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noteで学べるシステマ講座特別編 創始者との対話Vol.6「善い人であるには」前編

創始者との対話Vol.6「良い人であるには」20200719配信のテキスト版

後編はこちら

注)本編には宗教的な思想にかなり踏み込んだ内容が含まれています。そのような内容に抵抗のない方のみお読みください。

「善い人」とは?

T(北川):今回のテーマは『善い人であるには』です。「善い人であれば、すべてがもたらされる」というミカエルの言葉がありますが、この真意についてミカエル自身に聞いてみたいと思います。まず『善い人』とはどのような人なのでしょうか?

M(ミカエル):これはとても簡単です。多くのみなさんは、周囲の人々が変わることを望んでいます。私も例外ではありません。私の妻が変わって、より良くなって、ケンカしなくなればと願っています。友人たちに対しても、よい人で親切にしてくれればと願っていますし、昔の上司に対しても、私に親切でよい人たちでいてくれればといつも願っていました。そうすれば私は、私が知る自分自身でいられます。でもそううまくはいかない時もあります。もし私が妻に悪い態度を取ったら、妻は私に同じようにするでしょう。もし上司に私が思っていることを全てぶちまけたとしたら、彼は気に入らないでしょうし怒らせてしまうでしょう。それでは私自身が善い人であるとは言えません。むしろ悪い人です。

重要なのは、自分が置かれている状況においてありのままの自分でいることです。つまり日々の生活の中でケンカすることなく、ただ普通に生活を営むということです。善い人であるということはもっとも重要です。それは置かれている状況によって自分の調子を崩さないということを意味します。他人に対して誠実でいられれば、善い人であるということです。上司や家族との関係など、あらゆる状況がいつでもスムーズになるのです。あなたが愛をもってすれば、誰かが苛立ち、辛い思いをしている時でも穏やかに接することができ、その人を挑発するようなことはありません。

愛をもって行えばすべてが正常化し、上質になります。そしてお互いが引き合うようになります。暮らしている環境、働いている環境、友人との環境からあらゆるネガティブなものを取り除けばあなたは人々を理解し、親切に接することができるようになります。この世界には非常に多くのネガティブなもの、ストレス因子、あらゆる否定的なものが存在しています。もちろんあなたがどのようであるかは、あなた次第です。争いやスキャンダルを起こすことを好む、ネガティブな人もいます。何も言わなくても、争いやスキャンダルを起こすことができます。多くの人は嫉妬をします。あなたが他の人よりも運が良いとか、美しかったりすることで嫉妬を買います。何を言わずとも、行動やジェスチャーで示すことが可能です。善い人であるということは、こうした人達を判断することではありません。周囲の人に対して腹を立てないことです。何を言われても動じずに落ち着いていること。この落ち着きがあればなにかに意識を奪われることもなく、妬みや嫉みを打ち消して、周囲の人々に少しずつ落ち着きをもたらすでしょう。すべてはネガティブさから生まれています。ストレス因子、妬み、嫉み。これらが炎の根源です。人々がスキャンダルを起こすとき、彼らは炎のように燃え出すのです。激しい炎です。あなたも一緒に炎上するなら、炎はとどまるところを知りません。

善の炎

その一方で消防士たちは炎を炎で迎え撃つという手段をとることもあります。火が迫ってきたらこちら側からも火を放ち、延焼する先を焼き払うことえ火を消すのです。これは路上でなんらかの攻撃に遭ったときに有効です。相手の攻撃を自分の攻撃によって鎮めるのです。これも有効な手です。なぜならそれは炎を消すために、炎に対して放たれた爆発だからです。相手からの攻撃を制圧したとしても、それが悪い人の行いというわけではありません。自分自身の中に炎を生み出さないようにするのです。外側に炎をまとうことがあっても、内面には宿しません。システマ東京のセミナーで飾られていたシステマの旗を見てください。背景が赤いでしょう(バナー写真を参照)。

赤とは炎の象徴です。炎は戦争の象徴でもあります。赤地が白く染め抜かれて、その中に戦士が立っています。なぜそこに戦士が必要なのでしょうか。それはこの世界にたくさんの炎があることを忘れさせないためです。多くの国々が軍隊を所持しています。それは炎の象徴です。炎が象徴する善もあります。炎を消す炎ならば、善であると言えます。その他にもあります。友のために命を落とすのも大いに価値のあることです。もしあなたが家族や友人、国家を守って命を落としたとしたら、すべてが正しく行われたと言えます。もう一度言います。「善い人である」ということは、「自分の中に炎を持たない」ようにすることです。悪意を持って復讐をしないことです。もしその悪意に善が打ち勝ったならば、それはよいことです。

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