DxO PureRAW 3とPhotoshop
前置き
星景写真を撮る上で避けて通れないのが高感度ノイズ。
地上の光の影響を受けないということはそれだけ暗いということ。暗いということはISO感度を上げる必要がある。
XF16mmF1.4やXF18mmF1.4で撮っていた時は1段絞ってもF2と余裕があったので、Lightroomだけでも何とかなっていたのだがGFXの広角レンズは開放でもF4と暗いためISO感度を上げる他ない。
同じ位置、同じ画角で複数枚撮った写真を重ねてノイズを軽減できるというコンポジットを試したこともあった。
問題はファイルサイズと1枚にかかる時間、そして細かな合成のミスと多い上に厄介だった。
その後DxOのPureRAW 2を知り即買い。AIによるノイズ低減が売りになっていたが、処理の結果を見て笑ってしまった。
コンポジットの手間と出来栄えを考えれば、PureRAWは救世主とも言える。
PureRAW 3との差
さて、では実際にPureRAW 2とどれくらい差があるのか比較してみよう。
Lightroomの現像では精細感を残したままノイズ低減するのに限界がある。特に半円状に出ている色ムラは処理が難しかった。
PureRAW 2に搭載されているDeepPRIMEだが、縮小された画像でもノイズが大幅に減少していることがわかる。
PureRAW 3ではPhotoshopでレイヤー処理することを考えて暗めに現像している。直接の比較はしにくいが、レンズ補正が最新になっているのは地味に嬉しいポイント。
上の画像をLightroomである程度処理してからPhotoshopで微調整した。天の川を残した状態で色ムラをかなり気にならないレベルに抑えられたので大満足だ。
ここからLightroomなりPhotoshopなりで天の川だけ選択して調整すればもっと強調させることもできる。
ちなみにLightroomを挟む理由は段階フィルターなどが簡単に使えるからで、Photoshopでも同じことはできるはずだ。使いやすい方で行うに越したことはないが、PureRAWはLightroomのプラグインがあり処理が完了すると自動的にカタログに追加してくれるので自然とLightroomで処理してしまっている。
拡大して比べてみてもPureRAW 3のノイズ処理の方が優秀だった。2の方では処理の痕跡がコントラストでうっすら分かるが、3ではこれもかなり目立たない。
ちなみに天の川がないのであればPhotoshopでの処理は必ずしも必要ではない。
描画モードをスクリーンにすると天の川を強調させることができるが、色ムラが出やすくなるというデメリットもある。上の画像の場合、富士山を持ち上げるのならLightroomのフィルターで十分なのでPhotoshopで処理するメリットは少ない。
逆に天の川が写っているときはPhotoshopでのレイヤー処理が必須と言える。これくらいシンプルなワークフローならメモっておく必要もないし、1枚にかかる時間も15分から20分ほどなのでコンポジットとは比べるまでもない。
GFX100Sを導入したのは昨年12月だったので天の川は撮れていない。最高の機材が揃い、現像の手法もアップデートできたので今年の星景写真は過去最高のものになるはずだ。
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