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今治には、FC今治があるという事実だけでは足りない。

久しぶりのnote更新はやはりこのテーマじゃなきゃ。

Twitterでは騒ぎ立てましたが、おらが街のサッカーチームFC今治が先日J3への昇格条件を満たしました。

今治にとって記念すべき日。正直この日は厳しいだろうと思った11月10日が輝かしい日となりました。

そして11月18日には晴れて正式に承認され、来年からJクラブが誕生します。

今治に初のJリーグチームが誕生する。5年近く追っかけてきたぼくも興奮せずにはいられませんでした。

この瞬間にこの場所で立ち会えた人はさぞ幸せだっただろうと思います。

3,381名。

その人数があまりにも少なく、寂しく感じました。

およそ2年前。夢スタのこけら落としには5,241名が集まりました。この映像を見てもわかるように、試合後もこれだけの観客が残っていたという証拠がここにあります。

その差が約2,000人。

ちなみに今シーズンは観客動員数が4,000人を超えた試合がここまでの13試合で1試合もありません。

全国の知名度はすごいものだと思います。「岡田武史」という名前は全国区でもあり、中国などの展開も考えるとワールドワイドです。

ヤフートピックスのタイトルも「岡ちゃんのFC今治」なんて言葉。大手メディアは軒並みこの表現でした。

「岡ちゃん」が今治に来て5年。

5年でチームは2つステージが上がることになります。

では地域としてのステージはどうだろう、と深く考えることが多くあります。


サッカーが盛り上がれば今治も盛り上がる!なんてのは幻想。

新しいスタジアムができて、1.5万人が二週間に一回今治に来てくれたら経済効果もすごい!なんてのも幻想。

とりあえずサッカーに乗っかってたら今治もっと人増えるよね!なんてのも幻想。


存在は確かに、大きい。あまりにも大きい。

そして大好きだ。

岡ちゃんも好きだし、選手のみんなもスタッフのみんなも大好きだ。(まだ話したことない人も多いけど)


ただ、それだけでは足らないんです。


今治に来た友達を胸張って勧めることのできる場所があるのか。絶対連れて行きたい食べ物があるか。ぜひとも会わせたい友達がいるか。

その全てが必要となるんです。


だのに。

サッカーに頼りすぎちゃいないだろうか。


確かにこれから30億円規模の企業が生まれることを考えるとゾクゾクします。その夢の実現を見届けたい気持ちももちろんあります。

ただそれだけでいいのだろうか。

30億円の企業1社もいいけど、1億の企業30社なんてのはどうだろう。

その方がおもしろいことできそうな気がしないでもないでしょう。


今治はしまなみ海道の入り口という立地を利用して、サイクリストが年中訪れる場所となりました。

サイクリストの数は増加してきました。

ただどうだろう。今から倍になるのかな。ならないだろうな。このままでいいのかな。そう感じることが最近増えてきました。


このサイクリスト誘致の動きと、FC今治におんぶにだっこのイメージがかぶって仕方がないのです。

2週間1回に1万人を集めるFC今治がいる街で、商店街が閑散としてていいのかな。

週末でもあんまり人が歩いてない夜の街でいいのかな。それで1万人を迎えて今治を楽しんでくれるのかな。


3年後を考えると不安な気持ちを隠せません。

「今治の人口規模でサッカービジネスが成り立つのか」という意見。

これはたぶんなんとかなる。むしろ、する。

「高い知名度に比べ、1試合の平均観客数(約2800人)はまだ不十分」というご意見。

まさにとしか言いようがない。


勝って兜の緒をなんとかという言葉があるように、必ずしも喜んでいられないという現状がずっしりと存在しているように思えます。


サッカーはサッカーでもちろん楽しむし、その勢いが拡大していくことに協力を惜しみません。ただ、その一方で自分の仕事、今治で楽しむことをまた再発見することも必要だと思っています。

今治でサッカーを見て、道後に泊まるプランを立てられるなどという屈辱的なプランを立てられてはいけないんです。


じゃあそのためにどうするか。

サッカーに携わる人以外の、今治を楽しんでもらうという気持ちを全力で追いかけるべきだと思っています。


この5年間で、商店街に新しくできた店舗はおそらく10店舗以内。調べてないけど、閉店したところも多くあると思います。

郊外では老舗の飲食店の閉店も多く、差し引きするとおそらく閉店の方が多いと思います。(イオンモールを除く)


まさに()内の言葉が全てで、イオンモールには確かに人がいます。この間日曜日の夕方にふらっとイオンにいったら、東京かと思いましたしね。人の多さで。


イオン以外の場所に魅力が少なく、選択肢として「とりあえずイオン」ということになるんだと思います。

FC今治についてもはじめは、「なんで試合後のイベント全部イオンやねん、スポンサーやからか」みたいな気持ちもぶっちゃけありました。
ただ逆に「イオン以外どっかある?」「ぐぬぬ。」となっちゃうんです。

悔しいですよね、他に選択肢を提供できないんですもん。

でも、イオンに人が集まって、地域って盛り上がるんだっけ?ってことだと思うんです。イオンができた当初は西条とか今治のお店があったんですけど、残ってるのはJAおちいまばりとタオル美術館だけですからね。


そんなイオンに対抗できる、商業施設がイオンのように立ち並ぶことのできる場所って、商店街とかまちなかだけなんですよね。

そんな商店街に、ぼくが代表を務めるみとん今治がカフェをオープンして2年半。

新しくできたお店は2つくらい。

これじゃあ立ち向かえないんです。

FC今治の皆さんに、「試合後商店街でイベントしよっか!」の選択肢提供できないですもん。

ぼくは兼ねてから、これだけコンテンツの揃う今治に足りないものは「商店街の賑わい」と「ナイトエコノミー」だと思っています。

それが加わらないと、いくらサッカーが盛り上がったところで、今治をまち全体として楽しんでもらえることって少なくなると思うんです。


昇格を決めて、スタジアムもできるだろうというニュースを聞いて、「よっしゃ」という気持ち半分。「このままだとヤバい」という気持ち半分です。

とりあえず今、ぼくは施設単体での黒字化を目指し、それができれば次のステージです。

次もきっと、まちなかでのなにかになると思います。


今治というまちは、「FC今治がいる」というだけでは盛り上がりません。

みんながもっと少し違った矢印で、もっと大きな面積にしていきましょう。

みんなでもっと楽しみましょうね。という話でした。


とにかく来年からのJの舞台が楽しみです。

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