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1週間極寒の海に入り続けた結果、旅行前に風邪をひいた

朝ベッドから起きあがろうとすると、なんかだるいし、頭は痛い。

嫌な予感がすると思いながら恐る恐る体温計を手に取って測ってみると、そこには "38.3℃"の表示が。

うわっ最悪だ、完全にやらかした。数日後から楽しみにしていたイースター休暇中の旅行だというのに。

思い当たる節は…ある、ありすぎる。むしろ風邪をひいてこんなに思い当たる節があるのは初めてなくらい。これは完全に1週間毎日、どんな天候でも海に入り続けたせいだ。


ちょっと生意気だけど、妹みたいなかわいい17歳

最近よく仲良くしている友達がいる。17歳のベルギー人の女の子。人のことは全く言えないが、とっても頑固で生意気。いや、頑固というか、ストイックというか、一度決めたことは曲げないタイプ。そして、色んな場面で私のことをディスってくる。でも、なんだかんだ言ってよく甘えてきたり、時折みせてくる笑顔がとんでもなくかわいい。

そして、私と同じように幼少期を親の影響で海外で過ごし、現地のインター校に通ったり、他の国に留学経験があったりしてなんだかんだ似たもの同士だからなのかもしれない。生意気で度々おい!って思うこともあるけど、最後は結局妹みたいでかわいくて憎めないタイプ。(まあ生意気に関しては私も周囲からかなり生意気だと言われるし、その自覚もあるので、人のことは全く言えませんが…。)

そんな感じで、いつも妹みたいな17歳の彼女の立場の方がなぜか優勢なので、彼女の誘い等に対して私の拒否権はない。そして、よく突拍子もないことを言ってくるのだが、この日もまた訳のわからない誘いをしてきた。

"Hey, bro. We're going swimming every day starting from today. "

まず、"Hey, bro."っていつもなんやねん、と思いながら一旦それは傍に置いといて。確かにその子も含めて他の人たちと何回か海に入りには行っていたけど、毎日となると話は違う。寒い時もあるし、強風の時もあるし、なんなら3月も下旬なのに雪が降ることだってある。だから、私はすかさず、「え、いやだ(笑)」となんの躊躇いもなく断った。まあどうせ最終的には私が折れて行くことになるんだろうが、嫌なものは嫌なので、とりあえずその主張だけはしておく。

「毎日はいやだよ。天気が良くて、気分が乗った時だけ私も参加するから一人で行ってきな。あなたは "Strong and Independent Women" だから一人でもできるよ、大丈夫」と。

いつもみんなから「17歳なんて赤ちゃんだ」なんていじられる時に自分で言ってる "I'm a strong and independent women" 、というのをいいように使ってみた。案の定からかうなと怒った彼女は、誘いを断った私のことを小心者だとかなんとか言って反撃してきたが、ひよっこのパンチくらいの威力しかなくて笑った。こういうところも可愛くて私は大好きである。そして、こうしてよく彼女のことをいじってリアクションを楽しんでいる。

しばらくの間やる・やらないの推し問答が続き、最終的にはもちろん私が折れた。横では、交渉に勝った勝ったと喜んでいる。無邪気に喜んでいるのがとんでもなくかわいい。自分おばさんみたいだな、なんて思いながら、こうして私の1週間毎日海に入るチャレンジが始まった。


1週間海に入ろう、チャレンジ

1日目:曇り、若干の雨、そして強風

初日からコンディションが悪い。お日様がないのよりも、雨が降っていることよりも何よりも風があるのが辛い。体感温度がグッと下がる。

でも、最近気づいたことがある。海に入る際は躊躇しない、そして叫ばない。水は当たり前に冷たいし寒いけど躊躇したり叫んだりする方が余計に寒く感じる気がして、あたかも何事もないようにして入る。意外とこれが効果あり。基本的になんでも考え方やメンタルで物事はうまく行くと思っている身である。

