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noteで学べるシステマ講座 第29回「ワンユニットの失敗談」
ヴラディミアが4大エクササイズについて解説しています。
日本時間12月6日未明に行われた「ACCUMULATE POWER」ウェビナーで「コアエクササイズについて教えてほしい」との質問に答えての一コマです。
アドバイスを抜粋すると次のようなことを教えています。
エクササイズに先立って
内側も外側も良いコンデションで望む。
プッシュアップ
全身をひとつながりにして上下する。内側をまとめる。
それには全身を感じること。
スクワット
両足を平行に。外股に開いたり、内股に閉じたりしない。
背骨を真っ直ぐにして上下する。理想的には地面と背骨を垂直に保ちたいが、非常に難しい。
ヴラディミア曰く「若い頃はできたけど、今は説明することができる(笑)」
腰に緊張が来たらその都度ゆるめる。
しゃがんだ体勢から立ち上がるときは、腰を上ではなく前方に移動させる。すると自然にまっすぐ立つことができる。
壁に向かってスクワットするエクササイズで背中を強くすることができる。
レッグレイズ
足を上げる距離はお腹の状態による。お腹が出てる人は垂直にあげるところまでで良い。スマートな人は頭の上にまで持っていけば良い。
シットアップ
背中をまっすぐに保って上下する。
歩く
頭が左右にぶれないよう、足をリラックスさせて歩く。
ワンユニットにする方法
この動画で個人的に興味深く思ったのが、00:50あたりのやり取りです。
アダムがプッシュアップしたところ、「No No」とヴラディミアがダメ出しし、アドバイスを与えます。
「Find your whole body」
その言葉に従ってアダムが腕の位置を微調整し、もう一度体を持ち上げます。
それを見たヴラディミアは「Better,,very good」とOKを出します。
そして「Mikhail explains, you need to know how to feel your body...」と続きます。「ミカエルが言うには、体を”感じる”方法をしる必要がある…」という感じでしょう。(間違ってたらすんません)
ここでおもしろいのが、ヴラディミアは全身をワンピース(ひとつながり)にする方法として、示唆したのは具体的な身体操作ではないということです。
代わりにヴラディミアが提示したのが、「Find(見つける)」と「Feel(感じる)」です。共通するのは、状況を観察するよう注意を向けているということです。その結果、アダムは自分の連動性の崩れを自覚し、よりしっくり来る位置に腕を動かして、プッシュアップをやりなおしました。それがうまくいったことから、ヴラディミアから「Very Good」が出たのだと考えられます。
ここでヴラディミアは問題点を指摘し、修正したわけではありません。代わりに、問題点の見つけ方を教えたのです。それだけで動きが明らかに変化しました。教えるのではなく、気づかせる。ヴラディミアやミカエルに見られる、システマ式指導法の真骨頂が見られます。
操作と観察
問題点を見つけるだけの観察力があれば、自ずと問題点を見つけ修正しようと努める。そういう変化が生まれます。
このやり取りを見て、私が数年前に犯した失敗を思い出しました。
トロントやモスクワで学んだ「呼吸で体を一つにする方法」を、ちょっと間違えたやり方で伝えてしまったのです。
それは「呼吸で身体を満たす」という方法でした。呼吸で身体を満たす。そういう「フル」の状態にする。すると姿勢が整うし、技の効きも良くなります。でもそこには大きな代償があったのです。効果的なワークは体に深い影響を与えます。その角度が少し狂うと、ダメージを与えてしまうこともあることを思い知りました。
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