ゴールをうまく設定して、チームの協業を成功に導く #ヌーラボ真夏のブログリレー2024
このnoteは #ヌーラボ真夏のブログリレー2024 Businessの2日目の記事として更新しています。
こんにちは。ヌーラボの尾藤です。
ビジネスを前進させる上で他者や複数のチームと協業することは欠かせないことであり、どれだけ上手に多くの人を巻き込んで相乗効果を出していくかが重要なファクターであることは多くの方が理解されているかと思います。
多くの人を巻き込んで相乗効果を出していく=コミュニケーションを活性化させてコラボレーションを促進する
ということであり、弊社ヌーラボもそのためのツールを開発し、チームの生産性を高めることを目指しています。
しかしながら言葉で言うほど他者と上手に協業することは簡単ではなく、チームで業務を遂行するにあたっては大なり小なり問題が付き物です。
そしてその問題の多くがチームとして業務(プロジェクト)を開始する初期段階の業務設計に起因していると考えています。
ということで今回は、私が思う社内・社外を含む、複数チームの協業を成功に導くための手法についてnoteにまとめました。
「チームで進める業務が思ったようにいかない」
「パートナー企業とのプロジェクトがいつも遅延してしまう」
といった悩みを抱える方へ、少しでも助けになれば幸いです。
大切なことは「ゴールの明確化と進捗管理」
ヌーラボでは、複数のチームを統合し、共通の目標に向かって協力するための手法として「チームワークマネジメント」という新しいマネジメント手法を定義しています。
ここでは詳しく説明しませんが、チームワークマネジメントの中でも基礎として定義されているのが「ゴールの明確化と進捗管理」です。
言葉で書くと当たり前のように感じますが、これが意外と難しく、チームメンバー全員が正しく同じゴールと、そこまでの過程を説明できる状況を作り出すことは容易ではありません。
自分の頭の中は思った以上に理解されない
1人で進める時とチームで進める時の一番の違いは「物事に対する考え方が異なる人物が集まっていること」です。
阿吽の呼吸のレベルに達した熟練のチームでさえ、100%思考を共有し合うことは不可能ですし、だからこそ描いているゴールや、ゴールに至る過程に微妙なズレが出てしまいます。
このズレが「思ったようにいかない」「遅延してしまう」に繋がるわけですね。
メンバーが2,3人であれば、まだ途中で軌道修正しながら進めることもできますが、ズレは関わるメンバーの多さに比例して広がりやすく、ズレを埋めるための業務設計を初期段階で行うことが必要です。
では自分が思い描くゴールを正しく共有した上で業務を開始するためにはどうすべきなのでしょうか。
ゴールを明確にするには目的と成果物を設定する
ゴールは明確であればあるほどチームはスムーズに動き出せますし、メンバーは何をすべきかを理解しやすくなります。
具体的には以下の3点を設定することで、チーム内のゴールの解像度は上がりやすくなります。
遠すぎずイメージしやすいゴールを設定する
ゴールを目指す目的を設定する
ゴールに辿り着いた時の成果物を設定する
ゴール設定の方法については、過去にも「失敗から学ぶBacklog活用術」で書いていますので、よろしければご覧ください。
遠すぎずイメージしやすいゴールを設定する
例えば「webサイトのPV数を10倍にする」というゴール設定はどうでしょうか。
そのために必要なタスク(やるべきこと)をすぐに出せる方もいれば、全くイメージできない方もいるでしょう。
イメージしやすいゴールは事業規模やフェーズ、メンバーのスキルなどによっても変わってきます。
重要なのは「チームメンバー全員が正しくイメージできるか」です。
チームメンバー全員がwebサイトのPV数を10倍になった状態をイメージできるのであればゴール設定として問題ありませんが、イメージできないメンバーがいるのであれば、もう少し手前のゴールを設定して、まずはチームでそれを目指す方が成功を積み重ねやすいです。
いきなり富士山登頂を目指すのではなく、まずは近くの日帰りで登れる山にハイキングをするイメージですね。
また、PV数を10倍にした後にどういったアクションを取るつもりなのかの共通認識も持っておく必要があります。
ゴールを目指す目的を設定する
先ほど挙げた「webサイトのPV数を10倍にする」のゴールを設定する場合、その目的は何でしょうか?
