noteで学べるシステマ講座 第4回「『破壊の否定』の合理的理由」
トロント本部のウェブサイトにこう書いてあります。
The key principle of the Russian Systema is non-destruction.
ロシアン・システマの鍵となる原則は「破壊の否定」です。
強烈なストライク、鮮やかなテイクダウン、激しいマスアタック、スリルにあふれたナイフワーク。そしてロシア軍特殊部隊から生まれたという経緯。
いかにもいかつそうでありながら、その根本には「破壊の否定」があります。
軍隊武術と言うイメージから、システマは「速やかに敵を叩きのめす技術」と思われやすかったりします。確かにそういう一面もなくはありません。でも創始者はあくまでも破壊を否定しているのです。
おそらく散々、悲惨な現場を見たミカエルは「もう破壊は懲り懲りだ」と痛感したのでしょう。だからこそシステマには、「破壊することなく、争いを終わらせる方法」としての説得力があるのです。
でもミカエルは、単なる道徳的な教えとして「破壊の否定」を掲げているわけではありません。その背景には第二次世界大戦にまで遡るシステマのルーツと、それを元にした合理的な意味があるのです。
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