
大内宿 一泊 雪見旅
Tさんとの一泊現地集合現地解散の旅も10回となった。
特に気が合うというわけではなく何となく、しいて言えば
誘われるまま、断る理由もなくではあるが彼の選ぶ宿はいずれも
私の好みで嬉しい。これが長く続いている一番の理由ではないかと
思う。
2025年2月26日
長男のパタゴニアの防寒コートを『着て行け!』。と押し付けられた格好だったが、納得し痩せたマッチ棒のような体を包み込んだ。煙草のにおいを感じる。その内なれるだろうと、『気を付けて』の声を後に玄関を出た。5時丁度だった。湯野上温泉へは小田急代々木上原経由で東部の北千住から特急が便利で0742発に乗車、空いている。鬼怒川温泉での会津若松行に乗り換えると会津への峠越えとなる。ディーゼルエンジンの響く。加速はアナログ的
で車の様に背にぐーっと伝わる。トンネルをいくつか潜り会津へ抜けると車窓は斑白から白銀に移り無人駅舎は雪に埋もれ駅名を確認出来ない。
11時19分湯野上温泉駅についた。接続の大内宿行”猿遊号”に乗り込む。
この日は水曜日で大内宿の大半は休みとバスアテンドから聞かされた。標高差300m。ぼたん雪がフロントカラスに張り付く。ワイパーがそれを払う。その繰返しをぼんやり眺めている内にうとうとし始めた頃、『お客さん』と声をかけられハット目覚めた。大内宿は一面の雪。降り続くぼたん雪が外人観光客の会話を落ち着かせていた。


大内宿からのバスを降り会津鉄道 湯野上温泉駅から今晩お世話になる山形屋へ向かう。ミシキシとキーンのトザン靴が雪を鳴らす。既にチェックイン済のTさんから電話が鳴った。『忘れてないよね。今日を』と。言い返したかったがやめた。「今日は大内宿で再会スタートだったよね」と。