVに音楽を漁りに行くのが日課だった。少ないお小遣いを握りしめて店員のレコメンが書かれたポップやアー写がでかでかと飾ってある棚の前で試聴してCDを買うのが本当に楽しかった。

友達に好きな音楽を教えたりとか共有することも楽しいのだけど、他人には教えたくない自分にとっての「宝物」のような音楽も沢山あった。そういう音楽には未だCDやLPを通じてしか出会ったことが無い。中学生や高校生がおすすめの音楽を教え合うような場面で、自分のバンドのCDを共有して聴いてもらえたらどれだけ嬉しいことか。

昨今はネットを介して音楽を発信しやすくなり、国を問わずに聴いてもらえるような時代になった。趣味が近い人同士がSNSで簡単に知り合えるようになったし、アーティスト側も国内だけではなく、海外のリスナーも視野に入れた活動が誰でもできるようになった。より自由度が増してきたなと肌身で感じる。

それこそ今はライブ活動をしなくても、配信中心で高い評価を受けるアーティストだって多い。一時期流行したベッドルームポップだってそうだ。「部屋の中から音楽を発信できる」現代ならではの音楽だと思う。

時代に追従することが必ずしも正解とは限らない。
2020年に活動するアーティストの端くれとして、どうすればより多くの人に音楽を伝えることができるのかを考える。正解なんて無い。だから頭を使って考えて模索していく。そこに費やす時間がたまらなく楽しく有意義だ。

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