noteで学べるシステマ講座拡大版 創始者との対話Vol.5「リーダーシップとチームワーク」前編
創始者との対話「リーダーシップとチームワーク」
20200630配信のテキスト版
後編はこちら
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ミカエルの所属した特殊部隊「ルィシ」
T(北川): 今日のテーマは「チームマネジメント」ということで、事前にミカエルが所属していた特殊部隊ルィシ(Рысь)についておさらいをしてたのですが、ルィシのフィギュアを紹介している動画を見つけました。ミカエルたちの部隊はとても人気なのですね。
M(ミカエル): はい。とてもいい部隊です。特殊部隊に入れたのはとても嬉しいことです。私たちは色々な作戦をこなしました。逮捕したり、人質を解放したり、暗殺者と遭遇したり、戦争で戦ったり、その時代に2名の仲間が命を落としました。もちろん怪我人はたくさんいましたが、亡くなった人数は少ないと思います。
S(サーシャ 通訳): ミカエルがその部隊を作ったのですか?
M: 私は創設時のメンバーです。その後はルィシの教官をしていました。
S: 調べてみたらルィシは私が生まれた頃に結成されたのですね。すごいですね。
M: はい、これまで頑張ってきました。
T: システマをやってる人の多くは、武術の先生としてのミカエルをよく知っていても、司令官としてのミカエルについてはあまり知らないと思います。最初はその点についてお話を伺えればと。
M: ルィシにはどんな意味があるのか皆さんご存知ですか? ルィシはロシアの大統領の指示で結成されました。私たちはトップの指示に従って集まっただけです。創設時からルィシに入っていろいろと指揮したり、新メンバーに指導したり、分からないところがあったら勉強したり、新しい武器を作ったり、使い方を教えたりして、行動範囲が広く、活動的だったので、とても面白かったです。
特殊部隊の選考
部隊に入隊する隊員を選考することはあったのでしょうか? もしあったとしたら、どういう基準で選んだのでしょうか?
M: 基準は色々とありましたね。まずは総務大臣から指示が出ます。細かいところがたくさんありました。どんなパラメータが必要で、どんな試験を受けさせるかなど。私たちはその指示を元に行動します。もちろん選考したこともありますし、推薦したこともあります。特殊部隊に入りたいメンバーは徒手格闘の技術を知らなければ、試験に進むこともできません。その次は打ち方を確認します。もちろん恐怖を乗り越える力も必要です。緊急事態で必要な要素ですね。そうやって新人を選考したあと後で、三回試合が行われます。実際にいろんな人と戦って、耐えられるのか確認するのです。特殊部隊に入った人は本当にユニークで面白い人が多かったのです。
戦いが日常だった頃
M: ちょっと面白いお話があります。私たちの隊長が推薦する人が試験を受けに来たのです。その三回の試合の対戦相手として私が入りました。試合が始まってから、その子には力が足りない気がしたのでわざと緊張している筋肉を打ったのです。リラックスさせて、筋肉に活力を与えようと思ったのです。試合の後、彼をセルゲイ・オジョレリフが家まで運んでいきました。その新人はベッドから2週間も立ち上がれず、「特殊部隊に入りたい。ミカエルみたいな人になりたい」と言い続けたそうです。緊張の緊張をとっただけでベッドから2週間も立てないだなんて、大変なことです。
そういう話は他にもあります。私たちの部隊、武装した犯罪者を逮捕をした時のことです。その犯罪者は部屋に立て籠もっていたのでドアの周りに爆薬を取り付けて、爆破しました。でもそのドアは特殊な金属で作られていて、そのドア以外の周りのドアが軒並み壊れてしまったのです。目的のドアだけは何事もなかったかのように閉じたままでした。驚いた隣室のおじさんが釘とトンカチを持って出てきたのですが、私たちを見るや否や壁に手を当てて自分の指を打ちながら「あなたに文句はないです」と言い続けました。そのドアを突破するのは諦めて、結局窓から入ったのですけどね。恐怖心でいっぱいになってしまった人は、話すらできないものです。
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