「問いのデザイン」を読んだのでメモ
問いのゴール
問いのゴールは
「新たな意味やアイデアの発見から固定観念等の認識や創造的なコミュニケーションを産むための関係性を再構築すること」
だと言っていると思います。笑
つまり新たな意味やアイデアの発見だけでは、本来の問いのゴール達成には至らず、自己の変化・他者とのつながりの変化があって初めて問いのゴール達成に至るということですね。興味深い。
そしてこの本では、問いを定義した後に
▶問いのテクニック
▶ワークショップのテクニック
▶ファシリテーションのテクニック
の順で色々説明してくれています。
その中でも
▶問いのテクニック
▶ファシリテーションのテクニック
についてはすぐに使えそうだったのでメモします。
問いのテクニック
問いを産む5つの思考法
▶素朴思考
▶天邪鬼思考
▶道具思考
▶構造化思考
▶哲学的思考
素朴思考:その名の通り素朴に疑問に思うことを素直に問いにする。もし思い浮かばなければwhy, who, when, what, how, how muchの5W2Hを利用。
天邪鬼思考:批判的に疑い疑問に思うことを問いにする。ワタシ的なやり方では「本当にそうなの?」「他に方法はないの?」などがテンプレな天邪鬼問い。
ちなみに素朴思考・天邪鬼思考のバランスが重要。もし素朴思考だけで議論を進めてしまうと、多角的な視点からの思考ができない。
道具思考:他事例や他者思考などを取り入れて思考する方法。「XXさんならどう捉えるだろうか?」という思考がこれに当たる。
構造化思考:適切な課題設定を行うための思考。ワタシのイメージでは、「なぜなぜ分析+ピラミッドストラクチャー」的なものかと思いました。
哲学的思考:本質を洞察しようとする思考法。ワタシのイメージでは、「そもそもXXX?」を繰り返す思考法。
より活発な問いを産むテクニック ~ 問いの制約 ~
漠然としたした自由度の高い問いへの回答は割と難しいです。例えば「今日はどんな日でしたか~?」と聞かれた時に、何を答えていいかわからなくなりませんか?そのために問いに制約をつけようというお話です。
問いの制約を設定するテクニック
▶価値基準を示す形容詞をつける
▶ポジ・ネガを示す
▶時期や期間を指定する
▶想定外の制約をつける
▶アウトプットの形式に制約をつける
価値基準を示す形容詞をつける:「良い日とは?」という問いの答えには様々なパターンがあります。それは良さに関する価値基準が多様だからです。そこで良いを「快適」等別の形容詞にすることで、思考の方向性が定まります。
ポジ・ネガを示す:「良い日」と「最低な日」を考えてもらい、思考の幅を広げる感じです。ポジとネガの間のギャップを明確にすることで、思考が活発になるからポジ・ネガを示すというのが良いのだと思います。
時期や期間を指定する:「良い日とは?」についても、明日の「良い日」と10年後の「良い日」はおそらく異なります。そのために時間的制約を付けることでより解像度の高い思考ができると思います。
アウトプットの形式に制約をつける:「良い日の3つの条件は?」「良い日を起承転結で表すと?」という感じでアウトプットの仕方に構造を作ることで、発散した意見を収束させることができます。
ファシリテーションのテクニック
ファシリテーターのコアスキル
▶説明力
▶場の観察力
▶即興力
▶情報編集力
▶リフレーミング力
▶場のホールド力
この中でも
▶情報編集力
▶リフレーミング力
について触れていきます。
情報編集力
▶共通点を探る:共通点を探り、対話の方向性や対話の深さを出す。
▶相違点を探る:相違から新しい問いを生み出す。
▶情報を構造化する:構造化し意見の全体像を捉える。
▶視点の不足を探る:意見の偏りに気づく。
リフレーミング力:参加者の思考の幅を広げる
▶利他的に考える:自分本位の視点に偏っているならば、利他的な視点を促す
▶大義を問い直す:手段ばかりにフォーカスしないようにする
▶前向きに捉える:ネガティブな意見に偏らせない
▶規範外にはみ出す:優等生回答だけがすべてではない
▶小さく分割する:意見が抽象的かつ大規模である場合に、具体的な複数の意見に分割
▶動詞に言い換える
▶言葉を定義する:あいまいな表現があれば、その言葉の定義を確認する
▶主体を変える:特定の主体による発言が増えている場合は、主体を捉え直す
▶時間尺度を変える:特定の時間軸に意見が集約している場合に、時間軸を変える
▶第三の道を探る:意見が2つに別れている場合に、他方法もないか確認する