季節の変わり目
いつも精神的に安定している(と思っている)のだが、どうにも春と秋は不安定になりやすいようだ。悲観的なのは平常運転だが、そこにイライラが入ってくる。
大概は内心バカにしたり見下したりしつつ、表情は平静を装って済ませられるのだが、行き場のないストレスが溜まると口に出したくなる。お前は大学でパソコンの使い方も習っていないのか、と。
常日頃からこうではないし、極力態度は平等にするよう心がけているが、こういう時は対応の差が露骨に出てしまう。すなわち好きな人間への態度は変わらないが、どうでもいい人間からググれば済む程度のことを尋ねられると「ググれカス」と言いたくなる。いや、実際は言わないけど。
ただ声のトーンや言葉の節々に棘はあるんだろう。
こういうことがある度に自分の未熟を痛感する。残念ながらまだ俺は人間の範疇から抜け出せていないようだ。
言語化できないフラストレーションに苛まれている時にファインダーを覗いても、大抵ろくなものは撮れない。現像にしても、動画編集にしても同じだ。見る目が曇っている。
それでも幸いなことに慕ってくれている後輩と鎌倉に行くことになった。きっと一人だったら出かけたりせず、一日中布団の上から動かずにアニメを見るか、未読のラノベを読んでいただろう。そして夜になって後悔するのだ。
生きていてもしょうがない上に、どうしようもない時間の使い方をしてしまった。最近の休日はずっとこんな調子だった。
何度か訪れた場所でも人と一緒に行くのはまた違う。ガチで撮るつもりは毛頭なかったので、X-T2とXF35mmF2だけに絞ったのも良かったのだろう。空が微妙だったので期待していなかったが、思いの外いい瞬間に立ち会えた。
波打ち際でチキンレースをして、一緒にくるぶしまで海水に漬かったり。鎌倉で食べ歩きをしたり。高校の親友たちとかつてやっていたバカみたいなことを、30になってもまだやっている。あいつらは仕事に打ち込むか、家庭を持って落ち着いたというのに。
ただこういうことがないと生きていてもしょうがないという思いがすぐに浮かぶ以上、無駄死にを避ける意味でも必要なことなのだろう。
きっとこんなバカみたいなことを10年後もやっているのだろう。生きていたら、の話ではあるが。