今後の原油ポイント!!
「原油の急落要因」
①中国景気の下振れによる世界景気の減速懸念
②米国のシェールオイルの増産加速
③石油輸出国機構(OPEC)加盟国の増産
④ドル高による投機資金の流出等が挙げられる。
これらは、2014年後半から2016年前半にかけて原油相場が急落した時の状況とほぼ同じである。WTI原油は107ドル台から26ドル台へ下がった。
・シェールオイルは増産が続いており、米エネルギー情報局(EIA)による
と、19年の生産量は日量1200万バレルを突破する見込み。
・また2019年には新たに3本のパイプラインが完成する予定で、輸送能力も
向上している。すでに足元では日量約200万バレルを輸出しており、今後
も増加する可能性は高い。
・サウジは、サウジアラムコの上場が頓挫し、石油依存経済からの脱却が
遅れている。原油を売る以外に、歳入を確保する術がないため、当面は
増産を継続せざるをえないだろう。このことをふまえると、世界的な供給
過剰が簡単に解消されるとは考えにくく、売りが加速する可能性もある。
・しかし、20ドル台まで下落する可能性は低い。当時の状況と大きく異なる
点は、サウジの財政赤字が慢性的に続いていることである。
サウジの財政収支が均衡するためには1バレル=70〜80ドル程度の原油
価格が必要とされており、財政赤字の拡大を防ぐためにも、ある程度の
段階で減産に動く可能性がある。9月時点でサウジの余剰生産能力は日量
152万バレルあるが、中長期的には上記のことから、原油価格の過度な
下落は考えにくいだろう。