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田舎の中学女子バレーで勝つために必要な要素(2)

中学女子バレーのネットの高さは、215cm。

身長が160cmくらいあれば、垂直跳びしてネット上端から手のひらの分だけ、まあ10〜15cmくらい上に出すことはできるだろう。

引退した3年生で1人、身長168cmの子がいて、この子は残念ながら、スパイクやサーブの際の腕の振りが遅かったので、安定感はなかったのだが、ブロックだけは、ネット上から35cmくらい手を出すことができた。
前腕部分の真ん中くらいまで出るということである。
これほど出ると、やはり相手スパイカーからすると脅威、というか邪魔である。
この子がいるといないとでは、守備のしやすさが全く違う。
我がチームの特徴の一つが、ブロックが高いという評価であった。

ブロックの要点は、まず形。姿勢である。
ネットからの距離、立ち位置をいつも一定にして待ち受ける。
ネットからの距離は前腕部分の長さだけ離れて立っていればよい。
自分の前腕を物差しとして、いつも同じだけネットから離れて立つことができる。
毎日のルーティンで、横移動のステップを身体に覚え込ませる。
近ければサイドステップ、遠ければランニングクロスステップで移動する。
極力ネットに対して身体が斜めにならないように、左右対称の姿勢で跳び上がる。
ネット上で白帯から腕までの距離が離れないよう、絶対にどの瞬間もボール1個分以上の隙間を作らないように心がける。吸い込みを防止するためである。
肩甲骨を意識して手をいっぱいに伸ばし、上腕が両耳に触れる程度に手と手の間を狭くすると、両手の間からボールが抜けていかない。
ジャンプ後の着地にも気を配る。
飛んだ姿勢が、お腹が出たような、上を仰ぎ見たような姿勢になれば、足はセンターラインに近い所に着地してしまうから、ネット下で足を踏み合って捻挫する可能性がある。
お腹をへこませ、顎をやや引き、上目遣いでボールを見るようにすると、ほぼジャンプを開始した地点に着地することができる。

ブロックの要点は次に、飛ぶ位置とタイミングである。
必要なのは想像力。
近い将来起こるであろうことを予測する力である。
相手の利き手の手のひらから放たれるボールが、おそらくネット上端の白帯の直ぐ上辺りを通過してこちらのコートに飛んでくる。
その想像上のボール軌道の途中に、遮るように手を出す。
自分のジャンプが一番高い瞬間にボールが手に当たるようにタイミングを合わせる。
相手スパイカーのボール速度は速いか遅いか?
相手スパイカーの打点はネットから近いか遠いか?つまりトスがネットに近いか遠いかで、打たれたボールがネット上を通過するまでの時間が変わる。

手のひらの形は、親指と小指に力を入れると教える人が多いが、そうではない。
指に力を入れたとて、指先にボールが当たれば、その後の結果は変わらない。
手のひらの形は、ただ壁に手をついた時のように指の間を開いて真っ平らにすればよい。
その上でできれば、人差し指が最も高い位置になるように、小指が外側真横を向くようにすると、骨格の仕組み上、手首が反りにくくなって、ボールの勢いに負けなくなる。

勝つために必要な要素の2つ目に、私はブロックを挙げたい。

なかなか、165cmを超える選手はいないかもしれないが、160そこそこの選手が数人いるならば、ブロックを教えたい。
スパイクが飛んでくる場所を狭めることができるし、ネット上の曖昧なボールを押し返すことができる。
ネット上端に当たって落ちるようなボールを、ネット下で待ち受けると、どのように跳ね、変化するかわからないので、とても処理が難しい。

そのような理由から、ネット上に両手のひらが出る選手には、全員ブロックをさせるとよい。

背の高い選手がたくさんいるのであれば、2枚ブロックも考える。

2枚ブロックの際には、跳び上がる前の腕の振りと、降りる際の腕の下げ方がコンパクトでなければ、隣の選手にぶつかってしまう。
跳び上がる前の腕は肘を曲げたまま振る。
降りる際は手を外側に開かず、胸の前で畳むようにして、またすぐ跳べるようにニュートラルポジションに最短距離で戻す。

それから、実戦を経験しないと、ブロック着地後に振り向いてレシーブに行く時にネットタッチを犯してしまうことが多いので、そのミスも経験させて、修正しておきたい。

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