鬼滅の刃で中学英語#22~鬼滅英単語⑥ 水の呼吸を会得する(後編)~
前々回、前回と、「水の呼吸」の英文をご紹介してきましたが、今回で水の呼吸はお終いです。
頑張っていきましょう!
➡前編(壱~参)はこちら
➡中編(肆~捌)はこちら
水の呼吸 玖ノ型(英語ver)
玖ノ型(くのかた)は、攻撃というよりは移動系、回避系の技ですね。
(Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.3)
Ninth Form
(玖ノ型)
※ninth=第9の、9つ目の
第9のを表すのは、「nine(=9)+th」で「nineth」とは行かず、「ninth」ですのでスペルに要注意です。
技名の「水流飛沫・乱」は、技名の後ろに「乱」がついているので、発展バリエーションのハズですが、「乱」のないバージョンがなぜかない、そして一回しか登場していないレアな技です。
そんな激レア技の英語バージョンはこちら。
Splashing Water Flow: Turbulent!
(水流飛沫・乱)
※splashing=はねかす、飛び散らす(発音)
※water flow=水流(発音)
※turbulent=荒れ狂う、乱暴なという形容詞(発音)
とても言いにくいですね。
「水流=water flow*」+「飛沫(しぶき)=sprashing」で「水流飛沫=splashing water flow」。
*waterとflow(流れ)の複合語
「splashing」の元の形は「splash」で、東京ディズニーランドの「スプラッシュ・マウンテン」のスプラッシュ。飛び散るとか、はねるという意味の動詞です。それに「-ing」をつけて、形容詞的な使い方をしているわけです。
ちなみに「飛沫(しぶき)」は、今話題の「飛沫(ひまつ)」とも読みますね。
後にくっついている、技のバリエーションと思われる「乱=turblent」ですが、私、初めて見ました笑。技以上に激レアですね。
水の呼吸 拾ノ型(英語ver)
拾ノ型(じゅうのかた)は、回転しながら威力を上げていく、代々伝わる水の呼吸の最後にして最強の技ですね。
Water Breathing Tenth Form
(水の呼吸 拾ノ型)
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.7より
「第10の」を表す「tenth」。
sixth、seventhと同じ、後ろに「-th」をつけるだけのシンプルなものです。
ただし、技の方はかなり派手。発動すると龍のシルエットが出てきます(アニメでは水龍でした)。
Constant Flux!
(生生流転)
※constant=絶え間なく続くという形容詞(発音)
※flux=流れ、移り変わりという名詞(発音)
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.5
英語も「?」ですが、そもそも「生生流転」とは何?というところから
生生流転(せいせいるてん、しょうじょうるてん)
⇒万物は永遠に生死を繰り返し、絶えず移り変わってゆくこと。(広辞苑 第七版)
いわゆる四字熟語で、常に変化を繰り返すさまを表しているわけですが、この技も一撃だけではなく、二撃、三撃と威力を増して(変化して)攻撃するという技ですね。
それを、
constant(絶え間ない)+flux(流れ)⇒constant flux(生生流転)
としたようですね。
「flux」自体は水の呼吸らしい、水に関連する英単語ですが、ちょっと固い表現の英検1級レベルの単語で、通常の「流れ」は玖ノ型に使われている「flow」を使います。
ですので、日本にいるとなかなか出会うことはないかもしれませんが、「constant」は日本語でも「コンスタント」と使うこともあるくらいなので、こちらは覚えておいても損はないですね!
「constant」を使ったシーン
実は、鬼滅の刃 英語版『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba』には、ここ以外にも「constant」が登場してきた事があるんですよね。
それがこのシーン。
(Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.6/鬼滅の刃 第6巻)
The technique Tanjiro mastered is called Total Concentration: Constant.
(炭治郎君が会得したのは 全集中・常中という技です)
※technique=技法、テクニック(発音)
※mastered=マスターした
※is called=呼ばれる
全集中の呼吸をつねにし続けるという、「全集中・常中」の「常中(じょうちゅう)」の訳として「constant」が使われているんですね。
「常駐」なら辞書には載っているものの、「常中」はないので推察ですが、意味的には、武道における「体の中心(丹田)」をイメージして集中し続ける的な意味合いなのか?
