『ティール組織』著者ラルー氏講演Vol.2”新しい社会の出現”教育 お子さんのモンテッソーリ教育
3つの世界観から教育を見る お子さんのモンテッソーリ教育
2019年9月13日の東京工業大学 リーダーシップ教育院主催
『ティール組織(Reinventing Organizations)』著者
FREDERIC LALOUX(フレデリック・ラルー)氏 来日記念講座
Theme:The emergence of a new society の第二話です。
第一話はこちら。
第一話は、この世界で今起こっている混乱を3つの世界の見方で見ていくというもので、まずは経営についてでした。これは本に詳しいので多くは語られません。次にお話されたのは教育です。ご自身のお子さんのお話が出てきます。
3つの世界観で教育を見たら、どう見えるのか?
フレデリック・ラルー:次に教育。
私たちはこどもをどう教育しているか。
学校運営の正しい方法とは?
これが正しい方法というものはない。
自分がどの世界観に立っているかによって違ってくる。
●農耕社会の視点での教育:暴力が生まれる
農耕社会では、学校はなかった。
子どもは劣っている存在。
すべてのことは階層になっていた。
大人は子どもより優れていて、そういう大人に子どもはなるべきだ。
どの農耕社会でもこどもへの暴力はあった。
子どもは遊んでいたい。
とはいえ、階層構造でみると、子どもは大人のようにふるまうべきと見える。
そのために暴力をふるっても、いい意図のしつけだと見える。
●機械の視点での教育:壊れた部品、規格に合わないものは弾く
19世紀、学校が生まれる。
工場というかたちで教育が生まれる。
6歳の子どもをだぁーっといれて、機械での製造とおなじように、
同じ素材・材料を入れるかんじ。
そして、工場のように製造物がでてくる、成長したこどもがでてくる。
時々壊れている部品がでてくる。
機械に合わないものははじく。
結果、18歳になると整った成人が出てくる。
学校を作るとき、工場のように見ている。
なぜそう見ているかというと、機械だとみていたから。
●子どもたちを生命体としてみるモンテッソーリ教育
今世界中でそういうモデルでいいの?ということがでてきた。
そして、子どもや社会を生命体としてみている。
この生命体が成長していくためにはどうすればいいのかと考える。
今私の二人の子どもは運よく素晴らしいモンテッソーリ教育に通っている。
子どもたちを生命体としてみてくれる。
6歳から12歳までずっと同じクラスで過ごす。
そして、先生はこの教科を教えるというものではない。
教室にいろんなものがあって、子どもは今日はこの気分だわというかんじでそれに取り掛かる。
子どもは生きている存在としている。
子どもは6歳だけど12歳のをやってもよい。
自分が学ぶ準備ができたときに学ぶということが許されている。
今は子どもは数学については12歳くらい、一方で読むのは、6歳くらい。
これが通常の学校教育であればつぶされたと思う。
壊れた部品として扱われる。
息子の友達がモンテッソーリ教育の教室をみたとき、彼はいろいろ探検した。そしてお前の教室はどこなの?どこが教室なの?と問いかけた。
もっと進んだ学校、日本だとはサドベリースクールというものを聞いた。
その学校では、何をやるかは子どもの自由に任せている。
学校にある柱があって、それに基づき自由にやっていい。
これは他の世界観からみたら狂っている。
機械的な世界観では、計画を立て、試験をして、チェックしなければいけないとみる。
こういう新しい学校は50年前からできている。そしてデータは集まっている。こちらのほうがいい結果が出ているというのがあるが、その世界観の人からは、それがありえないとなっている。
それでは第3話 農業・医学へ