ベンザブロックYASUMO勉強会
今回はベンザブロックYASUMOの勉強会を行います。
もちろん動画でも配信していますが、動画を見る時間がない人はぜひこちらを活用してください。
ベンザブロックYASUMOの成分
それではまずはベンザブロックYASUMOの成分についてです。
こちらは7種類の成分を配合しています。
まずは解熱鎮痛効果のあるイブプロフェンと喉の痛みに効くトラネキサム酸です。この2つを配合している事で熱はもちろん、特に喉の痛みに効く風邪薬になっています。
では次はグアイフェネシンです。こちらは痰を切る成分になりますので、痰が絡む時に有効な成分です。
そして次はジフェンヒドラミンです。こちらは鼻水・くしゃみに有効な成分で、いわゆる抗ヒスタミン薬と呼ばれるものになります。
では次は咳に効く成分のデキストロメトルファンとメチルエフェドリンです。この2つはデキストロメトルファンは咳中枢に作用して咳自体を抑え、メチルエフェドリンは気管支を広げて呼吸を楽にしてくれる作用が期待できます。
そして最後にリボフラビンですが、こちらはいわゆるビタミンB2になり風邪により生じた皮膚や粘膜などの炎症を抑える作用があります。ちなみにリボフラビンは尿が黄色くなる作用がありますが、害はありませんので気にしないでください。
と言う事でベンザブロックYASUMOは熱・のど・鼻・咳・痰に有効な風邪薬になります。
と以上が教科書的な何のひねりもない解説でしたが、ここからは少し専門的な話をしていきたいと思います。
ベンザブロックYASUMOのコンセプト
まずベンザブロックYASUMOのコンセプトは何かといいますとこれは「風邪をひいたら寝て治そう」と言う事をコンセプトにしています。
これは成分からも分かるんですがYASUMOがベンザブロックで唯一ジフェンヒドラミンを採用しています。このジフェンヒドラミンとはあの睡眠改善薬で有名なドリエルと同じ成分になっています。
もちろんドリエルと同じ成分だからと言って正直眠気が特段強いと言うわけではありませんが、イメージとしてドリエルと同じ成分と言うのは強いイメージになります。
そしてもう1つがカフェインを配合していないと言う点です。
カフェインは言うまでもなく覚醒作用がありますのでそれを配合しない事で眠りの妨げを防ぐ事になります。
ですからベンザブロックYASUMOがコンセプト通り眠る薬と言うのは理にかなっていると思われます。
ベンザブロックYASUMOの「寝る」に違和感
ただ正直この事に関してはかなり違和感を感じる風邪薬になっています。
そしてこれは完全に想像なんですが、考えれば考えるほど、本当はベンザブロックYASUMOは子供用を視野にいれて作られたのではないかと思うんです。
ではなぜそう考えたのについて説明します。
まず理由の1つめが、喉の痛みに効くトラネキサム酸の量が子供用だと言う事です。これは通常大人が使うのであればトラネキサム酸は1回に250㎎が設定されています。一方で子供用は1回が140㎎になっています。
これは例えば有名な風邪薬のベンザブロックLプレミアムにはトラネキサム酸が250㎎、そして子供も使える新ルルAゴールドDXαには140㎎が設定されています。そしてYASUMOもまた子供も使える量と同じで140㎎が設定されているんです。
はっきり言って大人が使用するのであればわざわざトラネキサム酸の140㎎を採用する必要性はありません。
では次の理由としてせき止め薬にコデインを使用していない事が挙げられます。これはご存じの通り、ジヒドロコデインは12歳未満は使用不可です。ですからYASUMOはあえて初めからコデインを配合していなかったのではと考えます。
ちなみにベンザブロックは色んな種類がありますが、他のベンザブロックシリーズを含めコデインを採用していないベンザブロックはこのYASUMOだけでになります。
そして次はそもそもこのYASUMOの眠り優先と言うコンセプトには無理があると言う事です。と言うのも少し前までは「風邪でも絶対に休めないあなたに」と言うキャッチコピーの風邪薬もあったぐらいで、正直風邪程度で仕事を休むのはかなり厳しいのが現実でした。
もちろん近年問題になっているはやり病のおかげで「風邪の症状の時は無理せずに会社に来るな」と言う風潮が出来てきたのも事実ですが、それでもこれは無理があるコンセプトです
と言うのも、もし仮に100%眠る事を優先したのであれば、ただ単にカフェインを配合していないだけで睡眠を優先したと言うのはかなり無理があります。これはなぜかと言いますとYASUMOにはメチルエフェドリンも入っており、こちらは不眠の副作用があるためです。ですからもし本気で睡眠優先ならばこのメチルエフェドリンは絶対に入れません
(少なくともこの件に関してメーカーの開発者がメチルエフェドリンの不眠の作用に関して気づかない事はまずありえないでしょう)
現に家族で使える風邪薬がコンセプトのストナファミリーにはカフェインもメチルエフェドリンも配合されていません。
それでは次の理由は他のベンザブロックとの兼ね合いです
ベンザブロックは症状別に鼻・のど・熱の3タイプが発売されています。おまけにそれぞれプレミアムタイプも発売されており、計6種類も既にある状況です。
では、もし次のベンザブロックを新たに作るならば、鼻・喉・熱ときたら次は「咳」が来るのが自然ではないでしょうか。これが唐突に「ぐっすり寝る薬にしましょう」となるのはかなり違和感を感じてしまいます。
それでは最後の5つ目の理由ですが、これは某感染症は喉の痛みが顕著なケースも多かったと言う事です。そうなるとやはり鎮痛効果が高いイブプロフェンを採用したいですし、かと言って喉に効くベンザブロックは既に存在するために(ベンザブロックLのことです)あえて違うコンセプトの睡眠にしたのではないでしょうか。
と言う事で睡眠優先なYASUMOは本当は睡眠優先と言うコンセプトではなく、初の子供も使えるベンザブロックとしたかったのではないでしょうか。
※実際に成分のイブプロフェンをアセトアミノフェンに変えると子供用としてかなりいい感じになります。
ただ既に発売されている薬に何を言っても意味がありませんので、ここからはYASUMOがどんな人に推奨できるのかについて紹介します。
ベンザブロックYASUMOがオススメできる人
実はこのYASUMOは案外良い風邪薬になっています。
と言うのも現在発売されている風邪薬の中でイブプロフェンとデキストロメトルファンのペアはかなりレアな作りになります。実は風邪の咳においてこのデキストロメトルファンは最も高い効果を発揮します。
ただ残念ながらデキストロメトルファン+イブプロフェンの組み合わせはほぼないのが現状です。
しかしYASUMOはこの2つを配合しており、おまけに喉の痛みに効くトラネキサム酸も配合しているため、この3つを採用している唯一無二の風邪薬になっています。
ではベンザブロックYASUMOがズバリ推奨できるのは、これは喉の痛みが強めで咳が出る人、そしてコデインを避けたい人に推奨できます。
今紹介した通り、喉の痛みと咳に効く成分を組み合わせている唯一無二の作りの風邪薬になるのは言うまでもありませんが特にジヒドロコデインは便秘や依存性のリスクもありますので、あえてジヒドロコデインを避ける事ができて、おまけに効き目も高い非常に使い勝手が良い風邪薬になると思います。
と言う事で長くなりましたがですからこのベンザブロックYASUMOもぜひ接客の際の選択肢の1つとして考えてみてはいかがでしょうか。
※今回の内容はこちらの動画はで紹介しています
https://youtu.be/3em_r9rJFZw