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博耕房授業記録<現代文H/B第一回>

こんにちは。

早いもので一学期が始まりました。昨年はこの時期に開講日の延期が決まり、すべての仕事がリスケされていた……そんなことを思えばいまだ終わりの見えないコロナ禍とはいえ、昨年よりはマシなのかなとも思います。

さて、今期の開幕は博耕房の授業なのですが、博耕房で何をしているか、についてはイマイチ理解されていないのかな、と思っているので毎回授業レポートをnoteを使って授業内容を報告していきたいと思います。

古文や短期講座を含めて、「参加したら国語力がつく」ことは疑いがないと思っています。よって、迷える受験生にとって参考になれば幸いです。

〇ハイレベル第一回

・オリエンテーション
初回なので年間の見通しと授業の流れ、復習の方法を確認しています。ハイレベルは旧帝大・一橋・神戸・早慶上智を志望とする高三生と現代文が得意な高ニ・高一を対象としたクラスです。扱う内容もある程度レベルが高いです。オリエンテーションで使用したプリントは以下の通り。

・キソトレ 論構造「抽象と具体」

トレーニングで使う問題は著作権も絡むので掲載は割愛しますが、2007年のセンター試験問3を使って論理構造を確認しています。その際に以下のプリントを使っています。こちらはこの春をかけて作ったオリジナルの読解補助教材からの抜粋です。来週月曜あたりに冊子化する予定。(間に合うかな…)なお、博耕房に限らず私が授業を担当するクラスではすべてこの教材を配布します

さて、今回は「論」と「例」の関係について。そもそも、文章を書く人間はなぜその文を書こうとしたのか。もちろん、お金のためでもあると思うのですが、純粋な動機として「何か伝えるに値すること」があるからだと思うのです。そして、その「値すること」について、広く人々に知ってもらいたいからこそ言葉を尽くし、論を組み立てます。
その組み立て方(=論理構造)を頭に入れて文章読解にあたると、理解しやすくなるのは当然のことです。

よって、私の授業では今年から「短い文章でそのトレーニングをする」ことを必ず取り入れています。それが「キソトレ」です。まずは短い文章で論理関係を確認し、それを長い文章の中で見出せるようにする、という思惑で作っております。 

・課題図書の読解

ハイレベルでは以下の課題図書からスタートします。

文化人類学の出典が多かったように思える2021年度入試。頻出テーマを読み進める、ということでこの一冊を選びました。

今回は第一章の『近代を支えるわたし』と『近代以前の「わたし」』を扱いました。これらを読みどの点に注意して読解を進めるのか、論理構造の把握の上で気を付けるポイントはどこか、をお話しました。構造解析シートというものを使っていますが、これは授業参加者のみに配布しております。

また、下記のような設問を設定し解答作業もしてもらっています。

それに対する解析シートがこちら。

答えをあえて載せているのは、あくまでもどのように考えて答えを出すかが大事だから、という方針からです。答えへのアプローチ方法を学ぶこと、そしてそれを一般化することは入試現代文において必須の作業です。

・復習と課題

今回は「要約」「具体化」「語句調べ」の三本です。「具体化」は自分でひねり出してくださいね、という課題です。

〇ベーシック第一回

基本構造はハイレベルと同じです。ベーシックは基本的に非受験学年生と現代文が苦手な受験生を対象にしております。目指す先は基本的には変わらないのですが、授業の速度がゆっくりになる、というイメージですね。ゆっくりじっくりコトコトと……読解力を鍛えます。

・オリエンテーション

ベーシックはこちらの資料を使って進めました。

・キソトレ

ハイレベルとテーマは同じですが、扱う題材は変えています。

・課題図書の読解

ベーシックではこちらを扱います。

ベーシックは参加者が高校一年生ということもあり、まずは身近なところから…という意味合いです。一応社会学のアプローチで論を進めている文章ですからね。大学入試向きではないですが、まずはここから。

今回は「はじめに」を扱いました。この構造解析シートも授業参加者特典です。設問は載せておきます。

そしてそれに対する解析も。基本的な思惑はハイレベルと同じです。

・復習と課題

ベーシックは要約と語彙調べ。要約に挑んでもらいます。

〇授業所感

なんというか、すごくいい空間が作れる予感がしております。

参加者の出来不出来はさておき、少人数で丁寧に授業を進めていくと、参加者の進歩が分かる瞬間があり、授業担当者としては非常に楽しい時間でした。

ハイレベルは上記の通り、基本的に高三生対象ですが、ベーシックは間口を広く受け入れております。とくに現代文に苦手意識がある方はお早めにお問い合わせください。自分でいうのも何ですが、しっかりと国語力を養成可能な空間を作れていると思います。

お申し込みはこちらから


それではまた来週。

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武川 晋也
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