『アンゼロ』初イベントを完走した感想~ソシャゲのイベントがこんなに簡単なわけがない~
2022年6月13日18:00~6月22日12:59の間、新作恋愛ゲーム『&0(アンドゼロ)』通称『アンゼロ』における初めてのイベントが開催されている。
前回の記事を書いたように、私はかなりこのゲームを気に入っている。しかし、不安を拭いきれないのも事実だ。
そんな中でイベントの告知があり、不安感情はさらに強まっていった。
不安の理由については、以下のnoteがわかりやすい。
このゲームは(一般的な意味合いでの)いわゆる「ソシャゲ」のビジネスモデルに則りつつも、ガチャと育成は完全にオマケで、オンライン要素も皆無という、硬派な売り切り型コンシューマーゲームそのものの性格をしていたのである。
本来、基本無料ソシャゲの利益の柱となるはずのガチャが、オマケ扱い。
どこで利益を出そうというのか。
ゲーム運営は慈善事業ではない。
そりゃファンは不安にもなるというものだ。
そして「期間限定イベント」は、古来よりソシャゲにおける売上・アクティブユーザー数強化週間のようなもの。
逆に言えば、ここでコケてしまうと挽回の余地がほぼなくなる。
……私はこっそり、『アンゼロ』のことをアンチ・ソーシャルゲームと呼んでいる。
ソシャゲの風体をとりながら、ことごとくそのシステムを否定するバランス設計。
実際に遊んでみなければ感じ取れない、ユーザーの身を削って異常な利益率を可能にする既存モデルへのアンチテーゼ。
拝金主義の象徴とも言うべき「イベント」で、この革命家は何をしでかしてもおかしくないと思っていた。
蓋を開けてみれば、なるほど。
このゲームは革命家である以前に、人々を楽しませるべくして生まれたエンタメであったのだと気づく。
私は安堵した。
アンチ・ソーシャルゲーム。
それは、売上を捨ててでもユーザーに身を削らせないことを信条にした理想論的ソーシャルゲームである。
イベント攻略情報
前置きが長くなったが、『アンゼロ』の初イベント「ネオン差す街 よい子には向かない職業」について解説していこう。
まず、記事タイトルにある「完走」とは言葉の綾で、実際にこのイベントで“走る”必要はまったくない。
歩いても余裕でゴールできる。
その理由のいくつかを以下に挙げていく。
・特攻ガチャは回さなくてもいい
このイベントは簡単に言うと、イベントエリアで「調査」を繰り返し行いイベントポイントを貯め、ポイントに応じた報酬を得るという内容だ。
どこかで見たようなルールでわかりやすい。
ソシャゲらしく「特攻カード」が実装されているが、これはガチャ以外にポイント報酬でも手に入る(種類は別)。
つまり、ノーコストで確実に特攻がつけられる。
ちなみに特攻カードの効果は、「調査」で編成するとRカードなら最大10%、SRなら最大22%、SSRなら最大45%のポイント上乗せボーナスが発生するというものだ。
このうち、ガチャで入手できるのがSSR 2種、SR 1種。ポイント報酬で入手および完凸できるのがSR 1種、R 1種となる。
したがって、ガチャをひかなくても最大32%の特攻ボーナスをつけられることになる。
この数字は十分に大きいものだと思う。
・ポイント報酬が美味しい
イベントエリアの理解度・依頼の達成報酬や、稼いだイベントポイントが使えるショップなどもあるが、その中でも目玉といえば「イベントポイント達成報酬」だろう。
この報酬は、累計ポイントが一定値に達するたびプレゼントに贈られるもので、最大40,000Ptまで設定されている。
すべてを達成する過程で、
ダイヤオリーブ240個
ガチャチケット2枚(ダイヤオリーブ70個相当)
完凸Rカード
完凸SRカード
R/SR/SSR調査力ピース
R/SR/SSRスキルLvピース
SSRハーツ
が手に入る。
※もちろんほかにも報酬はあるが、今回主要なものだけをピックアップした。
この内容がいかに美味しいかを説明しよう。
ダイヤオリーブ240個
ガチャチケット2枚(ダイヤオリーブ70個相当)
