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甲子園の教育論⑫最低限を積み重ねる
◇今日の阪神タイガース
D0-6T
勝 ガンケル 6-0
負 岡野 0-2
先発のガンケルの今年の安定感は異常だ。
既定投球回数には達していないが、防御率は2.10。
先発投手の仕事ぶりを示すQS率は66.7%で、基本的には6回以上は投げてくれるし、3点以下には抑えてくれる。
何より6勝0敗である。チームの貯金の20の内、6がガンケルなのだ。この感覚、懐かしいと思ったら2003年のムーアが開幕から7連勝していた。変なヒゲとアホみたいに高いミート力。たしか、オリックスに移籍したときに安打数に応じたボーナスを求めていた気がする。もちろん、パリーグはDH制だが。
◇四番は大山でいい
そして、四番は打たないと叩かれる。それは必定の理である。しかし、阪神ファンはなんとなく底が浅いところもあり、大山が打てないなら佐藤を四番にすればいいじゃない、と騒ぎ立てる。
これは暗黒時代にひたすら打てない四番を抱え、その前に掛布やバースといったプロ野球の歴代でも屈指の主砲を抱えていたが故の浅はかなせっかちさなのであろう。また、そういう意見が可視化されるSNSの時代において「(佐藤に変えろとか言えちゃう思考が)残念だなぁ」なんてことを思いながらぼんやりと過ごしていたら、キッチリと結果を出すのが若き四番、大山。
これからも浅はかなファンを黙らせる活躍を期待したい。
◇辛い時期を耐え忍ぶこと
さて、タイガースは鬼門のナゴヤドーム(バンテリンドーム)を何とか2勝1敗でやり過ごした。やり過ごした、という言葉が正しいだろう。本当はあまり元気のない中日相手だから3連勝が目標だったようにも思える。
しかし、リリーフが不安定で、通算でも大きく負け越しているナゴヤドームで勝ち越せたのだ、いまはこれで良いと思う。貯金も20に戻せたし。
ここら辺の思考回路はやはり受験にも通じる。
受験生も結果が出なくて辛い時期や疲労が蓄積してモチベーションが落ちる時期があるだろう。そんなときに思うのだ。
人間だもの。
令和の相田みつをの登場である。
しかし、これは本当に仕方ないと思う。無理にあげてもあまり上向かないことも多々あるだろう。
しかし、一方でずっと下がりっぱなしということもない。人間は、特に若い人は、感情の起伏はそれなりにあるもので、モチベーションもどこかで回復する。
そんなときに、最低限の勉強を積み重ねていた人間は本当に強い。
やる気が回復したときにやる気が無かったときの自分に必ず感謝することになるだろう。
阪神タイガースも中型連勝を重ねている時期もあり、貯金も20まで達した。でも実は連勝そのものよりもこういう「最低限の結果」を必ずクリアーしていることがいまの位置を作っているのだ。だから、苦手な巨人に負け越したけど1勝2敗だったこと、苦手なナゴヤドームで勝ち越したことは秋に向けて本当に大きな意味を持っていると思うのだ。
受験生も疲れが溜まる時期。そして、とても大事な時期でもあるのだ。
頑張りましょう。
それでは。
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