博耕房授業記録<現代文>第二回
こんにちは。武川です。
早いもので四月も折り返しに差し掛かり、各予備校でも開講週を迎えております。
少しだけ早く始まった博耕房は二週目です。
自由が丘は水出しコーヒーもオシャレですね。
お店はこちら。
それでは、今週の授業の記録を行います。
前回分もこちらでご確認ください。
【ハイレベルの授業】
① 復習テスト
前回の授業で「やるよ」と伝えたつもりでしたが、イマイチ浸透していなかったのか、驚きをもって迎えられた復習テスト。
当面は「漢字」「言葉の意味」を問う簡易テストになっています。サンプルは以下のファイルから。
最後の問題は出題ミスです。笑
語句の意味を2点とした10点満点でしたが、6-8点という点数分布。復習クオリティを高めることと、語彙への意識を高めてもらうきっかけを作ります。
② キソトレ配布
これです。
今年はこれまでの読解教材を「ゼロベース」から組み立て直し、受験生に配布しようとおもって3月ごろから作成を続けていたのですが、まだ制作中のものを含めてとんでもない枚数になることが判明したあたりから、
そうだ、冊子化しよう
という、いわばランナーズ・ハイ状態になっておりました。
そしてできたのが「キソトレ」です。
この冊子には「評論読解」「小説読解」において留意すべきポイントが「なぜそうなのか」という理屈の裏付けをもって説明されています。単なるポイント集のような浅いものではないと自負しております。だから作るのが大変だった…。
で、これはいわゆる「自費製作」なのですが、配布時に受講生から一切のお金をもらっていません。
現在話題の「お金配りおじさん」ならぬ、「教材配りおじさん」です、言ってしまえば。
もちろん、今後博耕房に参加してくれる方にもお渡しします。というよりもこれを使って授業するのでないと困るのです。
③ キソトレの「キントレ」
さて、そんな自信作の「キソトレ」なのですが、一つ問題点があります。
それは、「キソトレ」なのに「キントレ」と読まれてしまうことです。
先ほどのTwitter画像をアップしたところ何人かの先生から
「キントレ」、いいですね!
「キントレ」生徒に配布するの?
と聞かれ、なんのことやら?と思ていましたが、表紙の自体を凝ってしまったことが裏目に出たようです笑
しかし、転んでもタダでは起きないのが私です。それならば、「キソトレ」を深める教材として「キントレ」という教材を作ろう!ということで出来上がったのが「キソトレのキントレ」です。
この教材は論理構造だったり、重要表現を押さえるための教材で、キソトレに準拠したものです。
ハイレベルでは2012年関西学院大学で出題された『未来の社会学』若林幹夫の問題を最初の四段落だけに限定して加工し、その中で扱える問題を三題解いてもらいました。(いつも通り著作権関係によりプリントは割愛)
短い文章から読み進めて長い文章にたどり着く、という方法論は(同じ阪神ファンの)池上先生の参考書からアイデアを得たものです。
(この参考書は本当に名著。)
今回扱ったのは「対比」の構造理解について。今回は主に
・対比における「項目」と「内容」の対応
の話をしました。単に「対比」がある、と考えるのではなく、
「何が」(=項目)「どのように」(=内容)比べられているのか
を確認しよう、ということですね。
③ 『はみ出しの人類学』第一章②
前回は
「個人主義」=人類が獲得してきたもの(=自明ではなかった)
という内容でしたが、今回からはその「個人主義」を「自己責任論」に紐づけたうえで、「個人だけでは何ともならない問題がある」という論旨へと移行しました。
問題も二つ設定しましたが、「キントレ」で論理構造をしっかりと理解してもらっているおかげか、解答を作成するうえでも本文中の論理関係をしっかりと意識した答案が出来上がりつつあります。まだ二週目なのに。
来週からは少しずつペースを上げていきます。
【ベーシックの授業】
① 復習テスト
基本の概念は同じで、反応も同じでしたが、割とよく出来ていました。
テストはこちら。
② キソトレ配布とキントレ
ベーシックでは2016年センター試験の『キャラ化される子供たち』の第三段落までを抜粋して「キントレ」を行いました。
こちらも確認していることは同じです。対比の項目と内容の一致を意識してもらいました。
③ 『友だち地獄』第一章①
前回の「はじめに」で確認した
「友人関係を重視しながらもその関係に悩むことの多い日本人」
をふまえて、まずは「人間にとってのつながり」を考えることから論考が始められています。
そしてここでも「対比」が出てきます。そう、「キントレ」で確認したことをすぐに活かせるのは効果が大きいなあ、と思いました。
以上が今週の報告でした。
少人数ながらいい授業ができています。
ご興味のある方は以下のホームページからのお問い合わせを!
それでは。