鬼滅の刃で中学英語#26~「You=あなた」じゃない!?②~
前回、「you」というのは相手を表す「記号」みたいなものだから、結果として「あなた」とか「君」とか「お前」と訳せるんだというお話をしました。
関係にしてみると、
「you=あなた=君=お前」
という感じでしょうか。
でも実はこれ、ちょっと正しくないんです。
実は「you=あなた」じゃない
「you=あなた」で、一体どこがおかしいの??
・・・って思いますよね?
百聞は一見にしかずなので、前回も引用した胡蝶さんと義勇さんの例文を見てみましょうね。
(いずれもDemon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.5収録)
You have a pure heart.
(君は心が綺麗ですね)
You...!
(お前は……)
気づきました?
どちらも「君は」「おまえは」ってなってませんか??
実は、これが正しい「you」の訳です。
「you=あなた」ではなくて、ここでは「you=あなたは」が正解なんですね。
「は」が付くんです、「は」が!!
これ、意外と理解していない子が多いですが、結構重要なポイントなんです。
「you」を使った基本表現
実はこの二つの例文に共通しているのは、どちらもこの「you」は「主語」になっているんですね。
文章の中の主人公、メインが誰かという部分が、「you」なんです。
胡蝶さんの「君は心が綺麗ですね(You have a pure heart.)」も、義勇さんの「お前は……(You...!)」も、Youがこの文の主人公、つまり主語ですね。
それが、目の前の相手のことではなく、自分のことだったら、「I am ○○=(自分は)○○だ」という表現を使うんでしたね。
こちらがその例ですが、上記の「I am Sakonji Urokodaki.=儂(わし)は鱗滝左近次だ」の時の「I」も同じ主語ですね。
(出典:Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.1)
主語というのがイマイチ理解できなくても、その文の中で「誰・何のことを言っているか」の「誰」とか「何」に当たる部分のことだとザックリ理解しておけば大丈夫です(上記の例なら鱗滝さんの言う「自分」が主語です)。
では、「am」と同じく、「you」に使うbe動詞はどうするのか例文を使ってご紹介しましょう。
Tanjiro... you are an amazing child.
(炭治郎 お前は凄い子だ)
※amazing=驚くべき、という形容詞(発音)
※child=子ども、という名詞(発音)
こちらは、鱗滝さんが大きな岩を斬った炭治郎を褒めるシーン。
ここでは、主語が「you」、動詞が「are」というbe動詞になっていて、
「I am ○○=自分は○○だ/です」
と同じように、
「You are ○○=あなたは○○だ/です」
ということを表しているんですね。
つまり、このbe動詞は「だ」とか「です」っていうことを表していて、「は」を表しているわけじゃないのです。
(だからといって必ずしも「だ」とか「です」が入った日本語文が、be動詞を使う英文になるわけじゃないです)。
「you=あなた」じゃダメな理由
このように、「あなたは」「君は」「お前は」というひとまとめで、「you」を表すんですね。
間違っても、「be動詞=は」を表しているわけじゃないんです。
英語の点数が全然上がらない子は、ここをかなり勘違いしています!!
だから、なぜか文の後ろの方に、be動詞が書かれた答案が出来上がります。もちろん、バツです!
これは、英語のルールをわからずに、雰囲気だけで
You are beautiful.
↓
あなた は うつくしい。
という風に間違って理解しちゃうからでしょうね。
be動詞が、日本語の「助詞」みたいなものだという風に理解しちゃっているケース。心の中では、
「困ったらbe動詞を書いとけば間違いない!」
という感じです(実際は間違いです)。
でも、よくよく考えてほしいのですが、たとえば、先ほどの胡蝶さんの例は、be動詞を使わず、「have」という一般動詞を使っていますが「君は」となっていましたよね。
You have a pure heart.
(君は心が綺麗ですね)
もし、be動詞が、日本語の「は」のように使えるのであれば、この文のどこかにbe動詞を入れなければいけなくなってしまいます。
(そして、穴埋め問題で入れてしまう子がなんと多いことか!)
そもそも英語には、日本語の「(○○)は」とか「(○○)が」のような「助詞」がないので、こういう考えそのものがおかしいのですが、英語には「助詞」がないから、「you」に「あなたは」という意味が必要なんですね。
この辺はまた別の機会に解説しますので、今は「you=あなた」ではなく「you=あなたは」でおぼえるということだけ理解しておけばOKです。
もう一つ「you=あなた」じゃダメな理由
実はもう一つ、「you=あなた」じゃダメな理由がありますが、それは「your」という言葉があることです。
「your=あなたの」という意味ですね。
下記は、Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.3にて、愈史郎が、禰豆子のことを「醜女(しこめ、ブスのこと)」と言ったことを、共闘を終え、背中ごしに炭治郎に撤回した、いいシーンです。
Your sister is beautiful.
(お前の妹は美人だよ)
ここでは、「your=お前の」になっていますよね。
とりあえずそれはなぜかということは気にせず、「you=あなた」ではなく、「you=あなたは」「your=あなたの」という風におぼえるということを忘れないようにして下さいね!
本日のまとめ
・「I am ○○=自分は○○だ/です」
「You are ○○=あなたは○○だ/です」
・「you=あなた」ではなく「you=あなたは」「your=あなたの」でおぼえる