サイト訪問が増えることで購入や問い合わせ増に繋げるため
もっと広くサービスを知ってもらうため
アドセンスの売上を伸ばすため
などwebサイト流入を10倍に増やすことで達成したい目的があるはずです。
それをメンバー全員が自分の言葉で説明できるレベルに言語化する必要があります。
この目的がハッキリしていない場合、メンバーが思い描く過程にズレが出てしまいます。
webサイトのPV数を10倍にするというゴールを取っても、全体的に満遍なく増やすのか、一部を重点的に増やすのかでゴールまでの過程は全く異なります。
チームメンバー間にズレが生じれば物事はスムーズに進まなくなり、パフォーマンスの低下を招きます。
ゴールに辿り着いた時の成果物を設定する
ゴールとその目的を明確に設定した後、最後に明確にしておくべきなのが成果物です。
数字などで明確にゴールの条件を表せない場合、達成した時にどういう状況になっているかが曖昧になることで、最後の最後でズレてしまう場合があります。
メンバー全員が出社しているなど、同じ場所ですぐに話せる環境だと起こりにくいトラブルではありますが、主に社外や離れた場所のメンバーと協業する際にこういったことは起こりえます。
イメージしやすいゴールを設定し、目的も共通認識を持てていれば防げる可能性も高いですが、万全を期するためにもゴールにおける成果物も明確に設定しておきましょう。
タスクはチームに合わせた粒度で設計する
さて、ここまでは複数のチームが1つになってゴールに邁進できる状況を作るために大切なことをお伝えしました。
ここからは複数のチームがゴールを目指す時に各チームやメンバーが持つ小さなゴール(タスク)の設定方法についてお話します。
タスクの完了もゴールである以上、以下を基本とすることに変わりはありません。
遠すぎずイメージしやすいゴールを設定する
ゴールを目指す目的を設定する
ゴールに辿り着いた時の成果物を設定する
ですが、全体のゴールとは違い、各チームやメンバーに合わせた設計をする必要があります。
タスク完了までの時間と会議の頻度を合わせる
あなたのチームでは、メンバーが顔を合わせる定例のような会議をどれくらいの頻度で行っていますか?
毎朝でしょうか。週に1,2回でしょうか。
タスクを設定する際は、なるべくこの会議の頻度に期間を合わせることで、会議ごとに小さなゴールが積み重なっている状況になり、チームが進んでいることをメンバーが実感できるようになります。
もちろん全てを合わせられるわけではありませんので、"なるべく"です。
逆に1ヶ月を費やすようなタスクばかりを設定してしまうと、細かい進捗はあったとしてもゴールとして設定されているわけではありませんので、チームとして停滞している雰囲気が出てしまうのです。
進み方が同じだとしても、小さなゴールを積み重ねることでチームが活性化できるなら、それがベストですよね。
社内でも「進捗は全てを癒す」という言葉が出るくらい、進んでいる感覚をチームが実感できることは大切だと考えています。
タスクの粒度はあくまでメンバー視点で考える
では会議の頻度に合わせた細かなタスクを各メンバー分設定し、「いつまでに、誰が、何を」をきっちり決めさえすれば全ては順調に進むのか?と言われれば、答えはノーです。
仕事の進め方がよく分からないジュニアは別として、ある程度経験を積んだメンバーは仕事の進め方にそれぞれ型がありますし、それを崩されることでやりづらくなることがあります。
また、社外のパートナーと協業する際は、各社ある程度決められた進め方やサイクルがあり、変えることができない場合もあります。
こればかりは初期設計段階で全て把握することは困難ですので、まずは動き出し始めてから細かくやり取りをし、微調整を加えながら最適化していくことをおすすめします。
初期設計できっちり決めることは大事ですが、特に序盤はそれに捉われすぎず柔軟に動かすゆとりを持っておきましょう。
初期設計の工夫で、協業を成功に導く
今回は、私が思う"複数チームの協業を成功に導くための手法"についてお伝えしました。
チームが思っている以上の成果を挙げ、前に進むためには、メンバー全員がゴールとその過程、その道を辿る理由を正しく理解している必要があります。
そしてそのためには、チームリーダーはメンバーが理解できるようコミュニケーションを取る必要があります。
また、動き出した後も小さなゴールを積み重ねられるような設計にしておくことがおすすめです。
チームが1つの方向を向いて邁進できた時の力は想像を遥かに超えることがあります。
是非チームで協業する楽しさを味わってみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。