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<ほぼ週刊連載>首都圏最難関高校受験についてのお話~早慶附属高校編①

こんにちは。

ここ最近は国公立大学入試分析という自己研鑽を皆さんに公開する記事を毎朝挙げております。

まあまあ閲覧数を稼いでいる東北大学の分析

筑波大学はTwitterでの反響は大きいんですけどね。

しかしですね、いまだに一定数の閲覧数があるのは、早慶附属高校についての分析なんですよ笑

まあ一応昨年末には早慶附属高校についての新書も発売し、たまに来る取材依頼もやっぱり早慶附属に関するものだったりします。

ただし、私自身は昨年末に高校入試の現場からは退いている立場です。それでもここまでいろいろな依頼が来るなら、一定数のニーズはあるのだろう、なんて思いながらこんな記事を書くことにしました。どこかの媒体で連載出来たらなあ……なんて思っているのですが、オファーはないので自分で勝手に連載を始めます。(各メディア媒体の皆様、お話お待ちしております)

このシリーズは私の経験に基づくお話です。人の経験ですからn=1の戯言となってしまうかもしれません。
しかし、私は最難関の高校入試において圧倒的なシェアを誇る進学塾で最も開成・国立附属・早慶附属高校の合格者を輩出した校舎(時には複数校舎)の中心メンバーとして最前線に立ち続けた人間です。このn=1はそんなに小さいものではないと思っております

よって、早慶附属高校をお考えの保護者の方、また現場に立つ先生方に何かを届けられればいいな、と思っております。

〇前提 : 首都圏における高校入試

首都圏、というよりも東京と埼玉南部、千葉東部、神奈川北部を中心とした入試は私が知る限り関西の一部(主に兵庫)を除くと特殊なものになっております。

一般的な高校入試においては、その道府県の各公立中学の最も賢い中学3年生は(特殊な事情がない限り)唯一無二のチョイスとしてとの道府県のトップの公立高校を選ぶのだと思います。現に、九州の出講先ではそのようなイメージです。上位に来るのはその地域のトップ校の生徒たち。

一方、首都圏の先ほど挙げた地域の受験生たちは、もちろん日比谷高校や横浜翠嵐高校を志望校として検討しますが、それと開成や筑波大学附属駒場、女子は慶應女子を天秤にかけて最終的に進学先を選びます。ここ数年で日比谷や横浜翠嵐を選ぶ受験生は増えてきましたが、私の知る限り、中3駿台模試で全国トップ100位以内に入るレベルの生徒たちは筑波大附属駒場や開成、国立附属高校に進学する生徒が多かったように思います。

〇首都圏の高校入試を特徴づけている学校群

もちろん、各都道府県にも国立大学附属高校はありますし、有力な私立進学校も存在しています。兵庫にはがあり、福岡には久留米大学附設高等学校があります。鹿児島にもラ・サール高校があります。ともに高校から入学できます。

しかし、首都圏の入試を特殊なものにしているのは開成や国立附属高校などの進学校というよりも、大学附属高校、特に早慶附属高校の存在です。

中学入試でも早慶附属の学校は人気があります。しかし、中学から入学するとのべ10年間受験がなく過ごすことになります。中学受験の保護者の方はその長さに対する危機意識をお持ちの方が多いのか、特に最上位層の生徒のご家庭は進学校をチョイスする傾向にあります。

ただ、高校入試は入ってからの長さが7年であること(ふしぎとこの3年間の短さがご家庭の心理的なハードルを下げています)、さらには公立小学校の頃のクラスの優秀生の多くは中学受験で私立中学に行き、その子たちと大学受験で競争することは回避した方がいいのかという思い、そしてなにより「入口」としての高校入試のハードルの低さ、などを考えると先述の日比谷高校や横浜翠嵐高校に恐らく難なく合格し、その中でも埋もれないレベルの中3生が平然と早大学院や慶應義塾高校への進学を決めていきます。中には最初から公立高校への進学の選択肢を持たない(=理社の授業を塾では選択せず、3科目に絞って勉強している)生徒もいます。
要は、早慶附属高校を志望する生徒は入試に向けた五科目の勉強をせず、英数国の三科目をしっかりと仕上げることで試験会場に向かっていくのです。これも他の地域と大きく違う入試の風景なのではないかと思います。

〇早慶附属高校受験のニーズは根強い

このように書いている私自身は中学入試から大学入試を経て大学に進学した人間です。(卒業には1年多くかかりましたが)
個人的には大学入試をしてほしいと思っております。だから主戦場を大学入試の授業に移しましたしね。

しかし、首都圏において大学付属高校へのニーズはとにかく根強い。何より早慶附属高校にはニーズが本当に根強い。私の出講先だった某アカデミーの最難関校専門校舎の選抜クラス(早慶附属高校以上の合格を狙うクラス)では進学校と付属校の志望者の比率は全社の比率が高いときでも1:2、標準的な学年では1:3~4ぐらいでした。(だいたい毎年総数で30~40人ぐらいの選抜クラスの中3生がいるとお考え下さい。

ただ、早慶附属高校についてはある程度の寡占市場であるがゆえに私が見てきた世界が全く一般性がないことはお伝えしておきます。笑
しかしそれゆえに「濃い」世界を見てきたとも自負しております

今回はここまで。次回は早慶附属高校志望者に向けて話をしてきたことについて書いていきたいと思います。

それではまた来週末。


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