2021 最難関国立大学入試分析② 東北大学
こんにちは。
昨日は北大の分析を行いました。
本日は東北大です。東北大もかつて分析を実施しております。
では、さっそく参りましょう
・大問1【設問】
<出典>『経験をリセットする 理論哲学から行為哲学へ』 河合英夫
<字数> 4,000字程度 東北大学にしてはやや長め。
<内容> 哲学の実践におけるありかた。
2021年に東北大学が東日本大震災を例に挙げている文章と、それに基づく現代の哲学あり方をテーマにした文章を出したことだけでも、この入試問題にはある種の尊さを感じる。
・大問1【設問】
問一 漢字
標準。落としたくないレベルでもある。
問二 比喩換言
やや難。「もてあます」のは「震災時に得た思い」である。では「持て余す」とはどういうことかについて書かなければならない。
傍線部そのものの解釈からかなり逸れた答案が多くなりそう。直前についてまとめるとアウト。その意味では差のつく問題。
問三 理由説明
やや平易。四段落の内容をまとめればよい。45字という字数もそこまで苦しくない。落としたくない問題。
問四 換言問題
標準からやや難。「捨てること」は既存の発想や視点。「見えてくるもの」は「異なった視点や発想」なのだが、この文章の内容を踏まえると「経験」が得られるという内容まで踏み込みたい。その意味でやや難。ただ、実際は差がつかないと思われる。
問五 換言問題
やや難。「吟遊する哲学」についての解釈は傍線部直前ならびに問四の内容が当てはまる。そこに「詩人」の要素を「並立的」に入れるのだが、これも問三で扱っている。これらの要素は拾いやすいが、文章にするのが難しいのでやや難とした。結果として差のつく問題。
・大問2【文章】
<出典>『鷹乃学習』 重松清 2018年『群像』8月号より
<字数> 4,700字 例年よりもやや多め
<内容> 離婚する夫の立場から両親・子供の心情を追っている作品。
・大問2【設問】
問一 語句説明
→標準。今年は2題。
問二 心情説明問題
→標準からやや難。字数が苦しいという東北大特有の難しさがある。また、因果関係を取り違えるとミスをする。やや差がつくか。
問三 心情説明問題
→標準的。内容の構成は「息子と両親の関係性のぎこちなさ」が「かえってよかった」、という流れなのだが、字数が苦しい。そして、ここを落とすとかなり苦しい。
問四 心情説明問題
→難。「拗ねた」に注目できるか、が勝負では?「街の衰退=寂しさ=孫と会えなくなる」の流れを組むことができるか……受験生には難しいと思われる。取れなくても仕方ない問題では?
問五 心情説明問題
→やや難。象徴の理解。麻布中学・開成高校の入試問題っぽい。この場面から何を読み取るか、で「感慨深い」系統になるのか?と思いきや、本人の思いとしては「この状況を受け入れる」という方が適切であると思われる。でもこの判断は難しい。ただし、ある程度までは書ける。よって、差がつくようにできている問題。
・分析を終えて
東北大学の小説の対策、、これは非常に難しい。しかし、ヒントは最難関高校入試(もちろん公立高校入試ではない)に隠れています。これは今後なんらかのアクションを起こす…かも。
それでは。