それとも単に「常に」「集中」を組み合わせた語なのか?
ちょっとわかりませんが、とりあえず、「constant=常中=常にし続けること」ということが覚えやすいですね。
「:」の使い方
ちなみに、上記の例にある「:(コロン)」ですが、これは、その後を強調したり詳しく説明する時などに使うもので、日本語だと「・」と同じように使われたりします。
上記の例でも「全集中・常中」のように、新たな言葉「常中」を区切って強調するために、英語では「Total Concentration: Constant」としたわけですね。
下のシーンもそうです。
(Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.3)
Second Form: Improved
(弐ノ型・改)
Lateral Water Wheel!
(横水車)
※improved=改良された、進歩した(発音)
※lateral=横方向の、側面のという形容詞(発音)
「・=:」で使われています。
他にも「:」には、補足するという意味もあり、鬼滅英語版の『Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba』にも、補足タイトルとして原題のローマ字が載っています。
水の呼吸 拾壱ノ型(英語ver)
さて、炭治郎が鱗滝さんに教えてもらった「型」は全部で10個、拾ノ型までだったのですが、水柱で、主人公の炭治郎と師匠(鱗滝)を持つ冨岡義勇さんは、独自に「拾壱(じゅういち)ノ型」を編み出したのです。
それが登場するのは、十二鬼月と対面したシーン。
(Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.5)
Total Concentration: Water Breathing
(全集中 水の呼吸)
Eleventh Form
(拾壱ノ型)
10の次は11(eleven)ですね。
そして「第11の」は、「eleven(11)+th」で「eleventh」。
後ろにつけるだけなので簡単ですね!
Dead Calm
(凪)
※dead calm=大凪(おおなぎ)
どんな攻撃もさばくという「凪(なぎ)」は、英語では「dead calm(大凪)」。
後ろの「calm(発音)」は、「凪=風がなく波が立たない状態」を表す名詞で、その前に、よく知られる「dead(発音)=死んでいる、静まりかえっている」が形容詞*としてついていて、「死んだように穏やかな凪=大凪」を表す表現になっているんですね。
*「死ぬ」は「die」という動詞です
原作ではただの「凪」なんですが、攻撃をすべて無効化するほどの「凪」ならば、「大凪」とした方がわかりやすいだろう!というのが英語圏の考え方で「dead calm」としたのかもしれませんね。
ちなみにこの拾壱ノ型、原作では非常にあっさりと書かれていますが、炭治郎も知らない型ということで、アニメ版では、炭治郎の驚きと、技のスゴさがうまくまとまっていて、まさに、死んだように穏やかな凪、「dead calm」が伝わりやすいですね。
以上、ここまでが「水の呼吸」でしたが、いかがでしたか?
「水の呼吸」ということで水に関連した言葉が多かったので、覚えておいて損はないですよ!
水の呼吸に使われた「水」単語まとめ
・水の呼吸:water breathing
・水面(みなも):water surface(壱ノ型)
・水車:water wheel(弐ノ型)
・流れるような、流流:flowing(参ノ型)
・打ち潮:striking tide(肆ノ型)
・慈雨:blessed rain(伍ノ型)
・渦まき、ねじれ渦:whirlpool(陸ノ型)
・雫(しずく):drop(漆ノ型)
・波紋(はもん)、さざ波:ripple(漆ノ型)
・滝壺:watefall basin(捌ノ型)
・飛沫(しぶき):splashing(玖ノ型)
・水流:water flow(玖ノ型)
・流れ(固い表現*):flux(拾ノ型)
*流れは通常flow
・大凪:dead calm(拾壱ノ型)
どうでしょうか?
結構覚えられそうじゃないですか?
本日のまとめ
・第9の=ninth、第10の=tenth、第11の=eleventh
・水の呼吸(water breathing)は「水」の英単語を学べる