2日目:晴れ、無風

この日はこれで入るのが2回目。1回目はルーミーと。もう今日は一回入ったから許されると思ったけど、彼女が入ってないからと半ば強制連行。でも、この日は天気がよかったから、最高に気持ちよかった。

そして、この日初めて潜って泳いでみた。今まで肩まで一瞬浸かるのがやっとだったのに、思い切って潜ってみたら1秒くらい寒くて死にそうになったが、そのあとは全部水に浸かった方が温かいのに気づいて、しばらくスイスイ泳いでいた。また、顔を水につけて改めて、「あ、ここ本当に海だったんだ」と実感する。というのも、海といえどフィヨルドなので波はだいぶ穏やかでどっちかという湖みたいなイメージに近いから。

3日目

どんなだったか忘れた。多分記憶に残っていないということはそんなに良くも悪くもなかったんだと思う。

4日目:曇り、ほぼ無風

不思議なことに自ら海に行きたいと思うようになった。寒いのは間違いないけど、入った後の爽快感がなんとも病みつきになる。あの上がった瞬間は寒さから体がビリビリしているけどだんだんと体があったかくなって行くのがたまらない。きっとサウナとか水風呂とかが好きな人は似たような感覚になっているのではないかな、なんて思った。(サウナも水風呂も苦手でほぼ入ったことがないから本当のところはわからないけど笑)

5日目:小雨、無風、寒い

この日は骨組みだけだった桟橋に板がかけられたということで、普段は浜辺から水に入って行くが、桟橋から飛び込んだ。もちろん天気は悪いし、普段より寒かったのでいやだと言ったが、他の子達にもヨイショされて半ば強引に手をとられる形で飛び込んだ。体に電気ショックが走って溺れるかと思った。が、それも1秒くらい。あとは水の中の方があったかく感じでしばらく泳いだ。そして、なぜかまた桟橋に上がって2回目の飛び込みをした。寒かった。1回で留めておけばよかったと後悔。

6日目

これもどんなのだったか忘れた。

7日目:晴れ、強風、極寒

晴れているけれど、とにかく風が強くてとっても寒かった。1週間も毎日やっていたので、だいぶ慣れてきてはいたけど、この日は寒すぎて一瞬だけ肩まで浸かって猛ダッシュで沖まで戻った。裸足で入っているので、石がゴツゴツあたり痛い。足ツボが下に敷いてあるみたいな感じで、寒いのと痛いのとでずっと叫んでいた。


毎日海に入り続けた結果

毎日海に入った結果タイトルにある通り、風邪をひいた。

日本人の私からしたらなんら驚くこともないのだが、「寒い海の中に入ることは健康上良い」と信じて疑わない友人らには理解されなかった。まあ、恐らく一瞬だけ全身を水に浸けたら、すぐに出てあったかいシャワーを浴びるのが本来のやり方なのに、調子に乗ってスイスイ泳いだりしていたことが原因でしょう。

そして、風邪は引きましたが、極寒の海の中でも泳げる技術を身につけられたのは大きな収穫です。と言ってもなんら特別なことはしていけど…笑
ここでも結局大事なのは、単純に気合と、継続することだと学びました。(←それっぽく言ってみた笑)

みんなで酔っ払ってノリで海に入った深夜2時
青春の塊みたいな時間だった


おわりに

数日後に旅行を控えている中での風邪だったので、うわ最悪だ、と焦ったが、今はなんとか熱も下がったので一安心。

そして、意外とこのチャレンジは面白かった笑
こっちにきてやってよかったな・楽しいな、と思うことは大概最初はやりたくなかったり乗り気じゃなかったりしたものなので、これからもネガティブな感情を抱くものほどチャレンジしてみたいと思います。

(でもやっぱり極寒の強風の中で海に入るのはなかなか体がしんどくて実際風邪をひいたので、これからはやらない。天気の良い日だけ。)

これからだんだんと暖かくなり、凍えないで海に入れる日が待ち遠しい。

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