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noteで学べるシステマ講座特別編/ヴラディミア・ヴァシリエフ「ウェポンの戦略」テキスト版Vol.4

2021年3月開催トロント本部オンラインコース「ウェポン・ストラテジー(武器の戦術)」より、初日の模様をテキスト化。

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2021年3月開催トロント本部オンラインコース「ウェポン・ストラテジー(武器の戦術)」より、初日の模様をテキスト化。

指でのナイフコントロール

次もナイフを動かします。一つの提案ですが、2本の指だけを使って動かしてみてください。もちろん他の指も使って良いのですが、2本だけにすると、とても鋭く、短く動かすことができます。

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例えば、刀なら小指側の指を使います。引き切りが主な使い方だからです。でもナイフの場合は親指と人差し指の2本を使います。残りの指は補助として使います。例えばナイフで上へ突き上げるなら、親指をリラックスさせます。するとほんのわずかな瞬間的な筋肉の動きですが、ナイフが速やかに上へ行きます。もし小指に力を入れて持ってしまうと、前腕の筋肉が収縮してナイフを切り下げる動きの妨げとなります。小指をリラックスさせれば、同じ動きが速やかになります。

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上に切り上げる時は、親指と人差し指をリラックスさせ、小指側にわずかに力を入れます。すると筋肉を緊張させることなく前方に突き出すことができます。親指に力を入れると、下に下げる動きがやりにくくなります。指をどう扱うかという問題は、ナイフを動かす際にとても重要になります。

一つの動きで動きを隠す

例えば、自分が武器を持っている際にいかにして相手を脅かさないか、あるいは脅すことについての質問を頂いたことがあります。警官であれ、軍隊であれ、フーリガンであれ、武器を見せて相手に恐怖心を与えるものです。どんな軍人であってもマシンガンを持った相手に対して、丸腰でスマイルだけで対処するとなるととても大変です。自分や自分の仲間を守らなければいけませんから。武器を見せる際に必要なのは、まず自分自身が緊張していないということです。

腰のあたりに武器を所持しているなら、腰がリラックスしているか確認しましょう。自分は自然に心地よく武器を取ることができますが、それは相手にとって心地よいことではありません。1つの動きにもう1つの動きを隠すことを練習していきましょう。1つの動きを見せることで、武器を取り出す動きを隠すのです。腰、もちろん足のリラックスも必要です。足を横に動かして逃げたりする必要もあるからです。

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歩いたりしながら少しずつ自然な動作で腕を武器に近づけ、取り出します。手で覆うようにしてナイフを取り出した時に、あなたの友達が「いつナイフを出したか分からなかった」と言ったら、正しく動きを隠せているということです。相手から見えないようにするあまり、余計に緊張してしまうのも良くありません。大切なのは、自分自身にテンションがないことです。

方向転換とナイフドローイング

続いて方向転換しながら、ナイフを抜いてみましょう。振り向きざまにナイフを抜きます。問題は振り向く動作そのものがすでに緊張してしまうことです。

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すると相手に何かの動きがあることを察知されてしまいます。振り向く時にはまず振り向く方向を見ようとして頭が先に動きます。そうした動作をみると、相手の意識も頭のほうに向きます。腕を動かしてナイフを取る動作が先にくることはありません。画面越しに見ていると、みなさん身体の動きと精神的な動きがチグハグになってしまってますね。

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