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システマクラス3等分理論

プライベートレッスンとグループレッスンを合わせて毎日何クラスも練習している。その全クラスにおいて常に考えているのは、「どうしたらコスパを最大化できるのか」ということだ。

金額はそれなりに設定する。でもそれ以上の価値を絶対に提供する。

そう自分に課しているからだ。

試合もなく帯もないシステマでは上達を測る客観的な指標がない。でも見る人が見れば、「動きの改善」という明らかな変化がある。数量化したり定義できたりしないだけで、明確な基準はあるのだ。

同じ時間で、どれだけ動きを大きく変えることができるか。

そういう目的合理性で工夫しているのだけど、どうも「コンディショニング」「フィジカル」「ワーク」の順で練習時間を三等分するのがいいんじゃないか、という気がしている。

「コンディショニング」はシステマ式マッサージ。ボディウェイトやピンチング、タッピングなど。システマのブリージングを知っている人なら、多少痛みがある程度が良い。

「フィジカル」はエクササイズ。プッシュアップやスクワットといった4大ワークやローリングなどを中心としたエクササイズで負荷を与えて心身を追い込む。

「ワーク」は主にマーシャルアーツ的な練習。ストライク、プッシュ&ムーブ、グラップ&エスケープ、各種ファイティングなど。

90分のクラスなら30分ずつが目安。すると1時間をまるまるワークの準備にあてることになる。でもこれがなかなか具合が良い。

経験豊かなインストラクター達が口を揃えて言うように、ワークがうまくいかないのはだいたい、体の準備ができてないからだ。体が思うように動かないのは、溜め込んだ緊張に動きが妨げられているから。だからワークに入る前にできるだけ緊張を取り除いた方が良い。

そうは言っても1時間も準備にかけるなんてやりすぎじゃないかとも思うのだけど、実際にやってみるとワークの段階の進行がとてもスムーズになるのだ。つまり「できない、できない」と悩む時間が最低限で済む。

ミカエルが軍でシステマを教え始めた頃、サンボやらボクシングやら空手やらで何度も優勝しているような猛者が集まったため、リラックスさせるのが大変だったそうだ。かなりの負荷をかけても、常人離れした体力の持ち主ばかりなので2時間くらいかかったらしい。そうやって腕も上がらないほど疲れ果ててようやくワークが始まったのだという。

だから本来のシステマクラスは、そこまでして体の準備を整えてからワークを始めるものなのかも知れない。

この配分は地方でシステマの自主練サークルをやっているような人たちに役立つのではないかと思う。ワークに時間をとり過ぎてしまうと、「できない、できない」ばかりで無為に時間を費やしてしまうことになりかねない。でも準備に時間をかければ、その効果は必ず体に残る。ワークはやっぱり「できない、できない」で終わってしまうかも知れないけど、少しずつ体は変わり、動きも変わっていくはずだ。

ぜひ試してみてください。

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