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鬼滅の刃で中学英語#9~「I'm sorry.=ごめん」じゃない!?~

今回は、前回に引き続き「I'm sorry」から、英語と日本語の違い、その他の謝罪表現をご紹介していきますよ。

謝るだけなのに「I」が必要な英語

我々日本人の常識からすると、「とにかく謝ればいい」というのが通用するのは小さい内だけで、中学生以上にもなれば(もちろん大人も)ただ「ごめんなさい!」と言った所で許してもらえないことはよくありますね(笑)。

なんなら、「謝りゃいいと思ってるでしょ?」とか「なんで怒られているかわかる?」などと言われてしまうこともあったり・・・。

だから、日本人の常識として、「とりあえずゴメンナサイ」する人は、誠意がないと扱われることもあります。

でも、英語は違います。

まずはこちらのシーンを見てもらいましょう。

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I'm sorry that although I gave you life, I couldn't ...give you a strong body too.
(丈夫な体に産んであげられなくて…ごめんね……)
原作:鬼滅の刃 第5巻

これは、体が弱いために鬼舞辻にそそのかされ鬼になった累に対しての、母親の謝罪シーンです。

体が弱い風に産んでしまったのは母親の責任ではないのですが、いつの時代でも、こうやって思うのが母親ということなのでしょう。

これだけ長い謝罪ですが、日本語の場合は最後に「ごめんね」、英語の場合は最初に「I'm sorry」が来るように、全然違っていて、英語は、これだけ長い文章でも、まず「I'm sorry」という気持ちを伝えることが大事で、理由は後なのです

そこの違いをしっかりと理解しておくのが、英語を理解できません!

「I'm sorry=ごめんなさい」じゃない!?

こういう話をすると「英語はややこしい! だから嫌い!」という人もいます。でも、日本語の方がよっぽどややこしいです。

たとえば、「ごめんなさい」って、なんでごめんなさいって言うかわかりますか??

実は日本人のほとんどが、その意味を知らずに使っています(これは「こんにちは」も「ありがとう」も同じです)。

「ごめん」という言葉は、漢字で書くと「御免」と書きます。

「御」は丁寧にする意味で、「免」は免許の免で、許す、許可をするという意味のある言葉で、「なさい」は「~しなさい」の「なさい」です。

つまり日本語では、

「ごめんなさい=許してください」というのが、本来の意味です。

だから、英語の、「自分は申し訳ない気持ちです」という意味の「I'm sorry」とは必ずしもイコールではないわけです。

しかし、「ごめんなさい」という言葉自体にそういう意味があるんだと考えて使っている人はまずおらず、とにかく今は、「ごめんなさい」=謝罪の言葉って感じになっており、本来の意味と、違う使われ方をしているって事ですね。

英語は言語の中でわりと新しい言語ですが、日本語はいつ始まったかもわからないぐらい歴史があるので、本来の意味と違う意味で使われるということがよくあります。

この辺は語り出すとキリがないので、また機会があれば!

申し訳ないの「ごめん」と許しての「ごめん」

日本語にくらべて、言語としては比較的歴史の浅い英語は、とてもシンプル。

日本語の「ごめんなさい」には色んな意味が含まれていますが、英語の場合は用途に応じて使い分けることが可能です。

たとえば、自分は申し訳ない気持ちになっているから「I'm」を使って、

I'm sorry.
(申し訳ない気持ちなんだ=ごめんね)

と伝えることも出来ますし、

許してほしいというお願いをするから、命令形*を使って、

Forgive me.
(許してね=ごめんね)
※forgive=許す、大目に見るという動詞(発音
※me=私を、という名詞(Iが変化した物)

と伝えることも出来ます。
*命令形…主語(You)を省略して動詞から始めることで、「~しなさい」「~してください」という意味になる表現。後日やります

どちらも日本語では「ごめんなさい」と訳すことができますが、主語が違ったりと、文の表現がまったく違います。

つまり、日本語の「ごめんなさい」には、あまりにも色んなシチュエーションで使われすぎていて、完全に一致する英語はないということです。

実際、『鬼滅の刃』第5巻では、この表現を同時に使うシーンがありました。

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Forgive me.
ごめんね
I'm sorry, Inosuke.
ごめんね 伊之助)

こちらは、伊之助が鬼にやられそうになった時に見た走馬灯で、「ごめんね」と涙を流しながら崖に我が子を落とす母親の姿が映っていました。

その理由は後々明らかになるのですが、その時の母親の気持ちが入ってのことだったので、

こんな方法でしか助けられなくて「許してね」

という意味と、

面倒を見続けることができずに「申し訳ない」

という意味の両方を使って謝罪していると読み取って、こんな風に訳したのだと思います。

日本語では、「ごめんね」という一言を見て、「あぁ、こういうこと思っていたんだろうな」と読む人があれこれ判断することですが、英語の場合は、「この人はこう思ってるんです」というのがハッキリと明確にされている、と言えるのかもしれませんね。

「自粛」対応の違いも言語文化の違い?

このように、我々からすると日本語って便利ですが、海外の人からするとハッキリしていない言語と言えるのです。

たとえば今の「イベント自粛」もそうですが、政治家は「イベントは自粛をお願い」と言いながらも、心の中では「お願いしたんだから止めろよ」と思っています。でも、「命令」「強制」じゃないので、イベントをやる人もいます。

「やっちゃダメ!」ってハッキリ言ってないですからね。

でも、こういうのは英語のみならず、日本語以外の文化の人からすると、ハッキリしてなくて困ります。

そういった文化的な違いもあって、海外ではハッキリと、緊急事態宣言を出して自宅待機を「強制」したりしているんですよね。国民全員が、日本人みたいに空気を読むなんてありませんから

そういう意味で、英語と日本語を同じように考えたら一生理解できないのも当然だよって話です。

「I'm sorry」も同じです。「sorry=申し訳ない」という気持ちを表現するので、他にも色んな使い方をしますから。

imsorry畏れながら

「おそれながら=I'm sorry」と表現しているシーン
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.6

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伊之助に変わって謝罪するため「He(彼)」を使った表現
Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba Vol.6

・・・とはいいつつも、中学の英語のテストなら「ごめんなさい=I'm sorry.」「すみません(○○させてもらっていいですか)=Excuse me.」で大丈夫です!笑

本日のまとめ
・同じ「ごめんなさい」でも、
 申し訳ない気持ちを表すのは「I'm sorry」
 許してほしいお願いは「Forgive me.
・中学のテストでは
 「ごめんなさい=I'm sorry」
 「すみません(○○させて)=Excuse me」で大丈夫!

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