博耕房授業記録<現代文>【第三回目】
こんばんは。
今週の博耕房の授業記録です。
この記録は少しでも博耕房の授業内容を「感度の高い」高校生(とその親御さん)に見ていただき、「博耕房」に興味を抱き自由が丘の地にたどり着いてくれるといいなあ…なんて思いながら書いています。そもそも少人数でやることを前提としている空間なので、本当に数人を動かすことを目指しています。
それでは参りましょう。
先週までのまとめ。
◇ハイレベル【ウォーミングアップ】と【キントレ】
【ウォーミングアップ】は前回に引き続き、漢字・語句のテストです。以下のファイルの通りになります。
単に漢字を聞くだけではなく、よくあるアルファベットの略語の意味を問うてみました。
個人的には読解するうえであらゆる知識が役に立つ、という立場を取ります。そもそも受験生は言葉を知らない。そして、様々なことを知らない。それを放置してよいのでしょうか。
もちろん、受験勉強においてあらゆることを知り尽くすことは不可能です。しかし、少しでも知らないことを減らしていくという営みは受験勉強においては最後まで追求すべきだと思うので、そのサポートとして私は言葉の意味の調査や背景知識についての解説も必ず行います。
それをしなくてもいいというのは単なるポジショントークでしかないのではないですかね。最近そんなことをよく思います。
話がそれましたが、博耕房では(というよりも私の担当する授業では)読解に必要な要素であればすべて貪欲に吸収していただきます。
これが言いたかった。
【キントレ】(由来は第二回の授業記録をご覧ください)は、論理構造を「接続語を通して考える」というテーマで二回ほどやってみます。
これはかつて野矢茂樹先生の『論理トレーニング101題』に触発されて作った教材をリアレンジしたものです。
かつて使って結構効果があったので、今の自分が使うならどうするか……という観点で作り直しています。
(教材は著作権の観点から掲載をしません)
単純な問題なのですが、やってみると意外と正解しないんですよね……。
◇課題図書『はみ出しの人類学』第一章③
さて、第一回からじわじわと読み進め、次回でようやく第一章が何とか読み終わりそうです。
この課題図書のパートは以下の流れで進めています。
① 指定範囲の読解と設問(タケガワ設定)の演習
② 指定範囲の内容解説
③ 設問の「考え方」の解説と添削
①はそのままです。普通の現代文の授業(演習型)ととくに違いはありません。
②は「キソトレ」を使った論理構造や重要表現の把握と、背景にある知識や事実についての解説を実施します。
知識がいるかいらないかという低次元な話ではない、というのは先述の通りです。必要なことは盛り込みつつ、それらを体系立てて話をするのがこちらの仕事です。
③は以下のようなプリントを使っております。
このシートの目的は、設問をどのように捉え、答えにたどり着くためにはどうしたらいいかを考えることにあります。
先に答えを提示しているのは、大切なのは「答え」そのものではなく、「答えにたどり着くための思考であり作業である」という思想からです。
これは私が週に4~5本上げている「入試問題分析」の<プランニング>と<アプローチ>に相当するとお考え下さい。
〇がついてそれがモチベーションになる、というなら他のところで頑張っていただくとして、博耕房の現代文は答えに至るまでにどのような思考回路、作業をたどるのか、を定着させる場でありたいと考えています。
そして、それを踏まえて個々の解答について添削を行って、だいたい90分を迎えます。
◇ベーシック【ウォーミングアップ】と【キントレ】
基本の流れはハイレベルと同じです。
漢字テストはこちら。
キントレはハイレベルと同じものです。
◇課題図書『友だち幻想』第一章②(終わり)
第一章を終わらせて次回から第二章に向かいたい、だから今日で第一用を終わらせる(当たり前)……ので、なんとか終わらせました。
こちらで設定した問題は以下の通りです。
ベーシックは基本的に非受験学年を対象にしているので、答えに至るまでのアプローチをより重視しています。
まあでも、結果が出ないと退屈なこともあるでしょうが……そこらへんはうまい塩梅で授業を進めています(曖昧)
◇授業所感
二つの本を扱っているともちろん「差異」がありつつもそこになんらかの共通点があります。
それは「異なる立場の人間を以下に受容するか」です。ここ最近はこれがなかなかできていない人間が自分も含めて多いなあ、なんて思いました。
自分の立場を上げるために誰かを傷つけることは良くないことですね。そうならないように様々な視点を授業を通して与えてあげたいと思う一週間でした。
それでは。