鬼滅の刃で中学英語#6~I'mの表現を学ぶ②善逸に学ぶリアルな表現~
前回に引き続き、「I’m」を使った表現を、具体例を使って学んでいきます。
今回使うのもこちらのテキストです。(日本語は『鬼滅の刃』4巻)
このシーンは、前回使ったシーンの前で、超絶ネガティブ思考キャラ善逸が、目的地である那田蜘蛛山の雰囲気が怖いから、俺は行きたくないぞと駄々をこねているシーンです。
教科書英語はリア充のもの?
そもそも、子どもたち曰く、教科書英語の見本文は、基本的に「リア充」の文です。
たとえば、東京書籍『NEW HORIZON 1』では、主人公の咲(Saki)は、
かわいくて、
明るくて、
優しくて、
強くて(柔道やってる)、
友だちもたくさんいて、
友だちにも優しくて、
家族でボストンに旅行したりして、
オーストラリアに留学する兄がいて、
英語が凄い得意と自慢できる兄で、
留学先が観光地ゴールドコーストで、
現地で日本語を教えることもしていて、
休日に友だちとサーフィンするリア充(笑)
・・・確かに「教科書」にふさわしい子かもしれませんが、とてもじゃないが感情移入できません。
英語の教科書というのは、どうしても例文を学ばせるために普通の子とはかけ離れたシチュエーションが多く、これで「英語ができるっていいな!楽しそうだな!」と前向きに思える子はいいんですが、「どうせ自分なんて…」と思っている陰キャの子には、別世界のことすぎて例文が頭に入りません。
そこへ行くと、善逸はいいですよ。
情けなくて、臆病で、自信が全くなくて、男らしくなくて、本当に鬼狩りをする鬼殺隊の隊士なの?
・・・って感じなくらいのキャラで、強くなるのも「気を失う」必要があるという、普段は「ザ・ヘタレ」「Mr. 陰キャ」。
でも、だからこそ彼の言葉は、マンガにありがちな超ポジティブキャラと違う、普通の人の言葉で、ナマの表現です。
だからこそ、普通の人も、非リア充も、すんなりと感情移入し、理解できます。
善逸はなんと言っているのか?
では、このシーンの上段で彼はなんと言っているのでしょうか?
一つ一つ英文を読み解いていきましょう。
Wait!
(待ってくれ!!)
Will you please wait?!
(ちょっと待ってくれないか)
I'm scared!
(怖いんだ!!)
We're getting close to our goal, and I'm very scared!
(目的地が近づいてきてとても怖い!!)
※scared~=「~が*怖い」という形容詞(発音)
*ここでは省略されている
いや~、超絶カッコ悪くていいですね。
カッコつけた顔して「待ってくれ!」と言っておきながら、体育座りして「怖いんだ!!」さらに、「とても怖い!!」ですからね笑。
この、「怖い」という表現は、日常会話で普通に使いますよね。子どもは「怖い話」が大好きですから、「怖い!」という時に、この表現が使えます。
便利な表現「very」を追加する
しかも善逸はご丁寧に、自分の怖さのレベルを二段階で表現してくれているワケです。
I'm scared!
(怖いんだ!!)
I'm very scared!
(とても怖い)
※very~=「とても~」という副詞(発音)
ここで使う「very~(とても~)」は、もの凄く使える「副詞」です。
副詞というのは、形容詞(や動詞)などの意味を強くしたり弱くしたり(修飾、しゅうしょく)するものですが、とりあえず今は、そういうものがあるということだけ理解しておけば大丈夫です!
今回は、「very」を使うことで、「scared(怖い)」という形容詞を強い方向に修飾しているんですね。
「very」を使った例文ですが、
I'm strong.
(俺は強い)
I'm very strong.
(俺はとても強い)
※strong=力強い、頑丈な、という意味の形容詞(発音)
という風になります。これは小学校低学年の男の子が使いそうな表現ですね!
「very」の順番はわかりやすい!
副詞はいろんなものを修飾するものなので、文中のいろんなところに置けますが、副詞「very」を使う順番は、あくまでも形容詞(scared、strongなど)の前と決まっています。
very+形容詞
(とても〈形容詞の意味〉)
英語は日本語と順番を逆にするイメージですが、「very~」の場合は、日本語と同じように「とても~」という感じで、普通に並べちゃって大丈夫です!
たとえば「happy」という形容詞を使ってもいいでしょう。
I'm very happy.
(私はとてもハッピーだ)
文字通り「とても」使える表現ですので、絶対に忘れないようにしましょう!
本日のまとめ
・I'm scared!=怖いんだ!
・I’m very scared!=とても怖いんだ!
・「I’m+形容詞」で自分を説明することができ、「very+形容詞」にすると意味を強く(修飾)出来る