システマ上達の指標

何をもってシステマが上達したという指標とするのか。

これはなかなか難しい問題だ。

〇〇ができるようになった。バツバツができるようになった。

システマはそういう指標では計れない。

なぜなら人が生きること全般に関わるから。

システマらしい動きはできるようになったけど、仕事ではぱっとしないままの人。むしろシステマに逃げてしまって、実業の方が疎かになってしまっている人。それを「上達」と言えるのだろうか。

これに明確に「NO」を突きつけるのは、システマの特徴じゃないかと思う。

だいたいのスポーツでは、仕事も家庭もおろそかにして、その競技に打ち込むことが美談にさえなる。でもシステマではそうはいかない。「普通の人になれ」と、ミカエルはいう。

だから普通に働き、普通に生活する。それがあってのシステマなのだ。

システマの動きがからきしでも、その人の仕事や家庭がうまく回るようになるなら、そちらの方がシステマ的な上達と言えるのだ。

だから、システマの上達を図る指標は設定しにくい。「あの人はシステマがうまい、うまくない」といううわさ話をする人もいるみたいだけど、「うまい、へた」という論議は、その前提となる基準が必要だ。それがないのだから、そもそもそういう議論自体が成り立たないということになる。

ただ個人的には一つ、明確な基準があるように思う。

レベルが上がるほど、見えてくるものがある。

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