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長岡の花火―昇華する祈りと怨念
花火大会は今や冬でも観光地を彩るイベントとして定着しつつあります。しかし、長岡の花火には他の花火大会とは一線を画する特別な意味があると私は感じます。
長岡の花火玉には、ただの華やかさや娯楽以上のもの――長岡の歴史に刻まれた「怨念」が詰まっているように思えてなりません。戊辰戦争の惨禍、太平洋戦争中の空襲、度重なる地震、そして大雪。これらの災難が、長岡の人々の心に積もり積もった苦しみや鬱憤として存在し続けて来たと思います。
その怨念を昇華させるかのように夜空に放たれる花火。それは、悲しみや苦難に立ち向かい、希望と祈りを新たに紡ぎ出す象徴のようです。
長岡の花火は、単なる美しさを超えて、人々の思いと歴史を語り継ぐ「祈りの光」であり、長岡が歩んできた道のりを象徴する存在と思わざるを得ません
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