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幸福とは

9月に所属している写真サークルの写真展があるので、これまで撮ってきたものを一から見直している。

二度の海外旅行の相棒はX-E1とXF35mmF1.4だった。どちらも中古で買ったもので、当時は後継のE2が既に発売されてたしT1の評価が出揃っている時期だった。

型落ちのE1は確かにフラストレーションもあった。書き込みも遅かったし、動体追尾も正直使えたもんじゃない。防滴じゃないからクイーンズランドで小雨が降り出したときは、肌寒いのを我慢して自分の上着をカメラにかけてシャッターを切った。

今使っている機材はあの頃より格段に良くなった。当時は撮れなかったものも、今なら撮れるだろうと思う。撮りに行ければ、の話だが。

定職に就き、暮らすには十分な賃金をもらっておいてまだ不満があるのか、という人もいるだろう。でも上も下も比べればキリがない。過去との比較で言えば、写真に関しては確実に不幸な状況である。

働きもせず毎日シャッターを切ってたんだから、それと比べる方が間違っているかもしれないが。

積極的に生きるには希望が必要だが、日々の生活の中で見つかるなら既に生きることに積極的だろう。

美しいと思ったものを撮っているが、ただ美しければ希望たり得るかというと、どうもそうではないらしい。6月はほぼ毎日撮っていたが、今年度で一番憂鬱な月だった。

身の回りに希望はない。だからこそ俺は旅を求める。知らない街、知らない景色、知らないもの。未見のものなら希望になるものがあるかもしれない。

使っている写真は全てX-E1とXF35mmF1.4で撮ったものだ。

今ならまた撮り方も変わるのだろうけど、それでも不満はない。当時は「もっと望遠が欲しい」などと思っていたが、今は写りに満足している。

結局はないものねだりなのだ。当時は金もなかったが、時間だけはたっぷりあった。今はそこそこの金はあるが時間はない。ただどちらが幸せか、と考えると時間を取るだろう。

日本より小さなニュージーランドで多くの素晴らしい景色に出会えたのだから、きっと日本にも未見の素晴らしい景色が残っていると思いたい。

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takahasu
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