たとえ話になっていない「たとえ話」
今日の新聞に、集団的自衛権の解釈変更が違憲ではないとした、昨年12月の仙台高裁判決に関する寄稿文が載っていた。
紙面は「オピニオン」、筆者は早稲田大学の長谷部恭男教授だ。
この記事は、デジタル版では先月掲載されていたようで、検索するとヒットした。
【識者コラム】行使不可能、違憲でない 集団的自衛権「限定容認」 長谷部恭男
書き出しが同じなので、おそらく最後まで同じだと思うのだが・・・
なぜか、月10本までは有料記事が読める契約のはずなのに「閲覧できません」と表示される。
おいおい、話が違うじゃんか。
私が一昨日プラン変更したのは右の2600円プラン。
有料記事は月10本読めるルールになっている。
明日は読者広報室にクレーム電話だな(笑)
それはいいとして、この長谷部教授のコラムが無理筋すぎて面白かったので読んでしまった。
集団的自衛権の行使について、長谷部氏はアイスクリームの食べ方にたとえている。
要約すると
①アイスクリーム好きの人が健康のために、自宅以外でアイスクリームを食べないことにした
②ところがある日、外出先にいると同時に自宅にもいる場合は食べてよいことにした
よって、こんな筋の通らないものは認められないという。
集団的自衛権の行使は、
我が国が武力攻撃を受け場合と同様の、深刻重大な被害が及ぶことが明らかなときに行使される。
アイスクリームにたとえる時点でどうかと思うが、長谷部氏の思考レベルに合わせるなら
②は「外出先でも食べなければアイスクリーム屋が潰れてしまい、自宅でも食べられない状況」になることだ。
本来は
②アイスクリーム屋の売上が悪く潰れそうだと聞いて、外出先でも食べることにした
としなければならない。すると筋が通ってしまう。
だからアクロバティックな屁理屈を考えたのだと思う。
だが本当に例えが悪い。
この文章を読んで、集団的自衛権の解釈拡大の意味がわかる読者なんてごく一部だろうし、
逆に、正しく理解していた人が混乱しかねない。
アイスクリームとか読者を馬鹿にしたような話はやめて、
現実に日米安保と日本の周辺事情でたとえ話にすればいいのだ。
米国の軍事施設が全て叩かれて壊滅的な状態になると
国防の大部分を米軍の抑止力に頼っている日本は、危機的な状況に陥る。
日本の国防において重要な米軍施設が攻撃を受けたとき、日本への攻撃ではないからと放置できるのか。
国民の命がかかっている。
アイスクリームを我慢すればいい話ではないのだ。
いや、ひょっとして本当は昨日(4月1日)、エイプリルフールとして掲載したかったのか?
(ぶるぼん企画室「雑記帳」より転載)