この違い説明できますか?Part1
理科の教員をやっているとよくある質問に「●●と■■はどう違うんですか?」というのがあります。例えば・・・
加熱と燃焼
加熱は読んで字のごとく「熱を加えて温度を上昇させる操作」です。
燃焼は「物質が酸素と激しく化合して熱や光を放出する化学反応」です。
具体例をあげると、鉄の塊を加熱すると真っ赤になって融けてドロドロの液体になります。冷やせば固体の鉄に戻ります。
が、スチールウールを燃焼させると、金属特有の輝き(金属光沢)を失って黒く変色し、電流を通さず、磁石にもくっつかない酸化鉄という別の物質に変化します。
では、
融けると溶ける
この違いはどうでしょう?説明できますか?
融けるは、融解といって、氷が水になるように「固体が液体へと変わる状態変化」。
溶けるは、溶解といって、水に砂糖が溶けるのように「液体の物質に別の物質が混ざって均一に広がる現象」です。
熱と温度
この違いはどうでしょう?
子供のときに、風邪が治って学校行くと友達が
お。もう大丈夫なの?熱ないの?
と優しい声をかけてくれたから
うん。もう熱ないよ!
と嬉々として答えると
えー!お前熱ないの?平熱もないの?0 ℃じゃん!死んでんじゃん!!やーい!ひゃっほー!
・・・みたいなことありませんでした?(笑)
熱はいわば「熱エネルギーそのもの」のことで、温度とは「物体の温かさや冷たさの度合いを数値化したもの」です。
ちなみに、理論上、熱エネルギーが0の温度は-273.15 ℃であり、前述の「平熱もないの?0 ℃じゃん!」というくだりは正しくは「平熱もないの?-273.15 ℃じゃん!」というべきです(笑)
また、この-273.15 ℃を絶対零度と呼び、ポケモンの技のぜったいれいどは-273.15 ℃ですね。
さらに、幼稚園くらいのときに男の子なら一度は
1兆度の炎と-1兆度の氷がぶつかったらどっちが勝つんだろう?
とか妄想を膨らませたことと思いますが、残念ながら前述の通り-273.15 ℃が最低温度で-1兆度はありません。
いかがでしたか?違いを説明できましたか?
もっと詳しく知りたかったり、何か疑問が沸いたら、こんなサービスもやってるので是非どうぞ。