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noteで学べるシステマ講座特別編「犯罪者の心理学」前編

モスクワ本部ウェビナー「犯罪者の心理学」初日のテキスト版前編です。

パニックさせてはいけない

T(北川): 開始まであと三分ほどあるので、さっきのコンディショニングコースの感想を話しても良いでしょうか。

M(ミカエル): 興味深いです。

T: クラスの最中に急病で倒れたというミカエルの友達から電話がかかってきましたが、ミカエルはその場でてきぱきと対処をしつつ、同時進行でクラスを進めていました。ミカエルは落ち着いてましたが、友達を助けながらクラスを進めるとかよく考えたらすごい状況だと思います。もう十年以上、ミカエルに学んでいますが、とてもさりげなく見えて、実はすごいことをやっているということがしばしばありますね。

M: これも、ちょうど一連の話に通じるものがあります。今回の友達は腎臓が悪かったのですが、そのような問題は様々な形で誰にでも起こり得ます。血圧が上がってしまったりとかね。そういったときに大切なのは冷静さを保つことです。なぜなら話を聞いている人が慌てふためいたり、心配をしたりしてしまうとどうなるでしょう。もちろん、内心で慌てふためいたり心を痛めたりするのは仕方ありませんが、相手にはそれを見せないでください。見せてしまうと状況を悪化させるだけなのです。

たとえば戦いにおいて最も深刻なのは、パニックです。パニックは、困難な局面や重大な局面において苦しい状況を生みます。最も苦しく、最もあるべきでない状況がパニックなのです。パニックに陥ってしまった人を助けることは簡単ではありません。ですから、まずはその人のパニックを止めてあげることが大切なのです。落ち着きなさい、パニックになるな、と。その後で、落ち着いてその状況から抜け出すようにするのです。

人はなぜ悪いことをしてしまうのか

T: では本日のクラスを初めたいと思います。このコースのテーマは「犯罪者の心理学」です。

M: まず言っておきたいのは、これは難しいテーマであるということです。私たちは皆、自分が受けてきた教育やしつけに基づいて自分なりの考えを作っています。私たちは、自分の周囲がいつも良い状態で、安心で、穏やかであってほしいと望んでいます。嘘をつかないでいよう、人の物を盗まないでいようと思って生きています。しかし心理構造が異なる人たちもいるのです。何かに対する苛立ちや、何かを盗むこと、誰かに詰め寄って喧嘩をしたりするような、何かネガティブなものにばかり気持ちが向かう人たちがいるのです。そういった人たちを前にして、普通の人々は驚き、どうして彼らはそんなことをするのかと疑問に思うでしょう。

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