『ティール組織』著者ラルー氏講演Vol.3”新しい社会の出現”農業そして医学 機械か生命か
3つの世界観で、農業そして医学を見る。機械か生命か
2019年9月13日の東京工業大学 リーダーシップ教育院主催
『ティール組織(Reinventing Organizations)』著者
FREDERIC LALOUX(フレデリック・ラルー)氏 来日記念講座
Theme:The emergence of a new society の第3話です。
第2話「教育 お子さんのモンテッソーリ教育」はこちら
●フランケンシュタイン化した鳥
農耕の視点でみると、私たちは神様の次にえらい。そのため、動物、自然に対して、指示をしたり、変えることも当然だ。
機械の世界でみると、これを入れて、このアウトプットが出てくるという世界。
そのために、この土壌に化学肥料をいれればいい、殺虫剤をいれればいい。また動物を変えていい、肉をとりやすいように肥大化させて、改良していい。そうやって最適化する。
今の鶏肉はフランケンシュタイン化している。
品種改良しているため、鳥は今2本の足で歩けなくなっている。
最適化すべきものとして、改良を続けている。
個々の問題は単純化した見方で、短期的。
少ないインプットでより多くのものがでてくるからよく見える。
一方で、土地の生産力がおちて、もっと肥料をいれないといけなくなっている。前と同じ収穫量を維持するために、遺伝子改良、品種改良をする。
でもいいじゃないか、この世界は機械なんだから。
機械だから、いじってよくすればいいじゃないかという考え。
●新しい世界の視点での農業:パーマカルチャー
農業を見る新しい見方。
パーマカルチャー。非常に複雑な生命系としてみる。
これらの全てのものが大切なものとしてみる。
コンパニオンプランツで植える。
いろいろな組み合わせを作って植える。
有害な虫は寄せ付けず、助けてくれる虫を呼び寄せてくれる。
私の息子の学校では、あるところでは数学、そのとなりでは読みかきを教えている。
生命体として生きるには様々な要素が必要。そういう世界観。
機械的なものの見方だと、ここではトラクターが使えないじゃないですかという見方をする。機械的な環境で育っているとそういう見方をしてしまう。
パーマーカルチャーのこういうタイプは土地の質がよくなって、生産性も高い。
個人的オススメ)パーマメントカルチャー、コンパニオンプランツを知るには、フランスで大ヒットした「TOMORROW パーマメントライフを探して」がオススメ。
でも、みなさん、これみても、世界には適用できないと思いませんでしたか?そんな風に機械的なものの見方はたくさんあります。
次は、医学についてみてみよう。
●機械の世界観の医学:薬
医学についてみてみましょう。
機械の世界観では、何かを入れれば何かがでてくる。
不健康なときは何かが欠けているとみて、薬を入れる。
すると正しいものが出力される、健康になるという見方。
●生命体の世界観での医学:感情、人間関係、自然
一方で、人間の体は機械ではないのではないか?という見方が出てきた。
人間の体は複雑な生命体であるという見方がでてきた。
感情、人間関係、いろんなものに左右されているものとしてみる見方がでてきた。
機械的な世界観では、肥満と心臓病に人は殺されてきた。
今つぶさにみていくと、孤独や寂しさが人を殺している。
同じ人間をみていても、世界観によって違う。
人間単体をみるのか、人間をとりまくものを含めてみるのかで。
科学的に調査されていることではあるが、病室の外に木など自然がみえるか、みえないか。見える人のほうが回復が早い
つまり、人間を機械のようにみると不足している。
新しい見方をす
ることで新しいことが起こっている。
将来病院にいったら、どこに病院があるの?と問うてしまうような病院、世界がでてくるとおもう。
個人的オススメ)世界各地の伝統医療と西洋近代医学を統合する「統合医療」の世界的第一人者アンドルー・ワイルが出演する映画はガイアシンフォニー第七番
今問題なのは出産の医療の仕組み
(講義後のトークセッションで、ラルーさんが医療に関して再度熱く話されたので、ここに追記します)
出産について。大きく女性の人権が傷つけられている
本当は女性が自然で安全で集中できる場所で出産。
しかし、実際に行われていることは、ライトで照らされた場所
たくさんの看護師が行きかう
そして、姿勢は女性にとって出産しづらい姿勢。
医者中心にできた仕組み。医者中心でよいのか?
私の妻は、静かな場所で、医者が出入りせずに行えた。
安全で自由な空間。
助産婦さんはシステムと戦うのがつらくて去る人がいる。
次は第4話 政治です。ラルーさんがかなり詳しく事例を話されました。