【日記】大江健三郎のトーク・ショウ
https://genron-cafe.jp/event/20240216/
昨日は色々あり、note更新できなかった。なぜか鬱屈としてしまい、原稿もすすまないし集中できない。これではいけないと思い、ゲンロンカフェの大江健三郎のトーク・ショウへ。登壇者は安藤礼二✖️菊間晴子/司会_横山宏介。
菊間さんの発表は、昨年の東大で三回ひらかれたシンポジウムでも拝聴したことがある。文学についてのトーク・ショウはほとんど行ったことがないので新鮮だった。内容的には安藤礼二さんの意見に、自分のものは近かった。近年の大江読解に特権的なテキストとして柳田國男を引っ張ってくることを批判しておられたが、私も同じことを石原書房の石原さんに愚痴ったことがある。尾崎真理子氏の本は、いまいち私にはピンとこないものだった。どうピンとこなかったのかを、言葉にする力は私にはないのだが…読売新聞の元記者が読売文学賞とっていいのだろうか、と思ったが、まあ世の中そんなものなのかもしれない。
『水死』の話も面白く『万延元年のフットボール』があったからこその『同時代ゲーム』というのも、その通りだろうと思った。
『万延』の雪の描写、と『同時代』のラストに通底するものとしての井筒俊彦という話はとても面白く早速、岩波文庫の『神秘哲学』を注文した。三島由紀夫と大江健三郎が1960年代の後半に、同時代的に井筒を読んでいたというのがとても面白かった。三島の小説はむかし全部読んだが、全部忘れたので、再読したいという気持ちになった。
戦後民主主義的な大江のあり方と小説を分けるという話はいくらでもあるが、どちらかというとそれを接続した話が聞きたかった。前者は退屈、後者は刺激的、というのは紋切り型。で現在はその両者を接続するというフェーズな気がするし、実際にトークショウの最後の方でいま『ヒロシマノート』を再読するみたいな話題がちょっと出てきて、ほんのちょっとだけど、色々思い返すきっかけになった。『厳粛な綱渡』とかそういうやつをもう一度、全部読み返したいと思った。
その後、あさみさんと一緒にワインを飲み(呼んじゃった、ありがとうございます)なんとなく酒盛りに混ざっていたら途中、東浩紀さんがいらした。ゲンロンの誰かに古谷経衡に似ていると言われて、深く傷つき、はやく髪を切らないといけないという思いを強くした。切ります。ゲンロンの方にマジシャンがおり、トランプや輪ゴムのマジックを披露してくださった。気づいたらあさみさんは消えており、みなの話を拝聴していた。哲学系の会話の作法が全くわからないので黙っていたが、自分がいつもいるところとまったくカルチャーが違うので新鮮だった。
隣に座っていた、大江ファンの方と電車で一緒になったが、彼はラップもしているらしく、haruru犬love dog天使の名前を急に出してきた。すごく驚いた。懐かしい名前が出てきて嬉しかったです。haruruさん元気かな。
ひさしぶりに朝帰り。渋谷の朝を眺めて、その美しさに呆然としてしまった。写真撮ればよかったな。
今日はこれから高野慎三さんに会い、明後日は群像編集長に会う。偉い人たちと会う日が続くので、気合いを入れてゆく…。
以上。
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