noteで学べるシステマ講座特別編/ミカエル・リャブコ「癒やしのエクササイズ2日目」テキスト版Vol.1
2021年1月に実施されたモスクワ本部オンラインコース「癒やしのエクササイズ」初日のテキスト化。
動画はモスクワ本部公式オンラインストア「MLAD STORE」にてお買い求めいただけます。
1日目のテキスト版はコチラ
なぜ背骨がゆがむのか
ミカエル(以下:M):みなさん、こんにちは。前回のレッスンから多くの質問がきています。特に多いのが腰の問題についてですね。腰が痛くない人や背中に痛みがない人というのは、ほとんどいないと思います。なぜなら身体はそうなりやすいものだからです。誰でも右や左のどちらかの利き手が強かったり、身体のどちらか片方に負荷がかかりやすい状態ができてしまっています。左右どちらかが軸足になっている人がほとんどでしょう。脳がそうさせるからこそ、どちらかに偏ってしまう。どちらかに傾いてしまう。それによって背中や腰に問題が出るのはごく自然なことです。ですから、それらを調節していく必要があります。
前回、彼は(手の長さが左右で)大きく違っていましたね。足も傾いていました。彼は前回のレッスンから毎日、皆さんと学んだエクササイズをしたそうです。見てください。彼の身体はまっすぐになって、肩の位置も整っています。
でもよく見ると右の肩甲骨が少しとび出たような感じになっていますね。でも前回はもっと飛び出ていました。その飛び出し具合が多少、少なくなっています。彼の背中をよく見ると、背骨に変形がありますね。背骨の位置も中心からズレています。
よく見てください。背中からみて分かるように左側に傾いた形になっており、肩や首の位置も傾いています。すなわち彼は右側にとても負荷をかけていると言えます。
彼のような身体は、スポーツをしている人によく見られます。彼に聞いてみましょう。どんな素晴らしいスポーツによってこのような身体になったのでしょう。
参加者:バレーボールをしていました。身体が曲がってしまったのは、毎日、利き手でボールを相手のコートに強く突き刺さるように打つ動きばかりしていたからだと思います。
M:そうですね。やはりスポーツをやる人には、身体のバランスを崩す人が多いです。自分の利き手の方だけに、強い負荷がかかることが多くなるからです。するとこのように身体の形やバランスが崩れてきます。それだけならまだマシですが、身体の崩れは内臓の位置の崩れにつながります。特にジャンプを多くするスポーツでは腎臓にかなりの負担がかかります。そのために腎臓を悪くすることも多いです。もう一度背中を見てみると、やはり一方の肩の位置が高くなっていますよね。右肩ばかりを使っている。そちらばかりに筋肉がついているということになります。これを元に戻すのは、本当に時間がかかる作業になると思います。例えば彼の手に触れてみると、左は子どものように柔らかくふにゃふにゃした感じですが、右の方はしっかり筋肉がついた硬い状態になっています。このように身体のバランスが崩れた状態でプッシュアップをやったり、スクワットをやったり、いろいろなことをやっていても、今までと同じような身体の負荷のかけ方をしてしまうのでバランスが整うことはありません。
スポーツがはらむ問題
子どもにスポーツをさせるなら、しっかりと考えてほしいと思います。子どもたちがスポーツをするためにクラブなどに参加しても、指導者たちは子どもたちの身体のことをさほど深く考えているわけではありません。それよりも結果や勝つことを求めるのです。それによって選手の身体がどんな状態になるかということは考えもしないのです。そして(試合が)できなくなったら引退するように言うだけです。私たちは自分の身体についてしっかり考え、バランスを保たなければいけません。そういったことを考えてスポーツをしないといけないのです。
バレーボールなどのスポーツをしてはいけないという意味ではありません。自分の身体の調整はしっかりとしなければならないという意味です。彼に1年前の様子について聞いてみましょう。
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