→ ダイヤオリーブの最安値は月一で購入できるハローパス(月パス)の860円/236個、通常購入だと10円~約6.7円/1個。
ガチャ10連分となるダイヤオリーブ350個は2,345円~3,500円ほどの相場となる。
完凸Rカード
完凸SRカード
→ 執筆時点の恒常ガチャにおけるカードの1種類ごとの排出率はSSR(3%/26種)で約0.115%、SR(7%/26種)で約0.269%(確定枠は約3.730%)、R(90%/26種)で約3.461%の計算だ。
この確率のガチャで同じカードを4枚引くと完凸ができる。なお、時間が経つほどにカードの種類は増えていくので、反比例的に1種類ごとの排出率=完凸の可能性は減り続ける一方である。
R/SR/SSR調査力ピース
R/SR/SSRスキルLvピース
→ 完凸後に同じカードを引いたときに、レア度に応じた調査力・スキルLvピースと交換できるキューブが手に入る。ちなみにガチャはすべて青天井だ。
SSRハーツ
→ 入手経路が今のところイベント報酬のみとなっている。
以上の理由から、これらの報酬は廃課金ユーザーでも得難い非常に貴重な代物なのである。
あくまで筆者の価値観に基づく見解ではあるが、無・微課金ユーザーはガチャのためにダイヤオリーブを貯めるくらいなら、このイベントで砕いたほうがコスパがいいとさえ思う。
・ポイント報酬がチョロい
そのような美味しい報酬が、そうやすやすと手に入るわけがないとお思いだろうか?
では、実例に基づいたデータを提示しよう。
私は今回、ポイント報酬の達成目標を2つ設定した。
ひとつは「SRカード完凸(28,000Pt到達)」、もうひとつは「すべてのポイント報酬の回収(40,000Pt到達)」だ。
それぞれの目標ポイントまでにおこなった「調査」のデータは以下の通り。
「調査」は運の要素がとても強い。
上図では累計と平均しか出していないが、その振り幅は特攻ありで1回あたり125Pt~643Ptと広い。
中央値は体感で300Pt前後といったところか。
カード編成は、この運の差を埋めるために選定されるべきだろう。
下図はその一例だ。
レア度が高いほど調査力とスキル能力・発生確率が高いので、SSRを2枚以上所持しているならば、特攻Rカードよりもそちらを編成したほうが恩恵を得られるかもしれないとの見方もある。(参照:twitter/@maaya0118)
また、目標達成までにかかった「111回」「152回」という調査回数が他ユーザーにとってどれほどの負担となるかは計り知れないが、少なくとも筆者の場合は、
レベルアップ回復がない(レベルカンスト済み)
毎日DP全快後にログイン
DP回復アイテムとスキップチケットは取得次第すべて使う
エリアの依頼完遂後はオートモード
ハローパス(毎日5回スキップ調査)あり
といったスタンスでプレイし、無理なく目標を達成することができている。
ポイント報酬は40,000Ptまでなのに、R特攻しか持たなかった初日から10,000Pt近く稼げた時点でヌルゲーの気配を感じてはいた。
想像通り、イベントが開始した日から4日で「ポイント報酬」および「イベントエリア報酬」を全回収できてしまった状況だ。
まだイベント終了まで丸5日もあるので、次は「ポイントショップ全買い」を目標に最後までマイペースに周回するつもりだ。
初イベントから見る『アンゼロ』の真意
Twitterの報告では、筆者よりも断然早く完走したユーザーが何人か見受けられた。
おそらく、そもそもが報酬獲得までの難易度をゆるめに設定した比較的簡単なイベントなのだと思われる。
スタミナ回復を今か今かと待機し、毎日数時間も拘束される苦行をこなし、なけなしの石を砕きつつ最終日ギリギリまで粘ってようやく目当ての報酬が手に入る……。
それが「ソシャゲのイベント」だと思っていた。
改めて言おう、『アンゼロ』は社会人向けのゲームであると。
それは社会人の財力が必要なゲームというわけではなく(青天井ガチャは別)、社会にもまれて疲れきっている社会人を癒やすゲームという意味だ。
