車いすユーザーの日常
この数ヶ月で印象に残った出来ごとのいくつかを書き残しておこうと思います。ユニバーサルマナーやバリアバリュー、社会のあり方を考える、小さなきっかけになれば嬉しいです。
お隣のご夫婦
昨晩の地震、久しぶりに不安でした。車いすだとどうしても、逃げ遅れるリスクがあります。もっと入念な準備が必要だと感じました。
地震直後、お仕事をさせて頂いている方数名から、安否確認の連絡を貰いました。同じくして両親からも連絡があり、父と母が今なお健康でいてくれることへの感謝を感じつつ、お客さんにまで気にかけてもらえるなんて、本当に恵まれているなと思います。
あと、僕のマンションはUR系ということもあってか、同じフロアの人はほとんどおじいちゃんとおばあちゃんなのですが、お隣さんがインターホン鳴らして、「カキちゃん、だいじょうぶやったー?」と安否確認に来てくれました(笑)。
またまた、感謝の思いが溢れると同時に、ふと反省しました。お隣のご夫婦は二人とも90歳を越えており、僕がサポートしなければいけないくらいなのに、こちらから主体的に動けなかったことが恥ずかしかったです。今後は一歩引いた姿勢ではなく、自身が誰かのために動けるときは、やれることをやろうと思います!
2021年10月8日
ホームに轟く声
京都の大宮駅から桂駅で特急に乗り換え大阪へ。車いすの前輪を浮かせ、電車に乗り込もうとしたら、どこからか声が届いた。
「おーい!兄ちゃん、いけるかー?」声の主は2両くらい先にいるおじいちゃん。遠い🤣笑
「ありがとーございまーす!いけまーすっ!!」と伝えたら、おじいちゃんは両腕で輪🙆♂️を作って、颯爽と電車に乗った。
ユニバーサルマナー…!!
2021年9月6日
痺れるスピーチ
パラリンピックの開会式、各国の選手が入場する度、感動しています。
インドはメダリストの報奨金がオリンピアンと同額とのことで、それにも痺れました。調べたところ、アメリカも同様だそう。選手の目的はお金でないにせよ、格差是正が実現していることに感銘を受けます。
『違いは強みであって、弱みではない』
IPCの会長パーソンズさんのスピーチ、バリアバリューに通ずる熱い言葉!
世界へ語りかけられたことに心震えました。
2021年8月24日
見張られる
車掌さん「どちらまで行かれますか?」
僕「ありがとうございます!一人で移動できるんで、降車駅への伝達は大丈夫です」
車掌さん「いや、見張っておかなければいけないんで!」
…見守ってもらうことはあっても、見張られるようなことはしてない(笑)
とはいえ、いつも気にかけて下さって、感謝です👨🦽🎵
2021年5月30日
何十回目
乗車拒否にあった。同僚が手を挙げて、タクシーが停まろうとしてくれた。でも、車いすの僕に気づくとスッと走り去った。「あらぁー、見事な!」と僕はヘラヘラしていた。
帰り道、同僚に「もう慣れたんですか?」と聞かれ、「まぁ、仕方ないよねぇ」と返すと、「僕はこたえました…」と彼が静かに言った。
乗車拒否には慣れている。へこたれることもない。でも、仲間が傷つくのはちゃんとツライ。だから、運転手さん、これからはお願いします!
今日また一つ、ミライロの仕事を頑張る理由が見つかった気がした。
2021年2月25日
ジョゼと虎と魚たち
今まで障害者を題材とした映画やドラマは、社会のバリアがいかに多いか、それがどれだけ不便なのかを描くばかりでした。でも、本作は違います。電車に乗れる、バスに乗れる、買い物へ行ける、映画館へ行ける、海へも行ける!
作中で東梅田駅のシーンは特に印象的でした。エレベーターはパッと見つからないけど探せばちゃんとどこかにあって、時間はかかるかもしれないけど行きたいところへちゃんと行ける。大阪メトロさんへの感謝、先人の方々への感謝が溢れます。
外へ出ることで、人と出会うことで、少しずつじんわりと人生が豊かになっていく。高校を辞めたばかりの頃の僕がそうであったように、もっと多くの人が希望を持てる未来を創るため、これからもミライロ、もっともっと頑張ります!!神作品に感謝。
2021年1月21日