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システマインストラクションのノウハウ

システマのクラスをリードするうえでのコツと言うか、北川が個人的に心がけていること。

まず大前提が

○来た時より帰る時の方が確実に強くなっているように。さもなければお金と時間を費やして来てもらった意味がない。

全員怪我しないで終えるように。システマにおけるプライオリティの最上位は「サバイブ」。

以下はそのためにどうするべきかと試行錯誤して得てきたこと。

・全員に目線を向けながら話す。下を向いたり、あさっての方向を向いたりしない。全員に「自分に向けて話している」と思ってもらうため。

・「えっと」とか「あのー」とか言わない。時間のムダ。

・「言葉にするのが難しいんですけど…」とか言わない。だったら何も言わない。

・言葉は簡潔に。造語や難しい表現を避けて、小学生にも分かる言い回しで。だから説明はかなり気を使う。

・テンションを否定しっぱなしにしない。うまくいかないのを全部テンションのせいにするのはインストラクターの怠慢。なぜそのテンションが生じるのか、そのテンションはどこにどう生じているのか、どうしたらそれが解消できるのか。それらを分析して、根本的な改善への道筋を一緒に考えるのがインストラクターの役目。

・年長者だろうが偉い人だろうが指摘すべきことはする。年長者だから、社会的な地位が高い人だから、きっと自分で気づいて修正するだろうと思って欠点を放置しても、治らない。むしろ欠点が固定化して修正不能になってしまう。

・人格を否定したと思わせないようにする。欠点を指摘されると、人格まで否定された気になってしまうもの。そうしないためには、指摘を具体的にする。指摘の焦点を明確にして、相手の全体ではなく一部分にフォーカスする。

・全員に技の感触を体験してもらう。結局、疑問は言葉よりも感触の方が解決しやすい。だから全員と組むようにする。

・改善に気づいたらちゃんと指摘する。100点満点で5点の人が6点になったのに気付けるだけの観察力が必要。そのつもりで生徒を観察することで、インストラクター自身の観察力が磨かれる。

・教え魔対策。特に練習してないけどやたら教えたがる人というのはいる。そういう人は女性や後輩をターゲットにする。教え上手なら良いのだけど、だいたいは下手。だいたい話してばかりで体を動かさないから。そういう場面が生じたらすぐにシャッフルしたり、次のワークに移ったりする。

インストラクターはやっぱりすごい、と思わせない。「インストラクターは別格だ」と思わせてしまうと、その人は伸びなくなってしまう。インストラクターがいる地点を「はるか先の境地」みたいに設定してしまうから。でもその程度の地点は軽く乗り越えて先にいってもらわないと困る。またそういう生徒に囲まれると、インストラクターの慢心に繋がる。だから何かと自分をオトすことをする。あるいは失敗を見せる。

・参加者の中で自分が一番練習している、と思えるだけの練習を積む。それに勝る自信はない。そもそも自分より練習してる人に教えられることなんてない。ただリードする側になると、リードの時間が増えて自分の練習時間が減ってしまうもの。だからセミナーとか自主練とかで別途、練習時間を確保しないといけない。

・出典をはっきりさせる。システマをミカエルの創始したもの。あらゆるワークはそれを誰が考案したものか、はっきりさせる。システマは本来、とてもシンプルで美しいもの。そこにいろいろな人の意図や解釈が混じることで混沌としてしまう。

マスターと役割を分ける。自分がミカエルやヴラディミアのようになることはできないし、彼らと同じことを教えることもできない。できるのは生徒達が彼らのクラスやセミナーに参加する時に、ちゃんと吸収できるようにすること。インストラクターはその下ごしらえに徹して、マスターが完成させるという風に役割を分担した方が効率が良い。

あれこれ書き出しましたけど、要は冒頭の2つを達成したいということ。そのインストラクター像については、「自分が初心者としてシステマを始めるとしたら、どんなインストラクターに習いたいか」と考えてみると良いと思います。

僕がシステマを習うなら、

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