そう考えれば、イベントですら片手間で完走できる手軽なゲーム性や、フルボイスでめちゃくちゃ褒めたり労ってくれるバディ、ストーリー描写の根底にある徹底された礼節意識、“アンチ・ソーシャルゲーム”……すべてに理由がつく。
どう利益を上げるつもりなのかは未だによくわからないものの、こういった人に優しいゲームがこれからもなくならないでほしいと願う。
イベントポイントショップ情報
獲得したイベントポイントは、そのまま専用ショップの通貨として利用できる。
ここで注目すべきは、通常のショップには並ばないレアな交流アイテム(「本音の種」、「手紙」)だ。
これらはキャラの親密レベルをよほど上げないと使用できないのだろうが、交流アイテムはその必要レベルに応じてドロップ率が低く設定されていると思われる。
また、レアなものはドロップするエリアも限られてくる。
必要ポイントは大きいが、この機に交換しておくことをお勧めする。
ポイントショップ全体の個人的な交換優先順位は次の通りだ。
本音の種、手紙
General以外のアイデア中
General以外のアイデア大
お出かけマネー
Generalアイデア大・中・小、他のアイデア小
DP回復アイテム
General以外のアイデア中は、ボードを解放するために大以上に数が必要になるため、率先して交換したい。
(ついでに言うと、私がボードを解放する理由は主にダイヤオリーブのためである。)
アイデア中を交換し終えたら、レアアイテムであるアイデア大を交換するといいだろう。
残りの重要度はどんぐりの背比べである。
イベントストーリーのあらすじと感想
「ポイント報酬」から得られるストーリーキーを使うことで、イベントストーリーを最後まで読むことができる。
イベントストーリーは全16話(+プロローグ)と、メインや個別ストーリーと比べてやや控えめのボリュームだ。
その代わり、今回特効カードにもなっている結城怜二、東海林広樹、火村匠など絡むキャラの人数はメインよりも多い。
そして依頼の顛末よりかは、それら特定のキャラとのやり取りのほうが気になってくるのだ。
さしずめ、メインと個別の中間のような構成だと言えよう。
メインよりもキャラは深く展開は軽く、だがしっかり色々な“謎”の解明につながる証拠は残していくストーリーとなっている。
あらすじとしては——
「離婚して疎遠になった娘に会いたい」と元父親に依頼され「会わせてあげたい」と精力的に調査をする主人公。しかし、他のメンバーは微妙な反応で……?
——と、そんな感じだ。
今回のイベントタイトル「ネオン差す街 よい子には向かない職業」の名の通り、『アンゼロ』の初イベントにふさわしい歌舞輝町の闇を描いた内容であった。
このゲームのストーリー全般に言えることだが、社会の闇と人間の持つ光との描写のバランスがとんでもなく良い。
闇の存在を目の当たりにした読者は主人公ともどもショックを受けるのだが、ノータイムでそばにいる人間が光で照らしてくれるので、読者も主人公も長く闇を見続けなくて済むのである。
「歌舞輝町の闇」を確実に認識させつつも、キャラクターによる癒やしで読者の正気度とキャラへの好感度を同時に上げさせてくる。
この手のひら…踊っていたい。
雑記
イベントが始まってくれたことで、月パスの「毎日無料で5回調査をスキップできる権利」が無駄にならなくてよかった。
というのも、第2章の結末読みたさにレベルカンストを急いだためである。
・メインストーリー第2章はいいぞ。
本当に面白い。
ギャルかわいい
どういうこと?
そういうこと!?
ギャル……😭
え? まさか……
ウヴァーーーーーーッ!!!😭😭😭😭
そういう感じ。
・「調査」の正しい遊び方
そういうこと。
(参考:上記トピック「初イベントから見る『アンゼロ』の真意」)
・イベント終了後すぐにメインストーリー第3章が実装される(予言)。
なぜなら、続々増加中であるカンストユーザーの経験値がゼロの先に消えていくのは悲しすぎるからだ。
雪原和哉の個別ストーリー実装もお待ちしております(2回目)。